連載:気まぐれゲーム雑記 第49回:ゲーム業界はデジタル販売になっていくかも? と言う話題
気まぐれゲーム雑記
第49回「ゲーム業界はデジタル販売になっていくかも? と言う話題」
デジタル販売はインターネット技術の進歩なのです。
デジタル販売は儲かっていない?
ゲーム業界は、デジタル販売へと向かっています。
PCではSteam、PS3やVita、その他のソニー製品は、PSNやPS Mobile。マイクロソフトさんならXBLA。任天堂さんならニンテンドーeショップがあり、それぞれにインディーズタイトルやリメイクタイトル、フルパッケージタイトルが発売されています。
とりわけ、任天堂さんは7月から開始してすでに2ヶ月となっているようで、その売上や好調……かに思えましたが、そうでもないらしい? という話題がでました。詳しくはこちら。
要するに産経新聞曰く、任天堂さんは在庫リスクを懸念してダウンロード販売を導入したけど、ダウンロード販売で小売店の売上が減ることに配慮した結果、対応できる小売店とできない小売店が出ちゃって、小売りの現場は混乱するし、デジタル販売かパッケージか、どっちが主流になるかわからない、といった話です。
というわけで、今日はこの話題に飛びついてみようと思う次第です。
任天堂さんのデジタル販売はちょっと複雑
任天堂さんがデジタル販売を初めて2ヶ月となりますが、考えてみるとちょっと面倒です。
選択肢は以下の3つとなっています。
- ニンテンドーeショップで購入
(この場合は、自分でプリペイドカード or クレジットカードを使用) - デジタル販売用コードが売っているお店に買いに行く
- デジタル販売用コードをネットショップで買う
これらは小売店に配慮したものとなっていますが、このシステムを導入できる店舗というのは余り多くもなく、小さな街のゲーム屋さんには難しいようです。
とはいっても、デジタル販売用のコードをお店で買うという人は余り多くもないように思えてなりません……。
というのも、ユーザーにとってパッケージ版とダウンロード版のメリットを比べたら、ソフトの入れ替えは面倒ですが、何よりも「中古として売ることができる」という方が大きいように思います。あとは、容量をさほど気にしなくて済むというのもあるでしょう。
……もちろん、中古はメーカーさんにとって何とも言いがたいモノだと言えますが、まぁそこは……ね?
もっとメリット・デメリットを考えよう
デジタル販売は、ハードメーカーさん、開発メーカーさん、小売店さん、ユーザーの皆様、それぞれにメリットとデメリットを与えます。
ハードメーカーさんなら、管理しやすく、すぐにタイトルが提供できるし、パッケージ代金が不要になる代わりに、小売店さんとの関係は厳しいものになります。
開発メーカーさんなら、インディーズタイトルが出せたり、安い価格で配信できるのでその分収益を伸ばす事ができる代わりに、容量の大きさ制限などネックになる部分を抱える事になります。
小売店さんなら、ダウンロード版ではなくパッケージ版を売る事で特典を付けるなどの差別化が図れますが、ダウンロード版の勢いが強まっていくと経営が難しくなります。……現状でも厳しいという声もちらほらと聞きますが……。
最後にユーザーにとっては、インディーズゲームが出来たり、安値で買えたり、買いにいかなくて良くなるかわりに、パッケージという確固たるモノを失います。
基本的に、デジタル販売は本来小売店の役割部分を別の何かが代わりに担う事で、その単価を下げたりできる仕組みになっています。となると、「お得感のないパッケージタイトルをデジタル販売してもさほど意味はない」と言う事になります。
とはいっても、「デジタル販売をするとこういう仕組みが必要になる」といった経験は手に入るので、その糧を活かすことならできるとも言えますが……。
デジタル販売は、今までの流通の流れを変えるモノです。
日本ではそのシステムの導入そのものが遅れているので、Steamのような小売店にとっては脅威的なモノは登場していませんし、今後どうなるかもわかりません。
中古市場がある限り、パッケージ売りは完全になくなるなんて事はないと思いますが、今後もっと時代が進めば、もっと多くのタイトルがデジタル販売化するのは避けられないとも思っています。
本格的にそうなる前に、それぞれがWin-Winの関係を築いておくことが最善じゃなかろうか、と思う今日この頃です……。本当に、皆々様が納得するような道筋を作れるといいですね!
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:何やら任天堂さんのダウンロード販売が起死回生にならない? といった話題があったので、そもそもお得感がないものをダウンロード販売では買わないっしょ? っていうお話です。
:まぁ、現状任天堂さんの場合は、ダウンロードして良い事はソフトを変えずに済むだもんなぁ。それなら、アマゾンさんなりどこなりと安上がりに買った方が良いって人の方が多いわ。
:そーゆーことです。でも、デジタル販売化の波は止まらないとは思う。今はまだ、インディーズタイトルをDL販売して、容量を使うゲームはパッケージ、的な住み分けが出来てるけど、時代が進んだらどーなんでしょ? 色々とWin-Winの関係でいて欲しいなぁとは思う。……ユーザー含めてね。
:ほんと、時代の進歩ってのは開発費の問題も含めて良い事だらけってわけじゃないんだなーとは思うわ。いちゲーマーとして見守ってるしかないけど、どうか良い方向に進んで貰いたいものだな……。