連載:気まぐれゲーム雑記 第28回:Steamの運営元Valve社は珍しい社風と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第28回「Steamの運営元Valve社は珍しい社風と言う話題」

買収話に乗らない企業もまたスゴイ企業なのです。

各社の社風は面白い

社会に出れば、嫌というほど色んな会社の社風を見る事になります。
休憩時間が不定期であったり、午前中はまるで仕事がなかったり、そのくせ午後から鬼のように忙しくなったり、夕方4時頃出社する人がいたり、新しく入ったバイトの子が3日目にはいなくなっていたり。
……いやまぁ、どれもこれも「管理人がいたゲーム業界のとある出版関連企業の事」ですが。もし、このへんの話に需要があるようでしたらそのうちにでも。

ちょっと話がずれちゃったので元に戻しまして。
本日の話は、PCゲーマー御用達のSteamを運営しているValve社は、EAに買収話を持ちかけられていたらしい、ってなお話になります。
なんでそれが社風の話になるかというのは、後々にお話していこうかと思うわけです。

EAさんはお金持ち

日本では、メダルオブオナーシリーズやニードフォースピードシリーズ、シムシティシリーズで知られているEAさんですが、海外では世界有数のゲームメーカーさんとして知られています。まぁ、要するに金持ちなわけです。
そんなEAさんは海外だとスポーツゲームで名を馳せましたが、他のジャンルに進出する際には、M&A(企業買収)をしてきました。
Ultima Onlineを作っていたOriginを買収したのもEAさんです。また、マスエフェクトシリーズのBioWareもEAさんに買収された企業の一つだったりします。

そんなEAさんですが、先日ニューヨークタイムズに、Steamを買収しようとしている、といった記事が掲載されました。詳しくはこちら(海外サイトです)。
要は、Steamを保有しているValve社を10億ドルで買おうとしたけどお断りしている最中という話題です。そのお断り理由がその社風にあって、その考え方こそValve社のすべてとも言えるので、買収をきっかけにそれらが崩壊する可能性がある、というから中々に興味深い。

で、その社風というのは、「社員は自発的に会社に貢献するものである」という考えなわけです。

会社の環境って大切

以前Valveハンドブックという、Valve社の新人教育ガイドブックがリークされました。そのPDFはこちらから入手できます。
ハンドブックには、失敗を恐れたりしないようにすることや、会社内において社員は肩書きを持たないこと。それに、社員は自発的にプロジェクトを立ち上げたり参加したりできるような環境であって、仕事は与えられるモノではない事が明記されています。

確かに、この社風を守ろうとすれば、どこかの会社の傘下に入るのは到底無理でしょう。どこの企業でも、どこかの傘下に入ってしまえば、徐々にその色に染まっていくモノです。それに、Valve社の場合は、Googleの社風に似てるためか、恐らくは他の企業の考え方だと扱いが難しいのは目に見えています。

どんなに大金を積まれても自力でやっていけるだけの企業は強いですし、その社風も実に「社員が離れていかないような作り」になっているのが面白いところです。これなら、自分の持てる能力を全力で活かそうというのも分かる気がします。デジタル販売プラットフォームのシェアが7割は伊達じゃない、ということなのでしょう。
日本でこういった業務形態が取れるような企業さんがあるかどうかはまるでわかりませんが、ゲーム業界でもこういった話がでてくれば、きっとその会社は面白く、また社会的にも強くなれそうな企業に成長しそうですね! ……もっとも、海外ならではのやり方なので日本で上手くいくかは未知数ですけど……。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:EAさんがValveを誘惑しようとして失敗したよーってお話です。

しゃきーんさん:その例え方はどうかと思うぞ……。

しょぼーんさん:まぁ、社員をやる気にさせるのが上手い社風って大切よね? っていうお話なわけ。ゲーム会社でもこういうところが多ければアツイんだけどねぇ……。

しゃきーんさん:そこまで思い切った舵を取れる人がいないのが現状なんだろうな。でも、そんな会社があったら本当に面白いゲームってのも多く出てきそうな話だわ。……期待はできないがな。

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