「信長の野望 創造 パワーアップキット」のレビュー:パワーアップキットで何がどの程度パワーアップしたのか

気まぐれゲーム雑記
連載:「信長の野望 創造 パワーアップキット」のレビュー:パワーアップキットで何がどの程度パワーアップしたのか

追加要素は良い方向へ転がっています

良くも悪くもパワーアップキットである

AZです。2015年も、気づいたらもう3日経っています。

さて、予定通り本日は「信長の野望 創造 パワーアップキット」のレビューにまかり出ようかと思います。とはいっても、パワーアップした部分にスポットを当ててしまうがため、イマイチ伝わらなくなる事も予想されます。ですので、前作のレビューを読んで頂くか、下記のまとめを読んでなんとなーく内容を察してからレビュー内容を見るとより内容が伝わるかもしれませんので、どうぞよろしくお願いします。なお、プレイしたのはPC版となります。

信長の野望 創造 パワーアップキット

惣無事令でエンディング

前作は「簡素化」されたシミュレーション

前作のレビューにも書いた内容ですが、シミュレーションの面白いところは「リソースの管理」であるという事です。もちろんそれ以外の部分も存在しており、信長の野望なら戦国大名となって自分なりの全国統一を目指すというのがメインにはなりますが、根幹となる面白さは「リソースの管理」が主立ったところといっても過言ではないと思うわけです。

そういった中で、前作にあたる「信長の野望 創造」はあらゆる面において簡略化されたシミュレーションに仕上がっていました。考える要素は、地形的な戦略として同盟をどのように扱っていくか程度であり、あとは内政を無難にこなしていけば概ねの武将はどうにかなります。逆に姉小路家など生きること自体が博打的なムードを醸し出す勢力はその通りとはいかないモノになっていますが、シミュレーションとしてはあらゆる面で簡素になった仕上がりでした。いやまぁここだけの話、姉小路家で挑戦するような無謀にも思えるシチュエーションでのプレイは結構好きな方ですけど。

パワーアップするのは当たり前、何がパワーアップしたのかという事

では、今作になってどうなったかと言えば、結論から書いてしまうと「不満はあれど、前作よりもしっかりとシミュレートが楽しめる様になっていた」という事です。ぶっちゃけてしまうと、追加要素や変更を加えるのがパワーアップキットなのですからパワーアップしないわけがないのですが、スタートラインに立ったともいいましょうか。少なくとも、前作の創造に不満を持った人には、これくらいなら許される範囲じゃなかろうか? という仕上がりに感じています。

信長の野望 創造 パワーアップキット

やはり、島津の人を成長させると強いです

じゃあどういったところがそう思わせてくれるかと言えば、まず特記すべきは姫が武将としてガンガン活躍します。架空の姫を登場させれば外交にも使えますし、忠誠度は低いけど能力は高い味方武将と結婚させて一門にしちゃっても、姫武将のまま活躍し続けてくれます。島津の場合、元々強い一族なので何とも言いがたいところはありますが、弱すぎる勢力でプレイを開始した場合に姫が誕生してくれたら、一気に活路が見出せます。……逆に、弱い勢力の場合、それ以外活路の見出しようがないとも言いますけど。

信長の野望 創造 パワーアップキット

欲しい武将は政略結婚です

他は、密談によって敵武将をこちらに寝返らせる事ができるようになりました。これがあるだけで結構違ったりもしますが、敵も同様に仕掛けてくるので人材の扱いにはちょっとした注意が必要になります。

信長の野望 創造 パワーアップキット

欲しい人は密談で時間をかけて引き抜きます

また、会戦の要素が変更され、ちょっとした簡易的なRTSっぽい仕様へと変更されました。こちらの能力次第にもなりますが、ある程度戦況をひっくり返せるような場合が出てきたのは良い事でしょうか。逆に、使い方次第ではこちらが窮地に追い込まれる時もあるので、時と場合に寄りにけりではあるのですが、大勢での戦闘を一気にやってしまうというのは非常に楽に思える時も多いわけです。

信長の野望 創造 パワーアップキット

何となくRTSっぽく動かして一気に殲滅できます

細かな部分で微妙な点と、最大の問題点は軍団

一方、逆に微妙に思えた点としては、紛う事なき「軍団」です。「創造」は、自分が直轄統治できる城の範囲が決まっているのですが、範囲外になった城は城主ないし軍団の指揮下に置かれます。要は、NPC管理です。城主のみだと、城主が勝手に城を発展させていきますが、軍団にはある程度指示を出すことができるので軍団を作った方が得策にはなる……はずなのですが、その軍団がイマイチまともに機能していません。パワーアップキット前と変わらない印象です。

