気まぐれゲーム雑記
第82回「スクエニが開発中のLuminous Studioで作られたAgni's Philosophyは1年かかったらしい、と言う話題」

エンジン開発は大変だってことなのです。

ゲームエンジン開発だけど、アピールするにはエンジンだけを作れば良いってもんでもない

先日、スクウェア・エニックス オープンカンファレンス 2012が開催されました。
とはいっても、プライベートカンファレンスなのでゲーム開発者やそういった類の人達、あとはゲームメディアくらいしか出席しません。ですが、今回のカンファレンスで話題に出たのが、現在スクエニが開発中の新ゲームエンジン「Luminous Studio」の話題でした。詳しくはこちら。

Agni's Philosophyは、FFっぽいCGムービーとして注目を浴びました。それこそ、いろいろな意味で。

で、実際このCGを作るのに企画に6ヶ月、開発に6ヶ月と、計1年かかった事を明かしました。
というわけで、本日はゲームエンジン開発って大変なんだなぁと思うような話題をしていこうかと思う次第です。

「PCの動作スペック」と「人数」

Agni's Philosophyをゲームエンジンを開発しているという視点で見たとき、重要なのは2つあると考えられます。
まずは「どういったPCスペックで動いているのか」と言うマシンスペック的な問題。
次に「何人で開発6ヶ月間かかったのか」と言うコスト面の問題です。あ、企画の期間は面倒なので省いて考えています。

で、まずはPCスペックの話から。
このAgni's Philosophyは、メモリ32GB、GeForce GTX 680を積んだハイスペックPCで動いているそうです。現在だと、メモリはさほど高くないので考慮しないものとすると、GeForce GTX 680は大体4万～8万程度でしょうか。とはいえ、それに見合うCPUや回転速度の良いHDDなど、考えたら結構値は張りそうです。

ですが、グラフィックカードの進化は大変速いモノがあり、来年の今頃になればGeForce GTX 680はお手頃なグラフィックカードとして入手できるかもしれません。となると、次世代ハードが噂されている現時点において、無難なセレクトだったという可能性はあるでしょう。もちろん、来年に次世代ハードが出れば、の話ですが。

アンリアルエンジン4と比較

残念ながら、人数についての情報は一切公開されていないようです。
ですが、ギアーズシリーズを手がけたエピック社の作るゲームエンジン「アンリアルエンジン4」は、PCスペックや開発期間、人数などを公開しているので、そちらから見てみましょう。

エピック社は、このCGムービーを14人のエンジニアを使って3ヶ月かけて作った、と発表しました。また、動作環境は「GeForce GTX 680」と非常にLuminous Studioと近いモノを持っています。

エピック社は、元々アンリアルエンジンの技術を持っているので、ゼロベースから開発したであろうLuminous Studioで半年かかった、と言うのは無難なラインなのかもしれません。もっとも、Luminous Studio側の人数がわからない以上は比較のしようもありませんし、アンリアルエンジン4は生産性を向上させるためにアレコレした結果が、上記のデモとなったわけですので、Luminous Studioも人数次第では生産性の向上を図らないといけなくなる予感はします。

ともあれ、ゲームエンジンを再度開発する道を歩んでいるスクエニですが、その結果が出るのはそれなりにハイスペックな次世代ハードが出てからという事になります。どういう結果になるのか、色々と楽しみですね！