連載:気まぐれゲーム雑記 第78回:ゲームが国際問題に発展する場合もある、と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第78回「ゲームが国際問題に発展する場合もある、と言う話題」

国の違いは考えの違いと心得たいのです。

たった一本のゲームが国を動かしつつある……?

海外の人気FPSに「ARMA」というタイトルがあります。
そのARMAはチェコのディベロッパーBohemia Interactive Studioがてがけていて、最新作となるARMA3では海外イベントのE3やGamesComでもかなりの期待が寄せられていました。ちなみに、E3で発表されたデモはこちら。

そんなARMA3ですが、GamesComの後にゲーム開発者2名がギリシャのリムノス島にて逮捕されると言うショッキングなニュースが飛び込みます。
と、いうわけで、今日はゲームが政治を動かす事だってある、という話題をしていこうかと思います。

その後のARMA3

2人の逮捕容疑はスパイ容疑と発表されました。
ARMA3は、リアリティを追求するFPSであったため、限りなくリアルな地形を描こうと撮影禁止エリアなどに入ってしまったためではないか? とか、会社がそう命じたのか? などの憶測が色々飛び交いました。ですが、結果的には「今のところ逮捕者2名が車内から写したビデオカメラに14フレーム(約0.42秒)分だけアウトな部分があった」という事になっています。ちなみに、その軍事施設は公道や住宅からほど近いとされていて、意図的に撮影されたわけではないことが窺えます。

当初、2人は素早い釈放になると考えられていました。ですが、70日以上経過した今現在もなお拘留中でディベロッパーBohemiaのあるチェコでは、チェコ外務省や大統領がこの問題に取り組んでいないと批判を浴び、ついにはチェコ大統領がギリシャ大統領宛に特別な配慮をするよう嘆願書まで送るという事態へと発展しました。
現在、この嘆願書により事態が動くのかどうかが注目されているところではありますが、現在のギリシャを取り巻く世界情勢などもあってか、どうなるかは不透明な状態です。……早く解決してくれると良いのですが……。

日本だと何があるの?

一方日本と言えば、流石に首相が動いただの何だのという話はありません。ですが、基本的に規制する方向で政治が介入してくるケースは何度もありました。
一番最近では、コンプガチャでしょうか。ゲーム業界で規制だのなんだのをする前に、ソーシャルゲームのコンプガチャは景品表示法で禁じられている行為に該当するという消費者庁の判断が下りました。現在ではそれに基づき、色々と整備されている段階にあります。……いやまぁ、コンプガチャは規制されて然るべきですけど。

また、メジャーなところではGTA3で神奈川県が有害指定に定めたのもそうです。そのことを受けて、これ以上ゲーム業界以外の人達が口出ししにくくなるように(あるいは必要に迫られ)、CEROが18歳禁止といういわゆるZ指定のレーティングを作ったという事もありました。日本が表現に関して厳しいのは、こういう下地があったりするからです。

ですが、悪い規制ばかりではありません。先日、経済産業省が「マジコン」の輸入を禁止しました。これは、任天堂が税関に輸入の差し止めを申し立てた事を受けての結果です。依然インターネットの売買が行われているようですが、価値ある規制と言えます。
このように、良い規制というのもゼロではありません。……多いとも言えませんが。

ともあれ、基本的には政治だの法律だのややこしい事には関与したくない、というのが、企業やユーザーの意見でしょう。現在は、RMTが問題になったり、コピーが問題になったりと騒がしい部分もあります。ですが、なるべくならややこしい人達の介入なしに解決していってもらいたい限りですね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:ゲーム業界に政治とか法律とか何だとか、まつりごとが介入してくると基本的に碌なことにならない気がするよってお話です。

しゃきーんさん:まぁ、介入するって時点で普通は規制する方針だもんな。

しょぼーんさん:コンプガチャみたいに、されるべきはさっさとしてもらいたいとは思うけどね。でも、結局コンプガチャも消費者庁が見解を出したから動いたわけで。そう考えると、自浄能力が問われちゃうところでもある。なるべく、そういう目で見られない努力は必要なのかもね。

しゃきーんさん:今やソーシャルが台頭してきたり、新しいビジネスモデルが生まれたりしてるからなぁ。ま、それでも、Z指定ができた時のような何とも面倒な雰囲気にならない事を願うほかないか……。

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