連載:気まぐれゲーム雑記 第1058回:Steamの非公式なデータ統計サイトをどれだけ信じるか
そのデータをどこまで信じるのか
知りたい情報が非公式だとどうなるか
AZです。最近はややこしく考える人が多いみたいですけれども、ゲームに限らず作品なんて「面白いモノは面白い」で良いのだし、「つまらないモノはつまらない」で良いのだし、その感性を他人に押しつけなければ「ソレで良い」と思うのです。
それはさておき、データ収集サイト「Steam Spy」がその存在感を強めていると話題になっているようです。
データ収集サイト「Steam Spy」が存在感を増している。Steam Spyは昨年4月に始動した、Steam上のプレイ人数や価格、売上といったデータを独自の手法で収集し公表するサイトだ。ウクライナのプログラマーSergey Galyonkin氏が開始したこのサービスは、時間を追うごとに影響力を強めている。
ゲームのセールスを非公式に取り扱ったものといえば、これまでは「VG chartz」が有名だった。しかしVG chartzは実際のデータとかけ離れているという例が多々あった。加えて市場調査会社大手NPDグループでさえ月ごとのデータしか提示できないのに対して、VG chartzは週ごとの売上を提示し、さらにそのデータ元を明かさないなどいくつもの点で信ぴょう性に欠くものがあり一部のユーザーからは「VG占い」と揶揄されていた。
Steam Spyの強みは一定の信ぴょう性だ。収集するデータは必ずしも正確ではないとGalyonkin氏自身も認めるものの、『Stardew Valley』の売上が100万本を突破したことはSteam Spyの指摘によりChucklefish Gamesが認める形となっていた。ほかにも、同じくSteamのデータを収集する非公式データベースサイトSteamDBへデータを提供したり、多くのメディアの情報ソースとされるなど、着実にその地位を固めている。
~中略~
またPC Gamerは、治安の良くない発展途上国に拠点を構えるデベロッパーなどは、Steam Spyによって利益の流れが計測でき、開発スタジオが襲撃される可能性を指摘している。さすがにこういった批判はやや飛躍している部分があるが、もはやSteam Spyはあまりの影響力を持つゆえに、情報が正しかったとしても「ゲーム会社にとってセンシティブなデータを勝手に公開する存在」を批難され、誤っていると「デマカセだ」と批判を受ける状態となっている。
こうした開発者の姿勢に対しGalyonkin氏は「うちは商用サイトではなく、個人でおこなっている世論調査のようなものだ。」とPolygonに語っており、PC Gamerには「Steam Spyはデベロッパーを助けるだけでなく、パブリッシャーの悪事を止めることもできると信じている。」と話している。[引用元:Automaton]
何とも難しい話題ですねぇ……。
当然の話ですが、データというのは信憑性があって初めて使えるモノになります。信憑性がなければ、そのデータに一切合切の価値はありません。という事を考えれば、個人でやっているデータ収集に信憑性があるのかと問われると、なかなか難しいところがあります。
ですが、Steam Spyのように、「知りたいであろうデータがすぐ手に入る」という状況は、多少の信憑性がなくとも利用価値があったりはします。もちろん、Steamの非公式なデータ収集サイトである以上、絶対的な信用はすべきじゃないのも間違いはないわけですが、かといって「どれだけの人がそのゲームを持っているのか」や「総プレイヤーの平均プレイ時間」など興味深いデータが並んでいれば、見たくなってしまうのも否定はできないわけです。
一番の落としどころは、やはりGalyonkin氏の言うとおり「個人でおこなっている世論調査のようなもの」として見るのが無難なラインでしょう。しかし、他にそういう事をやっているサイトがないとなると、その有用性はかなり高くなるのも当然の結果とは言えます。少なくとも、「VG chartz」よりは信憑性が高いと思っている人もそれなりにいるような気がしてなりません。
市場調査のデータは信憑性があってこそのモノですが、正しいデータはメーカーが持っている以上ある程度開示していった方が上手く働く事も多い時代になった様にも見受けられます。個人であろうとメーカーであろうと調査会社であろうと、データ情報を扱う際は細心の注意を払って欲しい限りですね。
:「Steam Spy」についての記事があったから、あのデータって扱いが難しいよなぁと思うわけでございます。
:まぁ、どこまで信用できるかって話にもなるよな。そもそも、メーカーやその他諸々が信用できるかという事にも繋がっていくし。
:そだねぇ。何が信用できるかってのは凄く大切な事だよ。すべての情報を信用しすぎない程度にしておく事も重要だし、かといって信じすぎないのもまた問題になるからね。でも、メーカーや版元より個人の方が信用できると思われちゃったら、その業界は本当にシンドイと思うよ。……そもそも、出版の慣例で発売直後は“大好評発売中”みたいな言葉を書くのが定番なんだけど、どう見ても“大好評”じゃないモノってたくさんあるよねぇ……。
:……まぁ、今はこうやって好き勝手に書いているんだからそれはそれで良いんじゃね? 情報の扱いには注意しよう、というオチで……。