長期的にやれるかどうかが試される市場？

独占じゃなければいけないわけじゃない

AZです。まだ6月だというのに暑くて寝苦しいのは何とも世知辛い気分になりますが、いかがお過ごしでしょうか？

それはさておき、Valveのゲイブ氏がVRゲームのVRゲームの独占供給は望んでいないらしいという記事が公開されております。

SteamVRの中でもOculus Riftに対応するゲームは存在しており、オフィシャルには対応していないものの、アプリケーション側の設定を変更すればプレイ可能だ。しかしOculus Riftの独占供給の勢いにのまれHTC Viveが同様の方針に変更しないかと危惧するユーザーが現れた。Redditユーザーelpollodiablo187氏は、Valveのボスでありアイドルでもあるゲイブ・ニューウェル氏にメールで質問を試みたのだ。

やあゲイブさん、『Serious Sam VR』をOculusが独占するために買い取ろうって話を聞いたんだけど、Valveもそういったことをするんですか？

このメールに対し、ゲイブ氏は返答したという。

独占はユーザーにとってもデベロッパーにとっても良いものではないよ。さまざまな点でリスクがあるんだ。経済的リスク、ゲームデザインのリスク、スケジュールのリスク、組織のリスク、IPのリスクなどがある。我々はデベロッパーのリスクをサポートするために資金援助をおこなっている。その援助を受けてもOculus RiftやPlayStation VRへリリースできるよ。我々の望みは、独占供給を求められないようにデベロッパーを援助することだ。

ゲイブ氏は、メールの返信の中で「リスク」という言葉を何度も使っており、いかにデベロッパーにとってVR開発が困難なものであるかを強調している。文中にある資金援助にかんしてゲイブ氏は、「前払いSteam報酬（essentially pre-paid steam revenue）」であると説明する。独占供給はそういったリスクを高め、デベロッパーはもちろん、ユーザーにも良くないものであると考えているようだ。その言葉どおり、Steamにリリースするタイトルが、他社のVRハードウェアに対しても開放的であることを表明している。

Valveの方針がはっきりしたとはいえ、Redditではそもそもこのメールの真偽にかんして疑問を抱くユーザーも多い。elpollodiablo187氏は「私もまさか返信がくるとは思わなかった。」「本当だと証明できるものは少ないが、本当に望むユーザーにはメールアドレスにログインしてもらいたい。」「もし本当だと信じるとしても、たくさんのユーザーがメールを送ると彼に迷惑がかかるからやめてほしい。」と信ぴょう性を問うユーザーに反応している。

［引用元：Automaton］

まぁ、Valveならそういうスタンスでしょうかね。

とりあえず、本当にValveがそういうスタンスなのかどうか、真偽を確定するはできないわけですが、Steamは独占するよりもより広いプレイヤーにアピールする形を取っているわけで、VRでも同じスタンスであると言われればそんなところにも収まりましょうか。そういうところは、Valveらしいとも思ったりはします。

日本でも、PS VRの予約があっという間に終わってしまい、予約再開が待たれているような状況にはなっていますが、何とも難しいのはそこまで人気だったのか、それとも初回出荷はかなり押さえ込んだモノだったのか、というところでしょう。いやまぁ、しっかりと公式が予約に関しての告知をするくらいなので、想定よりは多かった事もうかがえるような気がしないこともありませんが。

VR市場が成長するのかどうかは、まだ見えて来ない部分があります。普及面で見れば、一番安いPS VRでも45000円程度はするわけで、家庭用ゲーム機の周辺機器としては高額である事に違いはありません。とはいっても、ゲーム以外での分野に期待するという路線もあるわけで、医療や映像などゲーム以外の分野でも広がりを見せれば、それはそれとしてVR市場が大きくなっていく糧となることが予想されます。

ゲーム産業の場合は、どのメーカーもビジネスでやっている以上、利益を見込めるくらいの市場に成長しないと困るというのもありますが、それは普及するだけのコンテンツをそろえられる事と、普及するまで時間がかかる事を考慮した上で、どれほど体力勝負ができるかという事にもなっていきます。VRタイトルの独占やら何やら色々と動きがあるのも確かですが、まずはVR市場が大きくなっていかない事には始まらない気もするので、どのメーカーも上手くいくよう立ち回って欲しい限りですね。