連載:気まぐれゲーム雑記 第658回:ハードにとってゲームの数とやりたいゲームはどちらが重要か
気まぐれゲーム雑記
第658回:ハードにとってゲームの数とやりたいゲームはどちらが重要か
どちらもバランス良くやるのがよろしいかと
ハード屋は色々と大変です
AZです。日経平均が下がったり上がったりで、今後もジェットコースターは当分続くような気がしました。
それはそれとて、任天堂のゲームが発売されるまでの期間が長くなっていることへの質疑応答が公開されています。
Q.9
開発費について。御社のタイトル数を見るとタイトルのアウトプットのスピードが落ちている傾向がある。(開発に必要な)開発人月が増えているので、総リソースが増えていない状況だとなかなか難しい。根本的なソフト開発費の抑制という点では以前に携帯機と据置機のアーキテクチャーを統合するという話もあった。その後特に話が出ていないが、竹田さんには半導体レベルまで踏み込んで対応を進められているのかどうか、そして宮本さんには、開発手法などで何か画期的な対応策が見つかったのかどうか、あるいは効率化がどの程度進んでいるのかについて、コメントしてほしい。
A.9
岩田:
まず、ゲーム開発の効率の悪い部分について「効率を上げなければいけない」というご指摘についてはその通りです。ただ、お客様が求めておられるのは、実は単なるコンテンツの数ではなく、「自分が遊びたいと思うコンテンツがどういう頻度で出てきて、自分が何かに飽きたら次に遊ぶものが目の前にあって、それを遊ぶことは自分にとって良いことだと感じていただけるのかどうか」がポイントだと私たちは思っていますので、単純にコンテンツの数を増やすとか、1タイトル当たりの開発費を削減するということが一概に必ず良いことだとは私は考えていません。と申しますのも、1タイトル当たりのコンテンツ開発にかかる費用を単純に削減していきますと、一つひとつのものの魅力がなくなっていって、長期的に売れなくなるからです。逆に、結果的に売れ続けているものや、ホットな話題であり続けるものがあれば、お客様にとって遊び続ける動機が増え、新しく買ってくださるお客様の数も増えます。タイトル数だけがいくらあっても、一個一個が小粒になってしまっては意味がありません。[引用元:任天堂公式サイト]
色んな意味で、大作志向ですかね。
3DSはともかくとして、Wii Uはサードパーティがタイトルを出さない以上仕方がない流れとも言いましょうか。なかなかビッグタイトルの隙間を埋めるようなモノが出てこないというのは、今の据え置き機なら大抵抱えている問題なのかもしれません。
そういった前提を踏まえつつ考えると、要するにヒットを量産する方がいいのか、一発が大きいホームランが良いのかという話になります。そりゃまぁホームランを出せるなら出した方が良いわけですが、狙って出せるタイトルは限られているわけですし、そもそもにホームラン級タイトルだけだとただでさえ大作のみが売れるという話題が持ちきりな現状において、より偏ってしまうのは目に見えた話とも言えます。
Wii Uが苦戦しているのは言うまでもありませんが、この話題はそれだけに留まらずゲーム開発により大きな時間がかかるようになっているという事も窺えてきます。時間がかかれば開発費が上がるのも自然の流れであり、そういった肥大化をどう抑えながらホームラン級タイトルを作っていくかが課題である事に違いはありません。……いやまぁ、大手であれどホームラン級のみではなくヒットもちょこちょこ出して欲しいとも思ってしまうわけですが。
ともあれ、コンテンツの質の高さや量はやはりバランスが取れてこそ価値があるという気がしないこともありません。ビジネスモデルも色々と変化する中で対応が求められている任天堂ではありますが、今後も我が道をひたすらに突き進んでいって欲しいモノですね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:任天堂のスタンスとしては、ホームラン級タイトルを狙っていくのですよーってな質疑があったので、上手く使い分けて欲しい感はあるかなぁと。
:まぁケースバイケースじゃねーの? 新作を作っていかにゃそのうち飽きられるってのはあるだろうし。
:コンテンツのクオリティは一定水準を保っているものが多いから、そういった面は心配してないんだけどね。でもまぁ、色々と難しい舵取りをしているのだってのは見えてくるかな。Wii Uが苦戦してたり、3DSの次がどうなるのかという話題がちらほらと見える中、うまいやりくりをして欲しいものです。……今はやりたいゲームがあったとしても、多少の量がないとハードごと買うって人は少ないだろうしネー。
:PCやスマホ、その他プラットフォームが多数ある時代だからな。娯楽に事欠かなくなったのは良い事だが、ゲーム事業もしっかり先を見据える必要が高くなってきたって事なのだろうよ。
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