連載:気まぐれゲーム雑記 第532回:フルプライスのゲームのみに与えられる特権がただただ欲しい
気まぐれゲーム雑記
第532回:フルプライスのゲームのみに与えられる特権がただただ欲しい
ゲーム好きは、ゲーム狂いなのかもしれません。
60ドルのゲームがそのうちセールで売られるのを良しとするか否か
AZです。すき家を見ていると、ブラックな会社ばかり渡り歩いてきた昔を思い出します。
ところで、先日の続きみたいな話になってしまいますが、やはり海外のインディゲームスタジオThe AstronautsのAdrian Chmielarz氏が低価格化するゲームについて語っております。
Adrian Chmielarz
今振り返ると誰もが賢明だったし、ゲーミングにおける大きな転換の最初の犠牲者の一人だったのかもしれない。中堅のトリプルAゲームが絶滅し始めた時期だよ。「中堅」といってもそれはクオリティのことではないが、あのゲームには10のマルチプレー・モードや協力プレーなどが含まれていなかった。現在業界で言われているのは、「60ドルでゲームを売りたければ、プレーヤーが200ドルに感じるゲームでなければならない」というものだ。
『Bulletstorm』は、60ドルの60ドル・ゲームだった。今は、ゲームに60ドルなんてクレージーという時代だ。文字通り何千という高品質のゲームがはるかに安い価格で――コンソールにすら――氾濫しているからね。2014年においては、ゲームに60ドルというのは少々狂っているということだ。
~中略~
私は価格が関係していると考えているし、そこで再び振り出しに戻るんだ。価格を下げることで、我々は水増ししようとは考えなくなり、体験をちゃんと仕上げることだけに集中できるようになる。一部のプレーヤーは何に対しても文句を言うという事実を受け入れる必要があるが、引き締まったゲームであれば、自分の思い通りに物語を語ることができていれば、20ユーロで100時間プレーできなかったと文句を言うプレーヤーよりもはるかにパワフルな効果を得ることができると考えている。
[引用元:Choke Pointさん]
20ユーロなり20ドルに水準を合わせるのは良い事ですかね?
フルプライスから水準を下げる事については、基本的には良しの話でしょう。価格については、先日バンドルやコピー紛いのインディーゲームの乱発等々でインディーバブルが弾けそうといった話が海外で勃発しましたが、私自身はバンドルやセールが悪いなんてことはなくむしろ良いことだと考えています。セールはメーカーが分かっていてする事ですし、クソゲーとされるインディーゲームはプレイされないまま淘汰されていくだけの事です。
そこに先日の信用問題を交えたりすれば、結局のところプレイヤーにとって安くて面白いものほど嬉しいモノはありません。なれば、インディーメーカー等々が「高くて普通」の価値を持つゲームよりも、「安くて面白い」価値を持つゲームを目指すのは道理と言えます。だからといって漠然と安くしろとも思っておらず、大手メーカーは続編なり廉価版なりを計画しながら開発を進めているわけですし、そもそも「高くても見返りが合える面白さ」が得られるゲームなら誰しもが納得するところにもなります。
そういったことを踏まえて、ゲーム内容が同じ以上いつゲームを買おうとも変わらないのに、あえてフルプライスなゲームを買う価値はどこにあるかを考えてみると、大きく分けて次の3つに集約されるような気はしました。
- フルプライスで買ったモノ同士が共感し合える
- 欲求を満たせる
- 知らない人達へ面白さを語れる
1は、マルチプレイが出来るモノなら余計にその傾向は強くなりますし、買った人達同士で新作についてヤンヤヤンヤと同志を得たが如く話題を振りまき合えるという特権が得られます。ただし、発売日ないし発売日付近で買った事を前提にしますが、間違いなく特権です。2は、欲しかったモノがすぐに手に入るという欲求を満たせるという事です。物欲には勝てないと言うヤツですね。3は、自分が買ったゲームについて、知らない人達へどれほど面白いのかorつまらないかを雄弁に語れる権利が得られます。どれも、ゲーム好きなら何となく分かって貰えるような気はするのですが、少なくとも私自身が買う時の心理を考えてみると大体そんなモノだとも思ったわけです。
言葉にすればたったそれだけの事なのですが、たったそれだけの事をしたいと思ってしまう事で成立しているビジネスが今のゲーム業界という事になります。逆に、バンドルやセール、安いインディーゲーム等々でフルプライスのゲームが売れなくなるというのならば、今までのプレイヤー達に何かしらの価値観の変動が起こったということであり、「それだけの価値を見出せない人の方が多くなった」という結論に行き着くのも自然の流れというモノでしょう。ただのいちゲーム好きとしましては、ゲーム業界なる場所が最終的にどこへ行き着こうというのか、その行く末をウキウキウォッチングしたいと心底思う所存で御座います。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:フルプライスとか低価格のゲームとかそんな感じの話題があったから、久々にわたくしの考えをぶっちゃけてみました。
:定価で買う価値か。まぁ、話題になっている間にやりたいとか、モチベーションの問題もあるかもやしれん。
:理由は色々あれど、複合的な理由でゲームに対する価値観が変動しているのだ! っていうのは痛感するかな。特にPCゲームをやる人達は、特にそれを顕著に感じるかもしれない。テラリアとかセール時なら250円程度になるわけだし。……日本はそういった意味でちょっと違う位置にいるとは思うけどネー。
:なんにせよ、フルプライスのゲームと安いゲームの双方が良い効果を出し合えば、それに越した事はないと思えてならんな……。
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