以前ファミコン時代の迷作？　である「いっき」がノベライズ（小説化）されるという事で話題を呼びましたが、それに続く形で「アトランチスの謎」もノベライズされることが発表されました。一応2つの話はストーリー上でつながっているとの事です。

さて、ここら辺でこのノベライズのターゲットはどこか、という話題をしてみようと思う次第です。というのも、一応出版業界にいた身なので考えずにはいられないから、と言うだけなんですが。

ノベライズ作品がゲーム化される、というのは珍しい事ではありません。角川さんとか電撃さんとか5pbさんとか、あのへんのタイトルを見ていれば大体わかるものでしょう。これらの作品は、その逆バージョンということになります。

セールスポイントの上手い点としては、かつての旧作を引っ張ってきたところでしょうか。誰もが知っているし、何となくわかるし、しかも設定自体を弄くり回しても大半の人が反感を覚えないであろうタイトルです。そして動画をみる限りでは、それが今のライトノベル風ライクな作品に仕上がっている事を示唆しているあたり、狙い目はそういったユーザー層であるというのがわかります。狙いは悪くないようにも思えるところです。

しかし、小説からゲーム化の流れはあれど、ゲームから小説化の流れというのは、どういった結果になるのかちょっとわかりません。というのも、小説を読むからこそノベルゲームをするための基礎的部分が培われていると言えるわけで、「いっき」や「アトランチスの謎」をプレイした人が総じて小説を読むか、と問われたら少々難しいモノがあります。……ま、古い作品ですし、ぶっちゃけてしまえばそんなものは些細な問題で、話題性さえ先行すれば勝ちというのもあるかもしれませんが。

こういった試みは面白いもので、かつての旧作達をこうやって再利用しようという発想は実に素晴らしいです。小説なので出版業界ですからゲームとは余り関係ない話かもしれませんが、どういった結果になるのかがちょっと楽しみですね。
……内容が楽しみか？　と問われたら、人によりにけりだとしか言いようがありませんけど……。