求められる「オープン」な環境と、ビジネスとしての利益

どの視点でみるかが大切

AZです。小規模開発でやっている会社のスマホ向けゲームの公式サイトにて、連絡先がgメールだった場合のモヤッとした感覚はなかなか拭い去れないモノがあります。

それはさておき、Epic GamesのTim Sweeney氏が「ユニバーサルWindowsプラットフォーム」を批判しているといった話題が出ております。

Microsoftは現在、Windows 10向けに展開されているアプリケーション開発環境「ユニバーサルWindowsプラットフォーム（通称、UWP）」を推し進めており、ビデオゲームの分野においてもこの導入を進めている。『Gears of War: Ultimate Edition』『Quantum Break』『Rise of the Tomb Raider』。UWPで制作したゲームは、スペックさえ許せばWindows 10マシンとXbox One、あるいはタブレットやWindows Phoneなどで動作させることができる。ハードウェア・パフォーマンスに関する制限など疑問は残るものの、ゲームの開発環境を「UWP」にすれば、コンソールの後方互換だけでなく”先方互換”も対応可能になるというのがSpencer氏の弁だ。

この「UWP」の構想を実現するには、Spencer氏が語るようにまだまだ長い道のりが必要だ。「Unity」や「Unreal Engine」など容易にマルチプラットフォーム対応のゲーム開発エンジンが手に入るなか、開発環境として「UWP」がデベロッパーたちに求められるようになるのか。また「UWP」で制作されたタイトルはWindows Store（およびXbox LIVE）に紐付けられており、Steamなどで販売する際にはデベロッパーはSteam API上であらためてゲームを構築しなければならない。Epic Gamesを率いるTim Sweeney氏は、このストア専売と30パーセントのロイヤリティがMicrosoftに入る仕様などに関して海外メディアThe Guardianに記事を寄稿し、「MicorosoftはPC上におけるゲーム開発を独占しようとしている。我々は戦う必要がある」と強い拒否感を示している。

Epic Gamesはゲーム開発エンジン「Unreal Engine 4」をデベロッパー向けに提供しており、Tim Sweeney氏の記事はMicrosoftという巨人が新たに生みだした開発環境「UWP」による囲い込みを防ぐため、仲間を募ったとも捉えることができるだろう。

［引用元：Automaton］

「独占」市場は望ましくありませんからねぇ……。

先日、マイクロソフトがXbox OneとWindows 10の一元化をより推し進めているといった様な話題を書いたりもしましたが、そこには「ユニバーサルWindowsプラットフォーム」といった将来的な互換も含めた開発環境で推し進めるという側面もありました。Epic Gamesの共同創立者であるTim Sweeney氏は、その「ユニバーサルWindowsプラットフォーム」を使う条件に問題があるという批判をしている事になります。

そもそも「ユニバーサルWindowsプラットフォーム」というのは、Windows 10が動くデバイス（Windows PhoneやXboxも含む）で動作するアプリケーションを統合する仕組みであり、要するにWindows 10が動く複数のデバイスの開発を簡単にするモノという理解がわかりやすいところでしょうか。ですが、その仕組みを利用した場合はWindows Storeで必ず売る事や30%のロイヤリティが発生する事が条件として存在しており、そこが「PC上におけるゲーム開発を独占しようとしている」につながるわけです。

この話は、PCゲーム市場の場合すでにSteamという巨大市場が存在しており、Windows Storeを市場として推し進めたいマイクロソフトがどこまで太刀打ちできるのかという話になります。ですが、「ユニバーサルWindowsプラットフォーム」を取り巻く動きはかつての「Games for Windows Live」を見ているかのような動きにも見られ、現時点だとWindows Storeが上手く機能するかどうかは何とも言いがたいところがあるでしょう。ゲーム開発をする人たちが、どういった環境を望むかや市場規模の大きさで判断されていく事になりそうです。

Fable Legendsの中止やLionhead Studiosの閉鎖検討など色々と推し進めているマイクロソフトですが、今後数年間でどういった市場が形成されることになるでしょうか？　色んな意味で、暖かく見守っておきたい限りですね。