連載:気まぐれゲーム雑記 第203回:エンターブレインの浜村弘一氏が講演した“ゲーム産業の現状と展望<2013年春季>”の詳報をファミ通が公開したけど……うーん、と言う話題
気まぐれゲーム雑記
第203回:エンターブレインの浜村弘一氏が講演した“ゲーム産業の現状と展望<2013年春季>”の詳報をファミ通が公開したけど……うーん、と言う話題
まぁ、お馴染みなのです。
ところどころ何かが変な気がしないこともない
良くも悪くもお馴染みのファミ通ですが、企業としての名はエンターブレインの方が知られているでしょう。そこの社長でもある浜村弘一氏がアナリストやマスコミ向けに“ゲーム産業の現状と展望<2013年春季>”と題した講演を行ないました。詳しくはこちら。
少々長ったらしいのでざっと要所をまとめると次の様な感じ。
- 2011年と2012年はゲーム機市場規模が日米欧で2割減した理由は、ゲーム機の世代交代が進まなかったから
- 任天堂は3DSが日本市場においてメインになったが、DS時代ほどユーザー層を訴求できていないので、カジュアルゲームはスマホにもあるからゲームらしいゲームの代表としてモンハン4は重要
- Wii Uはソフトラインナップ不足が原因で伸び悩んでいるし、2画面の特徴やWii Uならではの良さがアピールできていない
- 今後のWii Uは、Nintendo Web FrameworkやポケモンスクランブルUのNFCフィギュア、それに任天堂の強力IPがあるから、大成功する可能性は十分にある
- ソニーは、Vitaの価格改定でハードのロンチ時に迫る勢いをとり戻したがPSPには及ばないので、唯一のHD対応携帯ゲーム機である事とFree to Playのゲームが出てきている事に注目したい
- PS4はPCのレベルを数年にわたって凌駕できるものではなくなったことから、独自のCPU開発をやめPCライクなハードにしたため、開発がやりやすくなったしソーシャル部分も強化された
- ソニーは、Gaikaiのクラウドゲーミング技術であらゆる過去のゲームをゲーム機問わず遊べるようにするかもしれないので、今後はサービスが課題になる
- マイクロソフトについては、Appleとグーグルがライバルだから、ネットワークサービスでどんな提案をしてくるのかにかかっている
- 海外市場は、THQの破綻やルーカスアーツのゲーム部門閉鎖、イギリスで小売り店の45%が閉店したことなど良い話題がないが、GTA5が追い風になる
- SteamBoxやProject SHIELD、OUYAなどハードが乱立する時代になった
- Steamがクラウドサービスを発表した
- 今後のゲーム業界は、家庭用ゲーム機、スマホなどの枠も超えて、ドラマやアニメ、スポーツなどのコンテンツと戦わないといけない時代になった
ざっとこんな感じのところでしょうか。
現状を把握しながらもツッコミ要素があるのも相変らずなようで、良くも悪くも無難なところに終始した感じも否めませんが、講演内容がゲーム産業の現状と展望ということなので仕方がないのかもしれません。
ですが、今日はそんなこの記事に対する疑問をば書いてみようかと思う次第です。
それぞれのポイントで気になる事
まず任天堂の話題についてですが、Wii Uがソフト不足で叫ばれているなんていうのはゲームを嗜む人達なら誰しもがわかっている事ですが、「2画面の特徴やWii Uならではの良さがアピールできていない」というのはイマイチ分かり辛いです。Wii U本体だけでブラウジングできようと、HTML5でゲームが作れようと、テレビ欄が見れようと、Miiverseができようと、メインとなるのは「Wii Uでしかできないゲームをする事」なわけで、それ以上もそれ以下もないのです。それは3DSも同様でしょう。アピールをしたいなら、ソフトを充実させるのがベストの手段に思えます。
とどのつまり、E3以降を待つほかないわけですが……。
次にソニーの話題について気になるのは、Vitaが唯一のHD対応携帯ゲーム機という文言でしょうか。厳密にはHDではありませんが、まぁPS3とマルチになったりするタイトルが最近は多い印象もあるので、そこらへんの事が言いたいということ……なんですかね? 何とも分かり辛い。
あとは、PS4はPCを数年間凌駕するのが難しくなったためPCライクなハードになったというあたりですが、そもそもにPCを凌駕しているわけでもありません。PCのグラフィックやCPUはピンキリですが、家庭用ゲームハードは悪くはないといった程度でしょうか。ハイスペックPCの方が値段が高いですけど圧倒的に上になります。だからこそ家庭用ゲーム機はそのスペックや値段が問われますし、そのハードでしか遊べないゲームが必要とされるわけです。もちろん、低価格でPCを数年間に渡って凌駕してくれるに越した事はないわけですが。
他にもちらほらとあるのですが、挙げてたらキリがないのでココらへんにしときまして。
なんというか、せっかくの講演なのにところどころに変なツッコミが入れられてしまう要素があるというのは、少々残念でなりません。まぁ、元よりマスコミやアナリスト向けということで、大して業界を知らない事が前提になりますからややこしい説明をするよりも、こちらの方が理解しやすい……という判断なのかもしれませんが。
「業界予測は希望的観測が多く、外れることも多い」とWikiにも明記されている浜村氏の予測はどれだけあたる事になるのかを、単なるゲーム好きとしましては生暖かく見守りたいですね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:ファミ通の浜村通信氏が語ったという講演内容が公開されてたんで読んだけど、もっと短く簡潔に言えたでしょ? という気分にはなりました。
:いやまぁ、業界を知らない人にも説明したんでしょ。……たぶん。
:ちょっと面白そうって思える部分もあったんだけど、基本が長すぎてちょっとなぁ、って感じでした。なんつーか、これを業界の人が読んだらどう思うのかね? 反応がちょっと知りたいところ。
:基本的に浜村氏はどのハードも未来があるっていう予測なんだから、ポジティブに捉えるんじゃね? 妙にへんな風に言うのと、ポジティブに捉えるのとはわけがちがうと思うがな。
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