連載:気まぐれゲーム雑記 第995回:パブリッシャーも考えて選ぶ時代になったようです
良い売り方をしてくれるパブリッシャーは応援したくもなる
納得できる買い物がしたい
AZです。「ディビジョン」のダークゾーンを適度なくらいにウロウロしておりますが、未だ「これは日本の人っしょ!」と思えるような方と出会えていない気がするくらいには、ボッチプレイを捗らせています。
それはさておき、GDC 2016にてHotline MiamiやDownwellなどでお馴染みのパブリッシャーDevolver DigitalのNigel Lowrie氏がパブリッシャーについて語っております。
ローリー氏は改めてパブリッシャーと開発者の歴史を説明。ゲームの歴史の始まりから、パブリッシャーは欠かせない存在でありながら、いつのまにか開発者から嫌われる存在に。デジタル配信が生まれると、開発者はそちらに飛びついたのがいい証拠。そのため、パブリッシャーもデジタル配信を受け入れ、大量のゲームがリリースされるようになり、大量のインディーゲームパブリッシャーが生まれるようになったと、ローリー氏は言う。
そしていまや、パブリッシャーのほかにもローカライズのための会社やテストプレイの会社など、さまざまな関連企業が関わるようになった。とあるデータによると、いまやインディーゲームパブリッシャーは55000社(!)以上に及ぶという
。パブリッシャーは何をしてくれるのか? ここで大事なのは、自分たち(開発者)が何を求めているかを知ること。「だって、必要だと思っていないことにお金をかけられても、誰も幸せにならないですし、そもそも自分の希望を認識しておくことは大事ですからね」とローリー氏。
一方で、わきまえておかないといけない認識は、“理論的には、パブリッシャーがやることはすべて開発者にもできる”ということ。まあ、この世にセルフパブリッシングでゲームをリリースする開発者が多数存在するのが、そのなによりの証拠と言える。となると、“パブリッシャーの存在意義”が問われるわけですが、「それは、開発者よりも効率的に業務が行えるという点にあります」とローリー氏は語る。
さて、パブリッシャーの仕事といえば、PRやイベントなどのマーケティングを筆頭に多岐にわたる。とはいえ、パブリッシャーの役割も昔とは変わってきており、昔は、「俺がSteamに上げてやる」と言えば十分だったものが、いまはそれだけだと価値がない。ストアのいい場所に載せてもらえたり、Steamのプロモーションに含めてもらえたりするかなど、開発者が自分でやるよりも売上に好影響が出るかどうかを確認すべきだという。
~中略~
「主人公は開発者だと考えるパブリッシャーと組もう」と、開発者を立ててくれるパブリッシャーを推薦する。
[引用元:ファミ通.com]
開発元を立ててくれるパブリッシャーが望ましいですねぇ……。
以前から、パブリッシャーとデベロッパーのバランスが悪いという問題はよく伝えられていました。しかして、今やSteamのみならず各家庭用ゲーム機でもDL版が配信できるような環境も整っていますし、パブリッシャーがどれだけの事をやってくれるかが重視されてしかるべき、という時代がぼちぼち見えてきたような気もするところでしょうか。
とはいっても、昨今のゲーム市場において、宣伝やマーケティングの重要性が高いのは言うまでもありません。ですので、やはりセルフパブリッシングで勝負にでるよりは、パブリッシャーの力を借りたいというデベロッパーも多い事でしょう。そういった部分が、パブリッシャーとして求められていくモノになりそうです。
また、私個人としては、ゲームを買う際にパブリッシャーよりもデベロッパーがどこなのか、という方を重視する傾向があります。大手メーカーでも同じで、どこの開発チームなのかや誰が関わったかなどは常に気にしていますし、多少不安要素があるタイトルでもデベロッパー次第では購入を決意する事さえあるのです。それでいて、各ゲームの評価もパブリッシャーではなくデベロッパーに集まっていった方が良いとも考えております。……まぁ、パブリッシャーはパブリッシャーなりの評価があるとも思いますが。
ともあれ、インディーゲームの台頭で色んなデベロッパーが出てくる中、どういったパブリッシャーを選ぶのかはゲームを売りたい側としても非常に重要な選択になりましょうか。今後も、パブリッシャーとデベロッパーの関係がWin-Winなモノになっていくことを期待したい限りですね。
:パブリッシャーもしっかりと考えて選ばないとだめな時代になったみたいよーってなお話です。
:まぁ、インディーな人たちはちゃんと選ぶ必要があるよな。
:パブリッシャーだけにいいとこ取りされたら話にならんからね。お互いが、Win-Winになれるような良い関係が築ければ良いと思うよ? ……まぁ、少し前にデベロッパーが暴走してステマに走った案件があったような気もするけど。
:……まぁ、それはそれ、これはこれということで……。