気まぐれゲーム雑記
第694回：Xbox Oneは中国市場でうまくいっていないようです

PS4はどうなるのかに注目したい

リージョンや売り方と海賊版対策の問題はいつもややこしい

AZです。ちょっと睡眠のリズムを崩したら、一日中眠くなると言う案件が勃発してしまいました。

それはさておき、Game WatchがXbox Oneの中国現地レポートを公開しています。少々長いので要点をまとめると次の様な感じ。

• ゲームショップを回ってみたが、Xbox Oneが売れているのを一台も見る事ができなかった
• Xbox Oneは中国でまったくうまくいっていない
• 価格設定やタイトルラインナップからロングスパンでの戦いになると思われていたが、ここまで動きが鈍いのは予想外だった
• 上手くいっていないのは、10年以上前にSony ChinaがPS2で大失敗し中国市場からコンソールゲームビジネス撤退をした過ちを繰り返しているから
• 原因の一つはリージョンロックをかけている事で、香港や台湾から入って来る並行品が動かないし、Xbox Oneは中国だとパッケージ版を扱っていないのでゲームショップが正規ソフトを取り扱っていないような事態が起きている
• 中古市場がないかわりに、一切の流通もない
• マイクロソフトがパッケージを断念した理由はわからないが、考えられるのはコピー対策
• Xbox360はDVDを採用したため初期でハックされて、あらゆるタイトルが5元（約75円）で売られたが、PS3はブルーレイを採用したためハックされたのはかなり後期で、それまで海賊版業者を押さえ込んだ
• 前世代機の戦いは、中国を中心としたアジア市場だとシェア面ではXbox360が圧勝したが、海賊版業者に対して有効な対策をだせなかったため、マイクロソフトはサードパーティの信頼を失った
• もう一つは、中国政府機関の検閲への対応がうまくいっていない
• いざローンチのタイミングになったら、「「Watch Dogs」や「Titanfall」など活きの良いタイトルはなくなり、レースゲームやスポーツものを中心にわずか10タイトルに留まり、その後のラインナップは不透明な状況
• リージョンロックがかかったゲーム機で新規タイトルがでないならば、プラットフォームとしては終わっている
• PS4は、十数年前のPS2の失敗から多くを学んでいるが、うまくいくかどうかはわからないのが中国ゲーム市場

［情報元：Game Watch］

だいたいこんな感じでしょうか。他にも、中国市場のメーカーや国の対策についても書かれているので、興味があれば一度読んで見る事をオススメします。

メディアがはっきりと「ハッキリ断言してしまっていいと思うが、Xbox Oneは中国でまったくうまくいっていない。」と書くのは珍しいケースですが、それほど深刻に感じ取れるという事に他なりません。下手にお茶を濁すよりも、むしろ好感が持てると評するべき内容です。ネガティブだの何だのという事ではなく、それが現実だという事が言えましょう。

対照的に、現時点だとGame WatchとしてはPS4の対応は中国市場で上手くやれているという印象のようです。しかして、結局は十数年ぶりに出るコンソールに対して中国の人達がどれだけ反応するのかというのがポイントであり、今やPCゲームが大きな市場として存在している以上やはり未知数と言わざるを得ない気はします。実際、日本では基本的にコンソールゲームはそこそこ高めな娯楽だと認識していますが、中国ではゲームがどう思われているかが気になるところでしょうか。

アジア市場というよりも中国に対して、どのプラットフォームも上手くやりたいという思惑があるのは間違っていませんが、Xbox Oneが出だしで大きくつまづいたのを見ると、他がどう動くのかは注目せざるを得ません。様子見状態の任天堂はさておいて、今のところ上手くいってそうなPS4が中国市場でコンソール事業を上手く立ち上げる事ができるか否かが最大の焦点です。

PS4は、アメリカやヨーロッパでかなり好調なセールスを記録し続けています。2014年の年末商戦もヨーロッパでは「かつてないほどの需要」と言われるほどであり、あとはアジア市場がどういった形を成していくのかは多くの人が注視している事でしょう。日本市場の行く末も気になるところではありますが、今後も大きくなり続ける可能性がある中国市場の動向も生暖かく見守っておきたいものですね。