連載:気まぐれゲーム雑記 第992回:Steamを中心とした日本のシューティングゲーム事情が垣間見える

結局は「買う」人たちがいないと始まらない

何はなくとも広がり続ければ良い

AZです。「スネーク・フライト(アマゾンリンク)」をついに見ましたが、ひたすらに登場する蛇と、ほどよい満足感と、ツッコミたい気分が得られるB級映画でした。

それはさておき、昨今はシューティングを主に作っている国内メーカーがSteamでタイトルを出しているという傾向について、各メーカーが語っているようです。

4Gamer:
実際,Steam上での各社の展開は順調なのでしょうか?

丸山博幸氏(以下,丸山氏):
それならまず,デジカさんに売上の話を聞いた方がいいのかな(笑)。

今井氏:
実額は申し上げられませんが(笑)。世界的にも国内的にもニッチなジャンルなのは否めないので,全体の規模としては大きくありません。ですが,アジア版のXbox 360を輸入してまでSTGを楽しんでいたような海外のコアなSTGファンはしっかりつかめて,それが全体の1/3くらいを占めています。国内ユーザーは増加傾向にあり,後に出したタイトルほど割合が高くなっています。具体的なデータは公開できませんが,「虫姫さま」はかなりの割合が国内からの購入です。
また,ケイブさんのタイトルを買うことによって,トライアングル・サービスさんのタイトルやキュートさんのタイトルに気付くといった状況も生まれました。世界的な母数は一定数確保されていますが,それに加えて日本国内のユーザーの増加がしっかりと感じられるという状況です。
STGファンは年齢層が高くなっている分,金銭的余裕のある方が多い印象です。国内プレイヤーの購買力が下がっているとかファンが減っているとか言われますが,実情は「出たら買いたいけど……」という感じですね。

~中略~

丸山氏:
~中略~
Steamでは「星霜鋼機ストラニア(以下,ストラニア)」をリリースしましたが,売上は……まあ正直あまりよくないですよ(笑)。ですが,もともと「どういうプラットフォームなのか」や「どういう人やお金の流れがあるのか」を調べるための観測気球的に行ったところもあります。売上に関しては二の次とまで言いませんが,「ちょっと売れないのかな」ぐらいの軽い気持ちですね。

~中略~

ラグ氏:
それに,そのころは国内におけるSteamの認知度が,まだそれほど高くなかったんですよ。「PCで出したら海賊版が出回るだけじゃん」という意見がある中で,こっちで「そんなことないです」と言っても,説得できる具体的な証拠がないので難しかったですね。

清水氏:
うちも数年前,PCで独自に出そうとしたとき,上から同じようなことを言われました。

ラグ氏:
僕もSTGメーカーの知り合いから,同じような話を聞いています。この数年で本当に変わりましたよ。

今井氏:
昔のPCゲーム市場は,日本人にとって本当にカオスだという認識だったんですよね。今はSteamが広まっていますし,どういうものかは認知されていると思います。

4Gamer:
P2Pソフトでの海賊版被害が深刻だった時期があるので,警戒するのは分かりますけど。

丸山氏:
「何年前の話をしているんだ」って言いたくなりますね(笑)。

今井氏:
まあ,PCゲーミングは日本にとって少し特殊なので……

米沢勇気氏(以下,米沢氏):
ここ数年は「FINAL FANTASY」シリーズなど大物タイトルもSteamで出始めましたし,しっかりしたDRM(※)が採用されているので,認知されてきた……ということなんですかね(笑)。

[引用元:4Gamer.net

なかなか面白い会話ですね。

シューティングは、世界的にも国内でもニッチなジャンルであることに間違いはありません。むしろニッチじゃなければ、今でも家庭用機を舞台に着実な結果を出し続けたでしょうし、大手メーカーもシューティングを作り続けていた事は想像にたやすいでしょう。

そういった市場環境でたどり着いたのがSteamだったというだけの事ではありますが、結果を出せているメーカーから、まだ様子見なところまで様々である事も窺えます。必ずしもSteamでどうにかなるわけじゃないという現実も垣間見える一方で、他ジャンルの国内大手メーカーもSteamでタイトルを出すようになったことで、日本市場におけるPCゲームを取り巻く環境が変化した事もしっかりと見えています。本当に、数年前とは大違いというべきところでしょう。

シューティングだけに限った話ではありませんが、今後日本におけるSteamの市場規模が大きくなるのかどうかが注目されます。もともとPCゲーム市場は日陰な位置づけだっただけに、賑わうというのは大いに期待したいモノがあります。もちろん、家庭用機なども含め、日本のゲーム市場全体が盛り上がれば言うことなしに間違いはありませんが。

今の日本市場は、スマートデバイス市場を頂点に家庭用機、PCなどが頑張っている状況になっておりますが、今後どういった市場に変化していくかはしっかりと注目しておきたいモノがあります。ゲーム好きたちにとって、より良い方向へ進む事を期待したい限りですね。

連載:気まぐれゲーム雑記 第992回:Steamを中心とした日本のシューティングゲーム事情が垣間見えるに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:日本のシューティングがSteamに集まってるよーってなお話です。

しゃきーんさん:まぁ、市場を広げないといけないってのが命題なんだろうな。

しょぼーんさん:ジャンルとして大きくないというどうにもならない点があるからこそ、ビジネス面を求めるなら幅広い市場展開をする他に選択肢はないんだろうなぁと。メーカーとしてやるなら、利益あってのゲーム開発である事に間違いはないんだし。……どのジャンルも、困らないくらいに盛り上がって欲しいモノだねぇ……。

しゃきーんさん:なかなか、そうならないのが現実ではあるがなぁ……。

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