連載:気まぐれゲーム雑記 第283回:スクエニ和田氏が語るローカライズ、と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第283回:スクエニ和田氏が語るローカライズ、と言う話題

良いローカライズって何だろう?

スクエニの和田さんは滞りなく頑張ってるようで

スクエニの和田氏が6月いっぱいでスクエニHDの代表取締役社長を退任し、スクエニの取締役会長に就任した事は記憶に新しい出来事です。
そんな和田氏が久々に表舞台に出て来たのは中国でした。中国のゲームショウ「China Digital Entertainment Expo(ChinaJoy)」にて、基調講演を行ったわけですが、そのテーマが「Free to Play(F2P)モデルのローカライズとは?」という内容だったようです。詳しくはこちら
だいたいまとめるとこんな感じ。

  • 和田氏曰く、今回の話はローカライズの基本的考えを語るが、自分の経験がもとになっているだけで中国に限った話ではなく科学的な検証ではない
  • この10年で、家庭用ゲーム機とPCがメインだったゲーム市場はまったく変わってしまった
  • 海賊版は売上として計上されないのでマーケットとして認識されないが、F2Pモデルはマーケットとして立ち上がる
  • それを逆輸入として日米欧においてもF2Pモデルが中心となった
  • F2Pは一過性や地域特殊性に根ざしたものではなく、世界中で進化していくマーケットになっている
  • 「言語・知識」は、ローカライズするのが当たり前だが、その地域のみしかわからないような知識は使ってはいけない
  • 「アート・世界観」は、海外の人達はちゃんと自分達の得意分野に特化すれば受け入れてくれるのでローカライズする必要はない
  • 日本で、戦国時代をモチーフにしたゲームが良く出るが、戦国モノを海外展開してもうまくいかないのは文化やキャラクターの問題ではなく海外の人は戦国時代を知らないから
  • 「ゲームメカニズム・ジャンル」は、国ごとに好きなゲームメカニズムやジャンルはバラバラなのでローカライズする必要はない
  • 「UI」は、スマホやタブレットの時代になってUIそのものがユニバーサル化しているので、絶対にローカライズしてはいけない
  • 「交流・コミュニケーション」は、国ごとに遊び方の好みが違うので一番ローカライズをしないといけない
  • 課金については、国によって決算方法が違うためローカライズしなければいけない

中々面白い……というよりは、海外のオンラインゲームをプレイしていれば当たり前のように見えてくる事でしょう。とはいっても、これはF2Pに限らず家庭用ゲーム機にもある程度は通用するローカライズの話になっているようには思えます。
というわけで、今日はそんな海外ゲームのローカライズ……主にゲームの翻訳について、日本をベースに生暖かく見てみようと思う次第です。

ローカライズの善し悪しも色々ありそう

PCゲームは今でも多々ありますが、昔は海外ゲームと言えばローカライズされていないタイトルがほとんどでした。海外のオンラインゲームをプレイして日本人と遭遇しても、ローマ字でチャットをするのが当たり前です。外人さんやゲームシステムを相手に、辞書を片手に悪戦苦闘しながらのゲームプレイでした。それでも、十分楽しかったと今でも思います。

そこから時代は進み、日本でもオンラインゲームやブラウザゲームでフリーミアムを採用したモノが多々出てきます。それらが出てきた時、現在でも良く言われて いるクオリティ面に問題を抱えているタイトルが多かったのも事実で、家庭用ゲーム機で育ってきたユーザー達からは、無料ゲームはクオリティが低いというレッテルを貼られる事になりました。実際そういうモノが多かったので仕方がない話です。ですが、この頃にはローカライズして日本へ入って来るタイトルもそれなりに増えて来たように思えます。ラグナロクオンラインもその一例でしょうか。

そして、昨今においてはサードパーティが家庭用ゲーム機向けのタイトルをローカライズするようになりました。ローカライズで注目されたのはオブリビオンでしょうか。その後も、GTAやCoDなどの大作もローカライズされることになります。一応、PCゲームの名作であるディアブロもカプコンの手によってローカライズされたのですが……。まぁアレはなかった事にするしかありません。
ともあれ、サードパーティがローカライズを手がける時代に突入しましたが、サードパーティがローカライズを手がけると値段が上がってユーザーに返ってくるという問題も発生しているのが現状のように思えます。当然、ローカライズもビジネスなので悪い事ではありません。ですが、Steamで英語版すら買えなくなってしまう可能性がある(いわゆるおま国)のを考えると、非常に悶々としたものを覚える部分は否定できないところです。

どのようなローカライズが良いかというのは、非常に難しい問題です。テラリアのように、それなりに高くなったとしてもそのゲームの面白さを伝えられるというのは良い事のようにも思えます。
今後、インディーズが一大ムーブメントになっている以上多くの海外タイトルが日本にも入ってくる事でしょう。そうなった時、ユーザーにもインディーズの良さが伝わるような価格でローカライズがあって欲しいですね。良い方向へ進むことを願いたいものです。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:スクエニの和田氏がF2Pのローカライズについて語ってるんだけど、F2Pに限った話でもないよなーと思ったんで、翻訳って意味でローカライズを捉えてあれこれ書いてみたヨーってな話題です。

しゃきーんさん:昔と今じゃ大違いって事なんだろうな。

しょぼーんさん:辞書片手にプレイしなくて良いってのは実に素晴らしいけどね。それでも、例えばテラリアやトゥームレイダーみたいに、海外プライスから3000円でローカライズ代を収めなさいと言われたら、トゥームレイダーは理解できるけどテラリアはインディーズだよ? って言いたくもなるわけで。でも、サードパーティも稼がなきゃいかんし、別にスクエニさんのような神がかった翻訳ってわけでもないし。……バランスが難しいって話よね。

しゃきーんさん:良い翻訳の在り方ってどういったモノなんだろうな? 翻訳の相場がわからんだけに、何とも言い様がないわ……。

連載:気まぐれゲーム雑記 第283回:スクエニ和田氏が語るローカライズ、と言う話題に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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