連載:気まぐれゲーム雑記 第66回:スクエニさんの決算に見るドラクエ10で思う事、と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第66回「スクエニさんの決算に見るドラクエ10で思う事、と言う話題」

MMOビジネスは大変なのです。

スクエニの業績

先日、スクエニの業績が発表されました。うん、書き出しが昨日の連載と変化なしですが、華麗にスルーして下さい。
またもや細かい数字は置いておくとしまして、一言で言えば第2四半期は赤字です。詳しい数字がしりたい場合は、こちら(PDFです)からどうぞ。
簡単にまとめると、以下のような要因で赤字になったようです。

  • 家庭用ゲーム機用ソフト全体が伸び悩んだ
  • ソーシャルは順調だけど、開発費や開発期間でコストが増えてしまった
  • ドラクエ10は人数増えてるから、次に期待

まぁそもそも、4月から9月までにスクエニのタイトルは余り多くない状態で、「ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D」「ドラクエ10」「スリーピングドッグス」「PSP版FF3」などのラインナップです。元々ラインナップが少ないのに伸び悩んだというのは何だかなぁ? という感じもしてしまいますが、素人にはわからない何か儲かる要素があったのでしょう。……うん、たぶん。

ともあれ、注目どころはドラクエ10の動向です。
元よりMMOっぽい感じのゲームなので、課金でのビジネスモデルとなっています。となると、重要なのは「何人アクティブユーザー(課金してプレイするユーザー)が残るか」という事になるわけです。
そんな感じのところに、ドラクエ10公式サイトから「有料プレイヤー40万人突破!」なんて発表がありました。詳しくはこちら
言いたい内容は2点で、以下の通りです。

  • 出荷本数で70万本
  • 「有料プレイヤー数」(課金登録者数)が発売後3カ月で40万人を突破

というわけで、本日はドラクエ10について思う事を書いてみようと思う次第です。

日夜出続ける賛否両論

ドラクエ10が発売されてから、今までいろいろな賛否が出ています。それを考えるにあたっては、まずMMOって結局どういうモノなのかを知らないといけません。

で、いきなりこういうのもなんですが、MMOはマゾゲーです。
どれだけユーザーに長く続けてもらうかを考えて、ゲームバランスを整えていきます。ゲーム内容(いわゆるコンテンツ)が充実していないと、すぐに飽きられてしまいますし、かといって難易度が高すぎても脱落するユーザーだらけになってしまったら、課金してもらうビジネスモデルが崩れます。ですが、結局MMOを支えるのは廃人と呼ばれるオンラインゲームに四六時中かじりついている人達です。

彼らは、メーカー側にとっては素晴らしいお客様です。なぜなら、四六時中ゲームプレイをしてくれるのでずっとアクティブユーザーとしてその世界にとどまってくれるからです。特に、PSO2のようなシステム課金ではなく、ドラクエ10のような月額課金のゲームではその色が濃く出るでしょう。
システム課金だと、例えば30分間経験値2倍のアイテムが100円、という「マゾさを軽減する要素に課金させる」仕組みが取れます。ですが、月額課金の場合は「すべてのユーザーに対してマゾさを提供する」事になるので、どれだけ長く続けてくれるかがポイントになるからです。

ところが、ドラクエ10の場合は今までのMMOのユーザー層とは一線を画した違いがあります。言わば、「ライトゲーマーとハードゲーマーの巣窟」になったわけです。
そして、通常MMOの運営や開発はユーザーの意見をくみ取って反映させていくスタンスが取られますが、子供でもプレイできることを謳っているドラクエとしてはハードゲーマーだけの意見をくみ取る事はできません。というわけで、ライトゲーマーの意見とハードゲーマーの意見が出てきて、日夜賛否両論が出るという現状に至るわけです。もちろん、どれを取るかは運営次第ですし、プレイするもしないもユーザー次第だとは思いますが……。

有料課金をしたプレイヤーでアクティブな人がどれくらいいるか?

公式では40万人突破と書かれているので、その内訳が何とも分かりにくいモノになっています。1ヶ月だけ課金しても有料プレイヤーと換算されるのか、一度でもオンラインに繋げば無料期間の人達も有料とされるのか、それとも現存するアクティブユーザーで課金をしている人達だけなのか。どれに当てハマるかで随分と解釈がわかります。

もし、現存するアクティブユーザーだけの人数なら、国内のMMOではスゴイ成績になります。とはいえ、やはりドラクエ人気だからこそ課金されるのであって、これがまったく違うタイトルだったらこうはならなかったようにも思えてなりません。
また、今までの合計人数だったとしても、随分と景気が良い話になりそうです。来期以降の決算でどのような数字が出てくるのかが一つの目安となるでしょう。

いずれにせよ、それに反して何万人というプレイヤーは無料期間だけだったのか、それともオフラインだけだったのかはわかりませんが、そういうプレイの仕方をする人もそれなりにいた、というのは見て取れます。こうなると、ドラクエ10は課金することで完全版となるゲームであって、MMOの部分はその延長上にも思えてきます。……まぁ、結局はMMOに違いはないわけですが……。

今、オンラインゲームはそのビジネスの在り方を大きく変化させて来ています。例えユーザーが月額課金の方がいい、といったところでPSO2を見ているとこの波は止まらない様にも思います。今後、ドラクエ10がどこまで大きなビジネスとなるのか……。ゆっくりと長い目で見させてもらいましょう。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:なんか、スクエニさんの決算が出ていて、ドラクエ10の話題も出たのでなんとなく思う事を書いてみました。

しゃきーんさん:ふむ。まぁビジネス的な何かは垣間見えるよな。

しょぼーんさん:最近の賛否両論は、やはりマゾいか否かってところだと思う。誰でも出来るドラクエ、みたいなことを言ってたけど、そりゃまぁやるだけなら出来るでしょって思うし。MMOは基本、マゾいゲームってのがある種証明されたんじゃないかな。

しゃきーんさん:ライトユーザーもプレイするのがドラクエだしな……。やっぱ、マゾいゲームか否かっていう線引きは凄く難しいと思う。とはいえ、スクエニさんの収益として期待されてる以上、その傾向は強くなっていく……のかねぇ?

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