連載:気まぐれゲーム雑記 第976回:アマゾン、“CryEngine”ベースの新しい無料ゲームエンジン「Lumberyard」を発表
アマゾンが本気で台頭する?
汎用ゲームエンジンで話題を牽引するのはどこになるのか
AZです。「パズル&ドラゴンズ TCG」が終わると言うことで、色々大変なのだなぁと遠巻きにウォッチしたい所存でございます。
それはさておき、開設当初は書籍のみを扱っていたのに気づいたら何でもあるようなECサイトへと成長したアマゾンが、“CryEngine”ベースの新しい無料ゲームエンジン「Lumberyard」を発表しました。特徴は次の通り。
「Luberyard」は完全無料のゲームエンジンとなっており、サブスクリプション費用やロイヤリティなどは一切発生しない。その代わりにAmazonのクラウドコンピューティングサービスの「Amazon Web Service(AWS)」や、昨年買収したゲーム映像配信サービス「Twitch」などが統合されており、これがAmazonにとっての”うまみ”となる。「Luberyard」がネイティブで対応しているサーバー技術やデータベースサービスは「AWS」のものだけであり、この「AWS」および「Twitch」の利用者を「Luberyard」を通じて増やそうというのが狙いである。
そのため公式FAQにおいては、「Amazon EC2」「Amazon Lambda」「Amazon DynamoDB」などに代わる非AWSのWebサービスの利用はできないと説明されている。ただし第三者ではなく、自身でハードウェアを用意した上でのサーバー管理や、SteamworksおよびApple Game Centerなどの販売サービスへゲームを接続することは認められているようだ。
なお今回の「Luberyard」の発表と共に、マルチプレイヤーゲームをより容易にディプロイしたりスケールしたりするAWSの新サービス「Amazon GameLift」も発表されている。これは「Luberyard」専用のサービスとなっており、海外メディアGamasutraの取材によれば1000人の日間アクティブユーザー数ごとに1.5ドルの費用が必要となる。
[引用元:Automaton]
これまた、いきなり旋風を巻き起こしそうですね。
すでにUnity5やUnreal Engine4が台頭しているわけですが、ここにきて“CryEngine”をベースとした「Luberyard」の登場は、どのような話題を作るかが見どころでしょうか。元々CryEngineはPS4やXbox Oneのゲームも作れたわけですし、今後iOSやAndroidといったモバイルやVRまで網羅するという事も告知されており、より汎用的なゲームエンジンとして広がりを見せるのかが焦点になりそうな気がしないこともありません。
Luberyardのウリは、完全無料である事やTwitchとの連動などがあげられるでしょう。一方で、非AWSのWebサービスの利用はできないということで、そこらへんをどう見るか次第でしょうか。AWSの新サービス「Amazon GameLift」にかかるコストと、他のサービスを使った場合のコストを比べた場合どうなるのかや、CryEngineベースでの開発がうまくいくか等々、メーカーは色々と模索することになりそうです。
多くの汎用エンジンが出てくる中、インディーな環境の人たちも含め開発側には新しい選択肢が生まれたことになりますが、ECサイトで知らぬ人はほぼいないであろう存在のアマゾンがCryEngineをひっさげてやってくるという本気っぷりを見せたというのは、海外のみならず日本でも話題を呼ぶことに間違い事でしょう。Amazon Game Studiosの設立から、Twitchの買収、Crytekとのライセンス契約締結など着々と準備を進めてきたという印象もありますし、今後どういったタイトルが出てくることになるのかは楽しみにしておきたいですね。
:アマゾンが“CryEngine”ベースの新しい無料ゲームエンジン「Lumberyard」を発表したよーってな話題です。
:アマゾンさん、なんかすげーな。
:ここまで本気でくるとは、想像できなかったなぁ。ぶっちゃけ、モバイル関連でお茶を濁す程度の事をするのかと思ってた。ここまでくると、本気でゲームエンジンで稼ぎつつ自社でもなんか作るってスタンスになるかもしれんね。……いろんな意味で、Crytekは助かっただろうなぁ……。
:いろんな噂が出てたしな……。