連載:気まぐれゲーム雑記 第16回:ゲームの販売方法がなぜFree to Playに向かっているのか、という話題
気まぐれゲーム雑記
第16回「ゲームの販売方法がなぜFree to Playに向かっているのか、という話題」
違法コピーとの戦いはイタチごっこなのです。
違法コピーが跋扈する業界
Gamescom2012で、数多くのタイトルを発表したUBIさん。そんなUBIさんのタイトルには、Free to Play、日本語訳すれば基本料金無料のゲームが多くありました。それはなぜだったのでしょう? そんな疑問に答えるべくUBIさんのCEOであるYves Guillemot氏が、海外メディアのGamesIndustryさんのインタビューで、なぜFree to Playのゲームが多くなったのかを明かしました。
その理由は、PCでパッケージタイトルを買う人は5~7%程度。残りの93~95%くらいは違法コピーである。と言ったわけです。
で、さらに続けて、Free to Playで課金をする人も全体の5~7%程度。全体の割合としてはパッケージを買う人とかわらないけど、Free to Playの方がアドバンテージがある、と言う事も述べたわけです。
なるほど。これは奥が深い。
というわけで、本日の連載は、業界がFree to Playに向かっている理由は? というお題になるわけです。
正直者がなんとやら……
それにしても、93~95%の人達は違法コピーであるという見解には驚きました。
日本でもマジコンが刑事罰化するなど、業界において深刻な問題になっているのは言うまでもありませんが、被害額の概算を発表する組織はあっても、今回のようにいちメーカーさんが大ざっぱだけどわかりやすい数字を出したのはスゴイ事だと思います。PC市場の話だとは思いますが……。
で、要するにPC市場では違法コピーされるけど、Free to Playの方が製品を出せない国や地域からの収益もあるので、アドバンテージが高い。よって、Free to Playの方がPC市場を拡大できる、という結論になったようです。企業としては、有益な道を選ぶのは当然ですね。
でも、やはりスポットが当たるのは違法コピーの存在です。Yves Guillemot氏の見解だと、Free to Playなら違法コピー対策も出来ている、という事も言えるような気がします。ようは「違法コピーが流行過ぎたからFree to Playにするよ」という考えもあったように思えるのです。
もしそうなら、日本で言うとマジコンやら何やらの違法コピーが、Free to Playというパッケージタイトルに比べたら色々な面で劣っている(必ずしも全てではありません)モノへ移行させるきっかけになってしまった、とも言えるのではないでしょうか。
……結局は、普通に買ってプレイして企業を応援し続けて来た人達が、一番割を食ったように思えてなりません。
それでも僕らはゲームが好きなのです
UBIさんのYves Guillemot氏は、それでもコンソール市場、ようはPS3や360などの家庭用ゲーム機市場が主力であるというのは変わらないし、すべてがFree to Playに移行するとは言いたくない、と述べています。
ここらへんは本当にどうなっていくのか、未知数です。ですが、違法コピー対策としてFree to Playがあるとするなら、それはどんどん市場を侵食していくでしょう。
ですが、必ずしもすべてがFree to Playになるわけではない、という意見には同意です。ようは、電子書籍がでたときの、すべての本は電子化されると叫ばれたあの時と同じですね。
恐らくですが、今のところパッケージはパッケージとして、市場に残り続けると思います。
Ouyaのような、Free to Playこそ時代の先駆け、という考え方で売ろうとしている企業もありますし、それに対してクオリティの面で心配する我ら一般ゲーマーらもいます。
しかしながら、高騰し続ける開発コストの面を考えれば、それらが交わるような事はあまりないと思うのです。だとするとゲームの販売方法は、パッケージはパッケージのまま残り、Free to PlayはFree to Playとして成長していく、というスタンスが現段階で考えられる可能性かなぁと思います。
ですが、Free to Playのゲームがすべてハイクオリティなゲームとなり、ユーザーの見る目が変わったときに、パッケージがなくなっていく……なんて事はあり得るかもしれないですね。
[情報元:GamesIndustryさん]
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:UBIさんがなんでFree to Playのゲームをいっぱい発表したのかー的な話題です。
:違法コピーが95%くらいってのはすごいな。
:日本とは事情が違うとはいえ、マジコンの被害ってのが何となく凄かったっていうのが伝わってくるような気がしました。ゲーム業界は今、多方面に動いていると思います。ですので、Free to Playのゲームも好き嫌いせず試して見るくらいの気持ちがいいのかもしれません。……見た目でアレなのはパスしちゃうけどネー。
:まぁ、そういうモノの考えってのは中々変わらんものだろうし、時代がそうなればそうせざるを得ないだろ。結局は、自分の好きなゲームだけやってりゃいいんじゃね? 違法コピーなんてせずにな。
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