気まぐれゲーム雑記
第52回「ゲーム市場縮小にみる任天堂のゲーム人口拡大路線と言う話題」

やって成功するもしないも、極端なところ運次第なのです。

ゲーム人口拡大への道

ゲーム市場は緩やかに縮小していっている……なんてことが良く言われます。
実際、CESAの会長である鵜之澤氏はTGSの基調講演で、日本市場の現状が右肩下がりながらも大手6社は健在で、デジタル配信が好調だから日本のゲーム産業は元気！　という旨の講演をしました。大手はその通りかもしれませんが、中小企業やベンチャー企業はどうチャンスを見出せばいいのか、何とも難しいと思えてなりません……。

そんな中、ニンテンドーダイレクトでも有名な任天堂社長こと岩田氏のインタビュー記事が掲載されました。詳しくはこちら。
要するにさっくりまとめちゃうと、以下のような事を言っています。

• 2003年のTGS基調講演のデータでゲーム市場が縮小傾向にある事を知ったから
• ゲーム人口の拡大には自信があったけど、何年かかるかはわからなかった
• できるかどうかはやってみないと分からないし、もっと言えば運だけど、そんな時に脳トレブームの勢いでWiiを出せたのは幸運だった
• nintendogsとメイド イン ワリオはゲーム人口を拡大するのに小さなきっかけになった
• ここ3年で入ってきた人達は、会社が良い時期しか知らないのでちょっと心配

……中々に面白い話です。
というわけで、今日はゲーム市場縮小とゲーム人口拡大な話題でいこうと思う次第です。

縮小原因は色々あるけど……

ゲーム市場が縮小傾向にある理由の一つとして、時間コストが挙げられます。ゲームをしまくっていたゲーマー世代が、大人になり、仕事を持ったり家庭を持ったりして、ゲームにかける時間がなくなったため、という理由です。まぁ、ゲームは娯楽品なので生活においては仕方がない事なのかもしれません。

また、若い世代をゲーム業界に取り込めていないというのもネックでしょう。常に新規顧客の開拓を目指さないと、コア層だけに受ければ良いというスタンスは全体的に見れば良くない事と言えます。……もっとも、Wiiの失敗面を考慮すればコア層に受けないゲームを出し続けてもダメだと思いますが。

さらに、最近ではスマートフォンなど携帯で遊ぶ人も増えてきています。従来のゲーマーからすれば、クオリティに何とも言い様がないモノを覚えたりもしますが、市場が拡大している以上は間違いなくユーザーを上手く取り込めていると考えて然るべきでしょう。まぁ、そもそも携帯という今や生活必需品にゲーム機能を持たせたのだから、ゲーム機を売るより遙かに普及速度も速いし、何より楽です。

ゲーム人口の拡大は大変？

さきほど、スマートフォンの話題を出しましたが、スマートフォンのゲームを純粋なゲームとみるべきか否かは何とも難しいところです。実際、今日本のソーシャルゲームはカードゲームが腐るほど出ています。正直なところ、どのメーカーが出そうが、絵師がダレであろうが、些細な違いにしか思えません。ですが、今ソーシャルブームなので、その流れに乗った形で大半の企業がゲームを出しています。とはいえ、脳トレやフィットネスゲームも存在する以上、ゲームと言われればゲームなのでしょう。

それらを踏まえて、スマートフォンを持っている人でライトユーザーとコアユーザーの比率を考えれば、圧倒的にライトな人の方が多いでしょう。そう見ると、ゲーム人口自体は拡大していても、ゲーム機で純粋にゲームをする人は減っている、と見るのが正しいように思えます。

今後、スマートフォンに見られるソーシャルゲームがもっと拡大していくことは間違いありません。もっとコアユーザーもライトユーザーも楽しめるようなゲームが多く出ればまた何か違うのかもしれませんが、メーカーも企業である以上は儲かる事を最優先にやるでしょう。……それが良いか悪いかは何とも言えませんが。
最初からライトユーザーしか見ていないソーシャル系ゲーム。コアユーザーしか見ていないゲーム。それら両方のユーザーを任天堂は上手く取り込めるのでしょうか？　ゲーム人口の拡大を上手く成し遂げて欲しいですね。

なお、こちらのインタビューはあと2回あるようなので、また面白そうな話が出ていたら取り上げたいと思います。

［情報元：Tech-On！　さん］