連載:気まぐれゲーム雑記 第742回:メタスコアを相手にするメーカー、しないメーカー

気まぐれゲーム雑記
第742回:メタスコアを相手にするメーカー、しないメーカー

考え過ぎも良くないのかもしれない?

消費者の場合は参考程度が無難かと

AZです。余りの寒さにコタツから出られません。

それはさておき、任天堂が決算にてメタスコアを取り上げた事でもホンノリと話題になっているようですが、「Sniper Elite」シリーズでお馴染みRebellionの最高経営責任者Jason Kingsley氏が、プロによるスコアは取るに足らない存在であると語っているようです。

人気シューター・フランチャイズ『Sniper Elite』を抱えるRebellionにとっては、そもそもプロの批評家による採点は取るに足らない存在であると最高経営責任者Jason Kingsley氏が語っている。

Jason Kingsley
Metacriticのことを気にしている人間は、ここには1人もいないよ。率直に言って、取るに足らない存在だと考えている。我々はユーザーの感想だけに集中しているし、ユーザー・スコアの統計はどれも、プロによるスコアの統計よりもはるかに高いんだ。我々にとっては、お金を出してくれる人や、自分たちが作品の出来に満足しているかどうかが重要だ。厳しいテストというのは、誰かが付けた抽象的な数字ではないんだよ。

~中略~

ゲームのストリーミング配信や実況動画の存在が、プロの批評家に取って代わっているとKingsley氏。

Jason Kingsley
デジタル・パブリッシャーで居ることの最大の価値というのは、YouTubeやTwitchを受け入れること、我々のゲームをプレーしている一般人の姿が人目に触れることにある。ゲームプレーがどんな感じか掴めるし、自分がプレーしたいと思えるかどうか、判断材料になる。

~中略~

ゲーム市場全体への悪影響を懸念するKingsley氏だが、Rebellion自体は、『Sniper Elite v2』をSteamだけで50万本以上売り上げるなど、好調を維持している。

Jason Kingsley
我々がリリースした『Sniper Elite』は全て初週は1位でデビューしている。すると、必ず予想外のヒットだと言われるが、10倍の開発費と20倍の宣伝費を投じたゲームと同じくらい売れているのだから、もはや予想外のヒットではないんだ。

[引用元:Choke Pointさん]

かなり良い事いってますねぇ。

「Sniper Elite v2」をSteamだけで50万本以上売り上げたというのは、流石とも言いましょうか。その手のゲームが好きな人も多いでしょうし、元よりメタスコアを気にしないで我が道を貫くというのも、一つの答えとしては正しい様にも思えてなりません。

また、すでにレビューが実況動画やプレイ動画に取って代わられる事を示唆していますが、実際その通りになるような未来像はうっすらと見えてきています。雑誌のレビューよりも、動画を見た方が圧倒的に早い。その動画が実況で、なおかつ面白そうにプレイしていれば、それだけで面白そうに思えるわけです。「百聞は一見にしかず」と昔の人も申しておりますが、つまりはそういう事なのでしょう。

で、そんなRebellionとは対照的に、Take-Twoの最高経営責任者Strauss Zelnick氏はレビューが売上に与える影響について言及しています。

Strauss Zelnick
例えば、映画ビジネスとは大きく異なっている。仮にパルム・ドールを受賞したとしても、興行成績には全く影響しないこともありえるんだ。例え酷評されたとしても、それが大衆向けのコメディだったりすると、観客は集まるんだよ。だが、ビデオゲームのMetacriticのスコアが振るわなかった場合は、苦戦することになるだろう。Metacriticで97点を獲得した次世代版『GTA V』のようにスコアが高ければ、それが売上に大きく影響することになる。

我々の購買層は、そうしたスコアに目を通しているんだ。彼らはレビューに目をやり、賞を気に掛けている。クオリティに関心があるんだよ。

[引用元:Choke Pointさん]

これもこれで、一理あるという他ありませんねぇ。

Take-Twoは、かなり大きなパブリッシャーであるのは言うまでもありませんし、大手だからこそ評価が売上に影響を及ぼすという事も理解できているのでしょう。開発側としては、気にしすぎない程度のほうがいいのかもしれませんが、タイトルの規模が大きければ大きいほど失敗はできません。経営側としては、確実に売っていかないといけないという事情がうっすらと見えてきます。

メタスコアだけに限りませんが、商業メディアによる点数付きのレビューに価値があるのは「発売前」までの事でしょう。発売されてしまえば、あとはプレイした人達がブログ、ツイッター、YouTube等々などあらゆる媒体を使って、面白かったか否かという情報が広がっていきます。発売前と発売後で何をどの程度参考にするか、大きく異なるのは明白です。

もちろん、メタスコアが「良いに越した事はない」事は間違いありません。ですが、どのメーカーもスコアだけに縛られることなく、プレイした人達からより良い評価が得られるよう努力していって欲しい限りですね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:メタスコアを参考にするよ! ってのと、メタスコアじゃなくてユーザースコアなら参考にするよ! ってメーカーがあるんだぞーってなお話です。

しゃきーんさん:ふむ。まぁ、どちらの言い分も正しいのだろうな。

しょぼーんさん:何となくだけど点数がある程度低くても想定の範囲内って思えるメーカーっていくつかあると思うわけです。それこそ、Rebellionはそういうメーカーだろうし、Paradoxのゲームもそんな感じ。大手だと、余計に気にしないといけないってのはあるのかもしれんね。……まぁ、ジョジョASBみたいにメディアが過剰な点数を付けすぎて荒れるケースもあるんだけどネー。

しゃきーんさん:……それはもう、何ともなぁ……。

連載:気まぐれゲーム雑記 第742回:メタスコアを相手にするメーカー、しないメーカーに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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しゃきーんさん

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