連載:気まぐれゲーム雑記 第626回:海外市場に比べてスマホ市場を除く日本ゲーム市場は色々と厳しいようです
気まぐれゲーム雑記
第626回:海外市場に比べてスマホ市場を除く日本ゲーム市場は色々と厳しいようです
それでもゲームは生き残ります。
どうやって解決していくのでしょう?
AZです。アジア大会を見ていると、スポーツをまったくしていない私でもスポーツの秋である事が感じられます。
それはそれとて、色んな情報を扱うWedgeという月刊誌があるのですが、そこが日本のゲーム業界が凋落したと伝えています。結構長いので、ポイントをまとめると次の様な感じ。
- 1990年代から2000年代初頭にかけて、日本のゲームメーカーは世界を席巻していた
- しかし、2013年世界でもっとも売れたソフトはGTA5で合計2900万本になる
- 海外の大作は5年かけて100億ドル以上を費やし、世界で500万売れればペイする世界なので、日本のメーカーは到底太刀打ちできないとウォッチドッグスの日本語版翻訳監修を担当した脚本家の佐藤大氏
- 海外はハリウッドとの関係も濃く、有名脚本家や有名俳優を起用する事も多い
- 英ガーディアン紙曰く「日本市場は02年に世界のゲーム市場の50%を占めていたが、10年には10%にまで低下した」
- ここ10余年で日本市場の地位は急降下し、海外ゲームメーカーは日本市場をかなり軽視している
- その証拠は、Xbox Oneは9ヶ月遅れ、PS4は3ヶ月遅れ、アクティビジョンは2008年に日本から撤退などが挙げられる
- 日本では2000年前半以降、手軽に遊べる携帯電話のゲームや携帯型ゲーム機にゲームの潮流が移ったが、北米では据え置き機のゲームが根強い人気としてキープを続けている
- PS2で開発費も上がり、かつてほどゲームが売れなくなってきたのでゲームソフトメーカーは守りの経営に入り、「従前のヒット作の続編」や「有名アニメの原作もの」ばかりを連発
- 2000年代前半に新鮮味のないソフトばかりが発売され、うんざりしはじめた
- 14年現在に至るも、国内ゲーム業界の状況は当時とそれほど変わっていない
- 国内ゲーム市場は、完全にガラパゴス化している
- 国内ゲーム市場が順風満帆であればガラパゴスであっても問題ないが、13年の家庭用ゲームソフト市場はスマホゲーム市場の半分以下で、大手メーカーがとりあっている状況
- 今の日本市場は、小さな五右衛門風呂にぎゅうぎゅうに詰め込まれたゆでガエルのような状態
- 世界市場に打って出るためには、狭苦しい湯船から脱出する覚悟が必要
[引用元:Wedge]
概ねポイントは掴めますかね?
先も書いた通り、少々長文ですし引用すると長くなりすぎるのでまとめちゃいましたが、過去から現在に至るまで日本の据え置き機に何が起きたのかというのをさらりと見るには良い内容にも思えます。詳しい時期的な事についてはちょっとピンと来ない部分もありますが、大筋は私自身の考えと似た様なものですし、特に今の日本市場を「小さな五右衛門風呂」と表現したのは言い得て妙というところでしょう。
もちろん、上記以外の要因も多数あります。メーカーに対する信用やDLC・F2Pなどゲームその物に対する売り方の変化、ネットによる情報伝達の早さ、ゲームを動画鑑賞で済ませる勢の登場などがあげられるのではないでしょうか。市場が縮小する場合において、一つの要因だけで引っ張られるというケースは大抵「○○ショック」と呼ばれる類のヤツくらいです。
じゃあこのまま先細って未来がないのかと言えば、私自身そんなことはないとも考えています。comceptの稲船氏の場合、インタビューで次の様に答えています。
稲船氏:
コンシューマゲームに限っては変わっていませんね。僕が言ったとおり,マズい状況になっています。
4Gamer:
今日ここまで稲船さんの話を聞いてきて,その「このままではマズい」がさらに一歩進んでしまったような印象を受けるんですが……。
稲船氏:
ここで「未来がない」と言ってしまうと,きっと僕はまた叩かれますよね(笑)。「まだ日本のゲームは負けてない」「これからコンシューマゲームで大逆転する」と耳障りのいい言葉を並べたほうが建前上はいいんですけども,そう言ってもできないものはできないですから。正直なところ,今のままで何かが変わるとは思えません。
「じゃあ,突破口がどこにあるのか言ってみろ」と言われても困ってしまうんですが,僕としてはクラウドファンディングや若手の起用といった形で新しい芽を育成するほかないと考えています。
[引用元:4Gamer.net]
いやまぁ、日本でクラウドファンディングが流行る未来像を想像するのは現時点だとかなり難しいとも思いますが、間違いなく「日本にとっては」新しい事をやろうとしている事も伝わります。私自身、盛りあがるならやるべきだとも思っておりますし。それに基本的な商売の考え方として、需要があれば供給はあると考えています。市場が小さくなったとしても、最悪PCとツールさえあれば開発は可能なわけで、PCゲームとして作り続けるという人はいるでしょうしその数が決して少ないとは思っていません。……多いとも言いがたいですけど。
ちなみに、この稲船氏のインタビュー記事は凄く良質な内容になっていますので、クラウドファンディングの話のみに限らず、日本の大手メーカーがなぜ据え置き機タイトルや新作を作れないか、インディーという選択にも未来はあるのか? というのが垣間見たい人は読んで見ると良いでしょう。……ただし、これまた結構長いですが。
ともあれ、今の日本市場が厳しいという現状は変わらないわけで、そこをどう変えていくのかが多くのメーカーにとっての課題であることに間違いはありません。はてさて、数年後には日本市場がどのような地位に落ち着いているのか、ただのゲーム好きとして生暖かく見守り続けたいですね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:色々と日本ゲーム市場が厳しくなってるよーってな話題です。
:世界からみりゃ、確かに落ち込んでるよな。
:据え置き機の元気のなさが何よりの証拠かと。それに、大手メーカーが発表するタイトルは、どれも何かの続編かスピンオフか。そういったいわゆる「ハズレが少なそう」って思えるタイトル群だよね。まぁ、需要を完全に読み間違えている新規タイトルが出てくるよりも数倍は良いのかもしれんけどさ。……でも、やっぱり「新規タイトルの誕生」には期待したいと思っちゃうんだよねぇ。
:上手い事、成功タイトルが増えていってほしいもんだが……。新規タイトルが出ないことにゃ始まらんしなぁ。
:
:
:
:
新しいことしても売れるとは限らないと言う負のスパイラルですね。
良心的な課金体制とか、自由度が高いとか、高難易度のゲームとかは海外だからこそ売れるのであって、今の日本では需要薄いですよね。
その需要自体を増やしたり変えてしまうってのが今後の課題ですかね、現状だとジリ貧ですし。