連載:気まぐれゲーム雑記 第1064回:サイバーコネクトツーの松山洋氏がTGSのメーカー衣装に問題提起している件

TGS 2016

バランスの問題でもある

華を添えるのはほどほどに

AZです。商業ゲームメディアがゲーム愛をもって記事を書くのは大変素晴らしい事だと痛感しますし応援したいモノも感じるところではありますが、どれほど共感する人がいるのかも気にかけたい今日この頃です。

それはさておき、サイバーコネクトツーの松山洋社長が「“キャバクラゲームショウ”やめませんか?」という記事を公開し、主に私の中で話題になっているようです。

“キャバクラゲームショウ”やめませんか?

(今回もそうでしたが)ここ数年、色んなメーカーブースを回ると常に大盛況!それはいい。それ自体は実に喜ばしいこと。
けどね。
“なんか通路をふさぐほど人だかりができてるなー。”って、思って近づいてみると。
みんなブースのコンパニオンさんを撮影してる。
いや、もちろんね。ブースの“彩り”なんでしょう?
わかってますよ?
そんなことは。

~中略~

けど、最近って。それ(ブースでコスプレ衣装)はそれでやっているとは思うんですけど。
それとは別に、というか“それ以上に”各メーカーのコンパニオンさんの衣装、露出が高すぎません?
いや、ほんとに一部の方から“野暮なこと言うな”という声が聞こえてきますが(笑)。
言わせて下さいよ。ゲーム業界のひとりの人間として。
“いつからゲームショウは露出の高いコンパニオンさんで人を集めるようになったんですか?”
“我々が作っているのはゲームソフトで、その発売前の最新作を入場料を払ってまで来場してくれるお客さまにお披露目する場所だったんじゃないんですか?”
“我々が作るゲームソフトはそんなにも頼りないですか? ゲーム以外の目的を作らないと人に注目してもらうことができないんですか?”

~中略~

毎年、開催中に“TGS本日の各メーカーの美女写真まとめ”みたいな記事もあがりますよね。
私はわざわざ見ないですが。
増えてません?
そういう記事も。

~中略~

通路が通れなくなるほど人で溢れかえって、盛り上がるのは非常に嬉しいことですが。
通路が通れなくなる大半の理由がみんな“コンパニオンさんの写真を撮ってるから”って悲しくないですか?

~中略~

“キャバクラゲームショウやめようぜー。”

“露出の高い美女でお客様を釣るのはやめようぜー。”

“だから子供たちの来場が減るんだよー。”

“だから会場がおっさんばっかになるんだよー。”

[情報元:絶望禁止

とんでもなくド正論で、相変わらず漢っぷりがスゴイですね。

こういった“企業が華を添えすぎている”問題というのは海外だとE3あたりでも少し前に話題になった様な記憶があり、コンパニオンが減っている? という記事をどっかのメディアが書いてた気がするわけですが、日本でもゲーム業界で開発側の人が問題提起をするというのは良い流れではないでしょうか。今年の場合、どことは言いませんが水着姿のコンパニオンなおねえさんばかりでなかなかに“なるほど。”と言わざるをえなかったシーンも見受けられましたが、しかしてゲーム内容が内容なだけに“わからんでもない。”と思わざるを得なかったりする自分もいるのを振り返ると、ゲーム内容やら何やらも問われながら一定の解決方向を見出して欲しいモノはあります。

また、非ゲームメディアならまだしも、ゲーム愛に満ちあふれた商業ゲームメディアが嬉々としてコンパニオン特集を組んでいるあたりをみると、これまた“なるほど。”と思うところがあるのも否定できません。まぁ、人間は欲望に忠実ですし、そういった“需要があるから供給しているだけの話”といわれりゃ“その通り”としか言えないわけですが、一方で“ゲームの話題はどこでしょう?”とか“PVを稼ぎたいメディアと何が違うのだろう?”と思わされるところもありまして、この手の記事はある程度メーカーの力の入れ具合が見てとれるのも間違いないわけですが、ゲーム愛というのはなかなか難しいながらも上手くバランスをとって頑張って欲しいと感じさせてくれます。あ、ファン活動である“コスプレ”は本件とはまったくの別ものであり、公式が否定しない限りは“コスプレ”もまた一つの応援手段なのだと思う次第です。……余りに過激すぎるのは問題になるのでアレですけど。

ついでに、“子供たちの来場が減る”というのは、そもそも小金持ちな30~40代のゲーム好き達に向けて、30~40代の“わかる大人”がゲームを作ればそういう風になるとも思うわけで、子供が好みそうな路線を作り上げる事の難しさがにじみ出ているのも間違いないでしょう。そういった意味では、子供向けに挑み続けるレベルファイブや、再度挑もうとするカプコンなんかは確かにスゴイわけで、頑張って子供にも“ゲームの面白さ”を広め続けて欲しいと心底願わずにはおれません。

ゲームを“いち商品”として扱う以上、華を添えるという事の重要性も当然ながらに理解できます。華のない会場というのは、それだけで「活気があるように映るのかどうか」という問題も出てくるでしょうし、非ゲームメディアも取材に来るTGSなら余計に気にかけねばならないところです。とはいえ、やはり過度になりすぎるというのは良い傾向とは言いがたいでしょう。ゲームショウである以上は、華を添えるのはほどほどにして、ゲーム内容で勝負するような形になって欲しい限りですね。

連載:気まぐれゲーム雑記 第1064回:サイバーコネクトツーの松山洋氏がTGSのメーカー衣装に問題提起している件に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:サイバーコネクトツーの松山洋氏がTGSのメーカー衣装に問題提起しているよーってなお話です。

しゃきーんさん:言わんとしたいことはよく分かるし、開発の人がよくこういった話題を出したよな。

しょぼーんさん:まぁ今回のTGSは某Xperiaやら何やらセクシーな衣装路線が強かった部分があるのも間違いないけど、やっぱゲームショウである以上はゲーム内容をアピールして欲しいと思うよね。ついでに、メディアも色々やれる話にも思うし。……こういう記事って滅多に見ないんだけど、やっぱり閲覧数がスゴイのかねぇ……。

しゃきーんさん:そこについては何もいえねーけど、華を添えすぎるってのは何がメインなのかわからなくなるからな。メーカーもメディアも、色々と考えながらやって欲しいもんだ。

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