連載:気まぐれゲーム雑記 第138回:バンナムとセガは良かったけどスクエニは決算が悪かった、と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第138回「バンナムとセガは良かったけどスクエニは決算が悪かった、と言う話題」

数字は嘘をつかないのです。

産経新聞曰く、一人負け

先日のコーエー、カプコンに続き、バンナム・セガサミー・スクエニが決算を発表しました。
さらっと見ていくと中々面白いモノで、バンナムが四半期純利益279億円と大躍進。
主にソーシャルだと「アイドルマスター」「機動戦士ガンダム」「ワンピース」が売り上げに貢献し、家庭用だと「ソウルキャリバー」「ナルト」「テイルズ」が好調。ついでに「逃走中(!?)」も不思議なヒットをしていて好調に推移だそうです。2005年の経営統合から、日本市場中心なのに海外市場を目指したり、360にタイトルを集めようとしたり、2009年度には色んな意味で危うい立場だったバンナムさんもまさかのV字回復です。良くも悪くも稼ぎ方にはアレコレ考えさせられるところもありますが、儲けてナンボなのだといわんばかりの企業体質は、ゲーム業界という荒波を乗り切っているバンナムさんらしい在り方なのだ、と存在感をふんだんに滲ませてくれます。黒字、おめでとう御座います。

セガも、相変らずプラットフォーム別では目標を達成できそうにありませんが、ついにコンシューマー事業が黒字となりました。パッケージ販売本数を見ると、昨年は1260万本売ったのに55億の赤字だったけど、今年は694万本の売り上げで5億の黒字です。これをみるだけでセガという企業が一体何をどうしたらそうなるのか、というのがよくわかるわけですが、ともあれ無事に黒字になったことはめでたい事です。おめでとう御座います。
セガは、常にコンシューマーが足を引っ張っていると言われていたので、これで多少は見る目も変化する……かもしれません。

そして、最後のスクエニですが、産経ニュースでは「スクエニ4-12月期も最終赤字拡大 ゲームソフト大手で“一人負け”」と中々辛辣な見出しが躍る結果となっています。
というわけで、本日はそんなスクエニさんにスポットを当てた話題をしてみようかと思う次第です。

どのようなタイトルラインナップで食指が動くか?

今回のスクエニは、四半期純損失57億円の損失を出しました。
発表された決算短信によれば、「家庭用ゲーム機向けソフトの市場環境が厳しくなっており、投資に見合った期待収益を得られにくくなっている」との事だそうで、そこは流石に「あいや、またれぃ?」という他ありません。他のソフトメーカーに比べて「一人負け」してしまった状況を鑑みると、素直にその文章を受け入れるわけにはいかず、市場環境が厳しいなら他のメーカーも売れていない状況にならないとおかしいので、普通に考えれば「市場動向を読み間違え、投資に失敗した」といったニュアンスにも見て取る事ができます。

で、2012年に発売されたスクエニのタイトルは以下の通りです。

PS3/360

  • スリーピングドッグス
  • コールオブデューティー ブラックオプス2

Wii

  • ドラゴンクエスト10

3DS

  • キングダムハーツ3D
  • テリーのワンダーランド
  • シアトリズムFF
  • ブレイブリーデフォルト

Vita

  • コール オブ デューティ ブラックオプス ディクラシファイド

PSP

  • ファイナルファンタジー3

こうやってタイトルを並べてみると、それぞれにアクが強いタイトルが並んでいる印象でしょうか。コールオブデューティやシアトリズムFF、ブレイブリーデフォルトなど話題になったタイトルもありますが、圧倒的な話題性を呼ぶようなタイトルがないとも見て取れます。ドラクエ10はオンラインゲームなので、堅調に推移していようとも採算が取れるようになるのは先の話になりそうですし……。

それに、これらのラインナップにどれだけの人が食指を動かしたのか、というのが気になるところです。売り上げ高はカプコンよりも高いので、これらのタイトルにどれだけの予算(つまり投資)をかけて、どれだけの結果が出せたのか、というのが今回の決算の答えでしょう。当然、これらのタイトルの中にも面白いものはあるでしょうし、管理人だってブレイブリーデフォルトを購入してプレイしたのでそれくらいはわかりますが、スクエニが望んだような答えが出なかったのは確かです。

スクエニは今後、2月のドラクエ7に3月のキングダムハーツとタイトルを出します。これらはリメイク作となりますが、どちらもそれ相応にネームバリューがあるタイトルです。これらが手応えがある売れ行きになるかどうかはわかりませんが、スクエニもそろそろ新しい自社ブランドタイトルが必要になっているのかもしれませんね。

[情報元:バンダイナムコ 2013年3月期 第3四半期決算短信,セガサミー 平成25年3月期 第3四半期決算短信,スクウェア・エニックス 平成25年3月期 第3四半期決算短信より(すべてPDFです)]

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:ソフトメーカーの決算が色々出たけど、スクエニがなんか赤字だったよってなお話です。

しゃきーんさん:ふむ。タイトルがそこまで売れなかったってことか?

しょぼーんさん:んー。売り上げ高はカプコンよりも高いから、ほかの開発期間やら何やらの経費がかかったのではなかろうか、と。とはいえ、このまま新規タイトルがないってのは手詰まりになるだろうし、かといって開発費はかかるだろうし。どこに活路を見出すかねぇ? ……ま、ドラクエとFFあるしどうにかなるんじゃね!?

しゃきーんさん:昔は安定した企業に思えたんだが、時代の流れとは何とも波乱に満ちているなぁ……。

連載:気まぐれゲーム雑記 第138回:バンナムとセガは良かったけどスクエニは決算が悪かった、と言う話題に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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