連載:気まぐれゲーム雑記 第120回:全米ライフル協会が斜め上の行動に出ていた件、と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第120回「全米ライフル協会が斜め上の行動に出ていた件、と言う話題」

理解を得られる行動を取るのが重要だと思い知らされるのです。

銃規制に始まったゲーム批判の行方は今……?

以前当ブログでも「暴力性のゲームが云々」と言った話題を取り上げましたが、その後アメリカではそこそこに進展がありました。
事の始まりは、コネチカット州で起きた銃乱射事件を受けて、イギリスの大衆紙やニュースメディアがゲームを批判。その流れに乗るかのように、全米ライフル協会が暴力性のあるゲームこそ諸悪の根源であると言った事で事態は大きくなっていきました。そして、IGDAがアメリカのバイデン副大統領に送った書簡の内容が非常に優れているモノだった、というのを紹介したのが以前取り上げた話題です。

その後、バイデン副大統領はゲーム業界団体やレーティング団体と協議を開きました。結果はすぐに答えが出るわけでもないようですが、銃規制問題は複雑な問題であるとしながらも、様々な業界から助言を受けてゲーム業界だけに責任を押し付けるようなことはないと明言をしたそうです。詳しくはこちら
ひとまずは、理解のある副大統領で良かったとおもうべきところでしょうか。どういったモノをオバマ大統領に提言するのかはわかりませんが、今後もしばらく注目しておいた方がよさそうです。

そんな銃規制に絡む話題ですが、ゲームを諸悪の根源と批判した全米ライフル協会がiOSで幼児向けシューター「NRA: Practice Range」を配信しました。どういったゲームかというと、次の様なモノになっています。

これを斜め上と言わずして、何を言えばいいのかわからない気分になりますね。

というわけで、そんな話題の「NRA: Practice Range」をご紹介してみようと思う次第です。

目的は「銃の安全性を広めること」だそうですけど……?

動画を見れば分かるとおり、標的は射撃練習用の人型だったりディスクだったりするので、そういった部分が幼児向けという事になっています。ついでに、ところどころロード中にメッセージが入っていて、大体銃の扱いに関する情報が書かれていたりします。そんな感じに、このゲームの目的は「銃の安全性を広めること」だそうです。管理人は、動画をみていてファミコンのダックハントを思い出しました……。

ですが、このゲームが今批判の矢面に立っています。
主な原因は、「全米ライフル協会がゲーム批判をしたのにゲームを出すのか」と言うモノと、このゲームで「AK-47アサルトライフル」や「MK-11狙撃用ライフル」を99セントで使用可能にできる、つまり幼児向けなのに「幼児が銃器を買う体験ができる」というモノになっているためのようです。もっとも重要なのは「何故そうしたのか」という部分になります。

何故「AK-47アサルトライフル」や「MK-11狙撃用ライフル」を99セントで使用可能にできるような仕組みになったのかを考えてみると、99セントでの利益はたかが知れますし、「AK-47アサルトライフル」や「MK-11狙撃用ライフル」の使い方を教えたいとも思えません。……となると、ピストルでは物足りないと言う事で、「エンターテイメント性を求めた……?」という答えが出てきちゃうわけです。

銃社会をチェンジできるか?

我ら日本人は、基本的に銃とは無縁の社会に生きています。国内でも銃を使用した事件はほとんどないに等しいですし、よほどの事がなければお目見えできません。当然ながら、日本で銃関連のゲームがあったところで、現実との違いは区別できて当たり前です。だからこそ、今回のアメリカでの事件を受けて、銃を規制しない理由がよく見えてこない部分があるのも確かでしょう。まぁ、確かアメリカの憲法は「銃を所持する権利」を認めているので何とも言いがたいですが。

銃は人を殺さない、人が人を殺すのだ」と言う銃規制反対のスローガンがあるのは確かです。コレは包丁だろうと環境だろうと当てはまってしまうわけで、そうなると禅問答に近いモノが発生します。ですがそうなると、このスローガンに「なぜゲームは当てはまらないのか?」が不思議でなりません。……やはり、全米ライフル協会とは不思議なところです。

今月15日にはバイデン副大統領がオバマ大統領に提言をします。この問題が、ゲーム業界にどういった影響を及ぼすのかはまだわかりません。ですが、せめて「エンターテイメント」と「現実」の区別を付くような教育や環境作りを進めて行く方が、より現実的なのかもしれませんね。……大人を含め、ですけど。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:何やらゲームを諸悪の根源とした全米ライフル協会がゲームを出したぞーってお話です。

しゃきーんさん:なんというか、皮肉なものだな。

しょぼーんさん:オバマ大統領は銃規制さえもチェンジできるのかどうか、ってところですな。まぁ、憲法とか色々あったと思うので相当難しい話だけど。……それ以外にも、やれることはまだまだ多いと思うけど。

しゃきーんさん:この話がどういったところに着地するのかは、ゲーム業界も注目しているはずだからな。どういう結果になるかはわからんが、根本に痛ましい事件があった事を忘れないで欲しいモノだ。

連載:気まぐれゲーム雑記 第120回:全米ライフル協会が斜め上の行動に出ていた件、と言う話題に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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しゃきーんさん

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