気まぐれゲーム雑記
第791回：角川が社内カンパニー制を廃止、「ファミ通」編集部は持ち株会社の角川ドワンゴへ

ゲームメディアを牛耳れるか？

被っている事業を抱え込むほど豊かでもない

AZです。リニューアル作業を着々と進めていますが、リニューアル先のデータベースをすべて吹き飛ばすという大惨事を起こして、先日は何も出来なかったことにただただ呆然としてしまいました。

それはそれとて、ファミ通や電撃等のゲームメディアからアニメ、小説、いわゆるライトノベルまで選り取り緑な娯楽事業を展開しているKADOKAWA（以後、角川）が社内カンパニー制を廃止すると話題になっているようです。

KADOKAWAは4月1日付けで社内カンパニー制を廃止した。「角川書店」「富士見書房」など8つのカンパニーに分かれていたが、コミックや雑誌などジャンルごとの「局」に再編。重複していた編集・制作機能を統合し、人員の効率化を図る。「角川書店」や「富士見書房」などのブランドは残っているが、組織名からは消えた。

～中略～

4月1日付け組織改編では、社内カンパニーをすべて廃止し、ジャンルごとの「局」に再編。各カンパニーの編集者をジャンルごとに配置し、角川書店や富士見書房のコミックレーベルは集約して「コミックキャラクター局」に、「ザ・テレビジョン」などの雑誌は「マガジンブランド局」に移管する――といった形にした。

［引用元：IT Media］

守りの面では、角川は３月に約300人の希望退職者募集を開始。組織再編はベテラン編集者がいなくなっても出版事業を維持するためには、少ない人数で効率良く書籍や雑誌を編集する体制が不可欠との判断だ。

攻めでは、社内カンパニーの一つだったエンターブレインからゲーム専門誌の草分け「ファミ通」の編集部を持ち株会社の角川ドワンゴの戦略本部事業部に移管した。同事業部のトップは元ファミ通編集長で業界に幅広い人脈を持つ浜村弘一氏。角川とドワンゴに散らばるゲームビジネスの種を集約し、新事業を立ち上げて統合効果の象徴に育てたい考えだ。

［引用元：日経新聞］

角川も大変そうですねぇ……。

角川が事業再編で子会社を吸収し社内カンパニー制を採用したのは2年ほど前の話です。しかし、それでも出版事業が主力の角川にとっては、採算が厳しかった事が窺えます。出版も相当冷え込んでいるようですし……。

かつていた出版業界の話題ですので気になると言えば気になりますが、ゲームブログとしてはやはりファミ通がどう動くのかは注目どころでしょうか。元々ファミ通は、2015年1月後半頃に角川ドワンゴが吸収するという発表をしておりましたので、さほど驚くこともありません。その時点でも、ゲームメディアの「ファミ通」ブランドとゲーム実況の「niconico」を一緒にして事業転換を目指すとしていたので、つまりはそういうことでしょう。

何となくですが、この流れは海外に見られるような情報誌が電子化オンリーになっていった時のモノに似ている気がしないこともありません。海外だと、編集者等々がゲーム紹介する動画をYouTubeにアップしておりますし、日本のゲームメディアも何となくそれに似た様な事をやっています。元よりゲーム情報誌なるモノは、ゲームの情報を売り物にしていただけの事です。インターネットの普及でメーカーが自社で情報を出すような流れができている昨今ですし、よほど「商業メディアにしかできない事」をしない限りは、情報を売り物にするのは厳しいのが現状と言えます。

今後、雑誌を抱え込むゲームメディアは、どのような事をして利益を得ようというのかを模索し続けていかないといけません。インターネット番組なるモノが普及していく事になるのかどうかはわかりませんが、角川も時代に合わせて対応していくようですし、ファミ通とドワンゴが一緒になって何をやっていこうというのかもジックリとウォッチしておきたいモノですね。