気まぐれゲーム雑記
第333回：任天堂の山内溥前社長をしのぶ

任天堂の元社長である山内溥氏が亡くなりました。歳は85歳で、原因は肺炎だそうです。ファミコン世代の私にとっては、とても印象深い人でした。

今の日本のゲームシーンを考えると、据え置き機ゲームよりもメインは携帯機に移っていて、様々な理由でWii Uは非常に苦戦しています。しかし、山内氏はDSに2画面を起用させた事でも知られていて、間違いなく今のゲーム業界に多大な影響を与えた人であり、任天堂という会社を象徴する御仁だったのは間違いありません。告別式も任天堂本社で行われるそうです。

任天堂を一代で世界的ゲーム会社にした御仁ではありますが、ゲーム事業参入までの任天堂はひたすらに失敗を繰り返した企業だと言われています。タクシー事業、レジャー事業、果てにはラブホテル事業までやった末にたどり着いたのがゲーム事業でした。そこからゲームウォッチのヒットを生み出し、横井軍平氏、宮本茂氏らとファミリーコンピュータへ突き進みます。その頃からすでに、ゲームソフトの面白さが重要である事を訴え続けていました。

それからのゲーム産業の広がりは多くの人が知るところですが、今の任天堂のチャレンジ精神というのは山内氏の影響が特に強く残っていると感じる人も多いことでしょう。本件ではすでに、任天堂の岩田社長、CESA会長の鵜之沢伸氏、セガ元社長の中山隼雄氏らがコメントを寄せていたり、ゲームメディアもそれらを一斉に取り上げています。

今のゲーム業界にも通じるようなコンテンツの重要さを訴え続けてきましたが、本当に残念ながら亡くなられました。現在任天堂は業績やWii Uなどで苦戦が続いていますが、それでも黙々と山内氏がやってきたように様々な方向からチャレンジし続けていく事でしょう。このたびは、謹んでお悔やみ申し上げます。

なお、簡易ながらに世知辛い追悼記事ではありますが、私なりに精一杯真面目に書いたつもりですので、本日はいつもの座談会をお休みさせて頂きます。

［情報元：日経新聞さん］