私の場合、バグだかなんだか知りませんけど、各軍団に主義の指定をしても勝手に建物を変化させるような事をやらかして、政策にも影響を及ぼす事がありました。また、軍団は軍団長に他武将が所属するわけではなく、軍団長が支配する城に武将が所属する事になります。つまり、その担当している軍団が支配地域を変えた場合、武将もすべて手動で動かさざるを得なくなるわけです。結局、自分で指示した方が良いというのは、前作と同様だとハッキリ言えます。

信長の野望 創造 パワーアップキット

創造を上昇させるよう指示しているのに、何故に下げる建物ばかり建てるのか
(指示をやりなおしても下げ止まりませんでした)

他にも、連合要素があるため今までのシリーズよりも後半戦にやることは多少ながらあれど力押しに落ち着くのはかわりませんし、味方をいつでも斬首できなかった(能力が低い味方武将が密談している時の対処として)り、どう見ても軍隊的に戦力で他を圧倒しているにも関わらず降伏してくれなかったり、従属させた勢力は最終的に滅ぼす他なかったり、最前線へと物資を輸送する指示をいちいち出さないとマトモに送ってくれない事などと、細かい部分でモヤッとするところはあります。そこらへんは手を入れておいて貰いたかったところにもなりますが、基本的にはパワーアップキットということで要素が追加された事がメインでしょうから、仕方がないのかもしれません。

信長の野望 創造 パワーアップキット

大量に金銭や兵糧を持っててもなかなか送ってくれないので結局手動で行う図

信長の野望 創造 パワーアップキット

軍事力は雲泥です

まとめ

自分で委任するわけでもなく城の管理を軍団に委ねなければならず、その軍団がうまいこと管理してくれない様は実にストレスを感じてしまう事は否定できませんが、少なくともパワーアップキット前の「創造」であらゆる要素が簡素化されていた部分は、パワーアップキットの追加要素によって補われたともいうべき内容です。パワーアップキット前が簡素すぎて微妙な仕上がり過ぎましたので……。

あと、家庭用機向けでプレイしている人にはなんら関係ありませんが、Steamに舞台を移したことは高く評価できます。もっとも、Steamを知らない人達にとってパワーアップキットのやり方はすんごく面倒極まりない話としか感じられないでしょうが、今後はSteamで管理されていくと思えばかなり好意的にみる事は可能です。むしろ、前作のアクティベートは本当に反吐が出るレベルでしたので、あれがなくなったというだけで歓喜したいモノがあります。

ともあれ、前作を「微妙すぎた」と評価した身としては、「極めて普通のシミュレーションにまで昇華された」というモノになったのが本作でしょう。毎度言われている事ではありますが、パワーアップキットで完成するという定番を今回も見事にやってくれた事になります。基本的に戦国時代が好きな人しか手を出さない類ではありますが、前作よりも良くなっているのは間違いないので、ちょっと気になっていた人は色々調べてみるのもいいかもしれませんね。

本作を楽しんでできるであろう人

  • 戦国時代が凄く好きな人
  • そこそこに内容があるシミュレーションがしたい人
    (ただし、Civシリーズのような本格さは求めちゃいけない)
  • PC版のアクティベートで苦々しい思いをした人

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:そんなわけで、1年越しに「信長の野望 創造」のパワーアップキットをプレイしてみたよーってなお話です。

しゃきーんさん:要するに、パワーアップはしてたのね。

しょぼーんさん:そゆこと。創造を微妙過ぎると感じてた身としては、そこそこシミュレートさせてくれるようになったかな、と。ただ、軍団がすげー足を引っ張ってるし面倒極まりない。結局すべてを自分で管理したほうが圧倒的に楽だわ、って結論になるのは言うまでもないことっすな。……それでも、戦国好きで「関ヶ原で西軍に勝利を!」という妄想ができる楽しさはあるよ?

しゃきーんさん:……つまり、シミュレーションとしてもぼちぼちやれてるし、本当に戦国好きなら十分アリって事ね。

「信長の野望 創造 パワーアップキット」のレビュー:パワーアップキットで何がどの程度パワーアップしたのかに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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