連載:気まぐれゲーム雑記 第583回:Cliffy B「モバイルは今狂気の渦にある」
気まぐれゲーム雑記
第583回:Cliffy B「モバイルは今狂気の渦にある」
PCゲーム、家庭用ゲーム、モバイルゲームはそれぞれ等しく「ゲーム」だけど……?
それぞれのプレイヤーの思惑は皆違う
AZです。金曜ロードショーで「るろうに剣心」をやっていてすっかり見逃してしまったわけですが、ネタの為に見るべきだったのか否かちょっとだけ悩んだりしています。
それはそれとて、ギアーズシリーズの開発者として知られているCliffy Bがインタビューを受けて色々と語っているわけですが、モバイル方面についてちょっと面白い感じに答えていたのでご紹介です。
――モバイルゲームが広く普及した昨今のゲーム業界ですが、あなたもプレイしますか。また、将来的に進出を考えているフィールドなのでしょうか。モバイルゲーム文化に対するあなたの所感を聞かせてください。
Cliff Bleszinski:あまりやらないかな。『Flappy Bird』みたいなゲームが席巻した時は面白いと思ったけどね。カワイイし中毒になるし。モバイル市場を予想するのは10倍難しいんだ。ちょっとしたゲームを作っただけでも、ウケれば即クローンが生まれる。それが改善されて、あっという間に消費者を奪われる。私がコアゲーマー向けのPCにこだわるのはそういう理由だ。モバイルは今狂気の渦にある。舞い上がった塵が収まるまでは近づきたくはないね。将来的に『BlueStreak』を拡張するためにモバイルアプリを利用した試みは可能かもしれないけど、今のところモバイル主体の開発は一切考えていないよ。
[引用元:Game*Spark]
かなり良いインタビューですね。
以前、当ブログのコメントにも「PCやスマホもコンソールと同じくゲームが多数出てきているけど、何故か同一のものとみなすことが出来ない」といったモノが寄せられていました。その気持ちは、非常によく分かります。その一つの答えとも言えるのが、Cliffy Bのインタビューに見て取れた様な気がするのです。
前提として、こういった「スマホ方面のゲームは同一視できない」という話題をする時、大体3つの事が考えられます。一つは、スマホ方面のゲームをさほどゲームをしていないケース。これは、ネットなどで話題を見続けた結果として直感的にスマホ方面のゲームを嫌っている場合や、そもそも持っていない場合などが該当します。もう一つは、「求めているモノが違う」というケース。これは、求めているゲーム内容がPCやコンソールとはかけ離れており、同一視し辛いという事になります。そして最後が、Cliffy Bのいう「狂気の渦にある」というヤツです。
Cliffy Bのいう事を素直に受け止めれば、モバイル方面のゲームは比較的簡単にコピー・改良する事ができ、プレイヤーはあっという間に良い方へ移動するというのがモバイルゲームの特徴とも言えてしまいます。もっとも、最近はその「コピー・改良」が簡単にいかなくなってきた印象もありますが、まだその印象が強いというところも否定しがたい。ともなると、「簡単にプレイヤーが違うゲームへ動いてしまう環境」がモバイルゲームには存在しており、そういった部分が好きになれないという人もいる可能性は高いです。Cliffy Bは、しっかりとゲームに根付いてくれる「PCのコアゲーマー」を求めているという事も言えます。
Cliffy Bの言うコアなゲーマーが一つのタイトルに根付くような土壌は、日本だとなかなか見られないモノになったようにも感じられます。コンソール一強だった市場に、部外者的なPCと、ゲームなんだけどゲームっぽいとは言いがたい様な気がするモバイルが入り乱れてきた状況は、良くも悪くもゲーム業界への参入ハードルが下がったとも言える気はします。もっとも、日本の方がコンソールに対する求心力が減っているので、そこをどうするかは多くのメーカーにとっても課題に違いありませんが。今後、日本メーカーがどういったタイトルでゲームファンを魅了しようというのかは、しっかりと注目しておきたいですね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:以前、PCとかコンソールゲームとかスマホゲームを同一視できないってのを見まして、Cliffy Bがいうのは一つの答えなのだろうなぁとも思ったわけです。
:他の要因もすげーいっぱいあると思うけどな。
:ぶっちゃけ、それを語るだけで「語り尽くせば、日がまた昇る」レベルだけどね。メーカーへの信用や、売り方。需要や供給。海外との市場競争等々、すんげぇいっぱいあるわけで。……ま、何をほざこうが「面白いゲームがあればそれで良い」という根幹は何もかわらんのですけどネー。
:そりゃまぁ偉そうにご託を並べたところで、すげーいっぱいゲームやっている人にゃ何を言っても敵わんだろうしな。何はともあれ、「面白い」という為にも「つまらない」という為にも多くのゲームはやっておいて損はないのだろうよ。
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