連載:気まぐれゲーム雑記 第1034回:Xbox Play Anywhereに見るマイクロソフト戦略

Xbox One

どんな環境でもプレイできるのが一番喜ばしい

マイクロソフトの明確な戦略

AZです。E3関連の更新で色々とアップアップしておりますが、もうしばらくすれば正常化すると思われます。

それはさておき、マイクロソフトがE3 2016でXbox Play Anywhereを発表したわけですが、それについての考察記事が掲載されています。

Xbox Play Anywhereとは,「Xbox OneとWindows 10の両プラットフォームに向けてリリースされるタイトルは,Xbox One用のダウンロード版を購入すると,Windowsでもダウンロード版プレイできるようになる」というものだ。

~中略~

これは実のところ,とても大きな意味を持つ戦略転換だと言える。

確かに,「Xbox One版を買わないと,Windows 10版は付いてこない」「Windows 10版を買ってもXbox One版は付いてこない」という変則的なプログラムではあるものの,「少なくともファーストパーティ製のXbox One用タイトルはWindows 10版も発売になる」からだ。

これは,「Xbox OneとWindows 10は,完全に同列の『Microsoftのゲームプラットフォーム』と見なします」とMicrosoftが宣言したことに等しい。

これまでの家庭用ゲーム機の世界において,ゲーム機の商業的な存在価値を維持するためには,「当該ゲーム機用のタイトルは,そのゲーム機でしか遊べないものとして“囲う”」ことが絶対条件とされてきた。ユーザーに「あのゲームをプレイしたいからこのゲーム機を買う!」という動機を与えるために,である。

最終的に多くのプラットフォームで販売されるようになるタイトルでも,「最初の数か月は特定のプラットフォームでしか販売されないとか,DLCは特定のプラットフォームで先行するとか,あの手この手の囲い込み戦略が繰り広げられてきことは,ゲーマーなら多くの人が知っていることだろう。

しかしXbox Play Anywhereプログラムに参加するXbox One用タイトルは,Windows 10用が間違いなくリリースされる。つまり,Windows 10ベースのゲームPCを持っているなら,その人は,Xbox OneタイトルをプレイするためにわざわざXbox Oneを買う必要がなくなることになる。言い換えると,PCゲーマーにとって,Xbox One本体を購入する必要性はほとんどなくなってしまうのだ。

~中略~

今後,日本マイクロソフトは,国内で圧倒的なシェアを持つWindowsに注力して,PCゲームを強く訴求する戦略に切り換えてくると,筆者は考えている。「日本でXbox Oneのゲームをプレイしたい人」にとって,Xbox Play Anywhereこそ歓迎すべき施策であるように思う。

[引用元:4Gamer.net

極めて、同感ですね。

Xbox Play Anywhereについては、E3関連の話題が終わったら書こうと思っておりましたが、上記の考察記事は非常に上手く内容がまとまっています。若干長文となってはいますが、マイクロソフトの今後の展開などを見守りたい人は一読しておくといいかもしれません。

Xbox Play Anywhereの登場で、PCゲーマーにとってXbox Oneを買う理由がなくなるというのは、間違いない事でしょう。ゲーム専用機だからこそ遊べるゲームが存在する、というのは、ゲーム専用機の非常に大きなアドバンテージでした。それは今も変わりない事で、任天堂タイトルは任天堂ハードが必要ですし、PSタイトルはPSハードが必要になるなんて事は当たり前な話です。ただ、マイクロソフトの場合、Xboxの他にWindows 10も含めたという事になります。

このような施策は、Xbox事業単体で見れば痛手にも思える施策なわけですが、ゲーミングPCを持ちながらもXbox Oneの購入をためらっている人たちへ、強くアピールすることができるのも間違いない事です。それに、Windows 10でWindowsストアから購入すれば最終的にマイクロソフトの利益となりますし、今後PCのメインOSはWindows 10に集約されていくわけで、更に広がりを見せるのは言うまでもないでしょう。また、Xbox Oneの立ち位置は、ハイエンドXbox Oneとなる「Project Scorpio」が出てくるように、PCを持たない人たちのモデルとして今後も存在し続けていく事も予想できます。

Windows 10に回帰させるという他ハードメーカーにはできない様な施策を打ち出してきたマイクロソフトですが、今後はどれだけXbox Play Anywhere対応のゲームが出てくるかにも注目が集まる事になりそうです。色んなタイトルが対応することを期待したい限りですね。

連載:気まぐれゲーム雑記 第1034回:Xbox Play Anywhereに見るマイクロソフト戦略に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:Xbox Play Anywhereで色々とマイクロソフトの考えってのが見えてくるんじゃなかろうか? ってなお話です。

しゃきーんさん:まぁ、ナデラCEOになってからマイクロソフト全体の利益を優先するようになった感じはあるよな。

しょぼーんさん:わたくしとしては、良い流れになったとも思ってるけどね。Xbox OneとPCの融合は以前からも伝えられていたし、それがいよいよ実現しそうってなところまで来たってことじゃないかな。色んなデバイスでゲームができるようになるのは良い事だし、今後もガシガシ推し進めて欲しい限りだね。……日本でもPCが選択肢の一つになるくらい勢力を伸ばして欲しいものですなぁ……。

しゃきーんさん:ま、どのプラットフォームもそれ相応にサービス合戦してくれないと、サービス向上につながらないからなぁ……。

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