連載:気まぐれゲーム雑記 第289回:MODを開発して企業に入れる文化が素晴らしい、と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第289回:MODを開発して企業に入れる文化が素晴らしい、と言う話題

PCゲームが流行らない日本じゃ羨ましい話ってことで……。

MODもインディーズももっと盛り上がれよ!

PCゲームと言えばMOD、MODと言えばPCゲームです。
MODは、PCゲームで使われるちょっとした簡易的な拡張です。もちろん、簡易的な拡張の域を超えるタイトルも多々あり、どれもこれも素晴らしいものから絶妙に微妙なモノまで選り取り見取りで、ユーザーも作る事が可能になっているという特徴があります。もちろん、すべてのメーカーがサポートするわけでもなく、むしろ禁止しているタイトルさえありますが……。

そんなMODではありますが、先日紹介したこちらのスカイリムのMODを作った19歳の少年が、そのMODの成果がベセスダ本社に認められベセスダに入社するという話題が出て来ました。詳しくはこちら
ざっとまとめると以下の通り。

  • 海外はドライな経営を行っている印象もあるが、ベセスダソフトワークスはほとんどアウトソーシング頼らず社内での開発にこだわるアットホームなメーカー
  • 最近入社したヴェリッキー氏は19歳のいわゆるニートだが、ベセスダソフトワークスの方から採用したいと打診があった
  • ニートの彼の履歴書代わりになったのが、スカイリム向けに開発したMOD「Falskaar」
  • 「Falskaar」は20~30時間を必要とする超大作MODで、26種類のクエストと9つのメインストーリーがあり、武器、書籍、スペル、シャウトなどのコンテンツを収めている
  • 開発したヴェリッキー氏は、2000時間をかけて作った
  • このMODを1人で作ったわけではなく、プロアマ問わずの声優からキャラのモデル、テクスチャー、楽曲など100人ほどの人達が開発に貢献した
  • 欧米のゲーム業界では人手不足になっていると言われていて、MOD製作は人材発掘として注目を浴びている
  • MOD開発者がプロになった例は少ないわけではない
  • お金がなくとも、やる気さえあればゲーム開発者になれるという実例になった
  • 日本ではMODカルチャーが十分に発達しているとはいえないが、いずれこうなっていくかもしれない

だいたいこんな感じです。
これは非常に頼もしい話題で、MOD開発がより一層賑わって欲しい話ではありますが、さて日本はどうなのだろうか? とも思えてしまうわけで。ということで、本日はそんな日本のMOD事情を書いてみようかと思う次第です。

日本はPCゲームがもっと流行ればいいのに?

日本だとPCゲーム市場は、それはもうまるで盛り上がりを見せない市場と言えるでしょう。売れるタイトルと言えば、時折出るオンラインゲーム(FFなど)や、ニコ動で人気を博したタイプのCivとかそんな程度でしょうか。とにかく、話題になるタイトルは非常に限られます。
海外だと家庭用ゲーム機より先にPCが流行ったわけですが、日本だと逆で家庭用ゲーム機が先に流行してしまいました。もちろん、良い悪いはあると思いますが、PCゲーム市場は最初から見向きされない市場になるのも仕方がなかったわけです。

で、いざPCゲームに目を向けた企業は日本だとMODを改造データとして許容しない動きが目立ちました。特に、MODはサポート面で非常に厄介です。家庭用ゲーム機で育った日本としては、ユーザーが作ったMODデータに対して自己責任を訴えたところで、中々理解が得られなかったようには思えます。

当然ながらこの動きは欧米でもあります。ディアブロ2やシムシティ4ではMODの使用ができたわけですが、ディアブロ3、新生シムシティはオンライン強化によりMODが使用できなくなるという動きもありました。ですが、DotAのようにMODで大きな賑わいを出すものもあり、ベセスダのように最初からMODに寛容でユーザーの心を捉えるメーカーも多くなりました。こういった関連は、ユーザーとメーカー、それにゲーム開発を簡易的に結びつけるもので、インディーズにも似たような風潮さえあるように思えてなりません。

日本で今後MODが流行るかどうかと言われたら、もの凄く微妙でしょう。そもそもPCゲーム市場の土台が出来ていません。海外ゲームで日本語をサポートしているタイトルはあれど、日本語がメインでメーカーも全面的に日本語のMODをバックアップしている、というメーカーはそうはありません。そういった開発環境の土台そのものが違っています。
ですが、MODはPCゲームならではの文化です。そして、ゲーム開発者を育てる一つの手段としても有益なわけです。PCゲーム市場は日本だと非常にアレな存在ではありますが、各メーカーは少しでも開発者が増えるような環境を作っていって欲しいものですね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:スカイリムの超大型MODを作った19歳の少年がベセスダに入社したぞーってなお話です。

しゃきーんさん:おお。あのMODの子は入社したのか。すげーな。

しょぼーんさん:そういった人を雇っちゃおうという柔軟さも実に素晴らしい。日本じゃこういう行動に出るメーカーはないでしょうな。そもそも、日本じゃ開発者達を増やそうっていう環境が少ないんだし。……PCもそれ以外も、上手く広がりを見せて欲しいもんだねぇ。

しゃきーんさん:開発者が増えないとゲームが増えないからな……。その分、面白いゲームが出る可能性も減っちまうってのは勿体ない話だし、新ハードはインディーズやら何やらの門戸は広く開けておいてほしい限りだな。

連載:気まぐれゲーム雑記 第289回:MODを開発して企業に入れる文化が素晴らしい、と言う話題に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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しゃきーんさん

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