気まぐれゲーム雑記
第137回「カプコンとコーエーテクモの決算が良かった、と言う話題」

今のうちに温存が必要なのです。

決算を見てみよう

任天堂が決算を発表したのに続いて、カプコンとコーエーが決算を発表しました。
まずはカプコンですが、バイオ6が計画通りには売れなかったモノの、ドラゴンズドグマが120万を超えた売れ行きで、Wii U版モンスターハンター3 HD ver.もスマッシュヒットとの事。1月に発売されたDmCデビルメイクライは100万本の出荷を既に達成していて、計画では125万としているので順調にも思います。
数字で見れば、営業利益98億円、四半期純利益66億円としっかり黒字を確保している結果となりました。

また、コーエーもテクモと統合して以来最高の業績としていて、ゲームソフト事業では売上高が146億円、セグメント利益が25億円、オンライン・モバイル事業は売上高が38億円、セグメント利益が4億円と、SNSゲームの利益よりもゲームソフトの売り上げの方が多く、主力がどっちであるか明確にしているあたりは何とも面白い構図に思えます。当然ながら、こちらもカプコンに続きしっかりと黒字を出している結果となっています。

これら2社はしっかりとした黒字を出していますが、一方で次世代機の話になると少し形相を変えてくるでしょう。
というわけで、本日はそんな次世代機をソフトメーカーがどう見ているのか、的な事をアレコレ書いて見ようかと思う次第です。

次世代ハードは開発にとって悩みの種？

次世代ハードは、発売当初にソフトを出したところで採算が取れにくいです。これは普及数もありますが、それ相応のクオリティアップをしなければなりませんし、開発期間の問題や高騰し続ける開発費の問題もあります。普及するまで長期的に見れば問題ないかもしれませんが、どこまで企業体力（つまり資産）があるか、という問題にもなってくるわけです。ですがそこらへんは、Vitaの敵はPSPになっているかのような現状が、すべてを物語っているような気はします。

各ハードに特徴があるように、開発にも特徴があります。その特徴をどのタイミングで捉えるか、というのがポイントで、開発にとっては「採算がとれるタイミングで勝負したい」と思うのはビジネス上当然の判断でしょう。ともなれば、次世代ハードは旧ハードよりも「性能が向上している」のは当たり前ですから、それ相応のクオリティアップは必然となりますし、「性能が向上した際に出る開発費はいくらくらいだろうか？」とそろばんを弾く必要があります。……まぁ、クオリティアップさせないという選択肢も有りと言えば有りですが。

いずれにせよ、そうなるとチキンレース的な雰囲気になってしまうわけで「普及させるヒット作が作れるか」というのと「開発費を補えるくらいの企業体力があるか」というのと「最初から新ハードに挑むべきか」という3点を考慮しなくてはいけなくなってしまいます。そこを読み間違えると、以前あったようなゲーム企業同士の統合が相次ぐような流れができてしまうので、ソフトメーカーは尚のこと慎重に場を見るのは間違いないでしょう。……まぁ、かといって勢いに乗り遅れても話にならないので、ビジネスは難しいわけですが。

我らのようなゲームをする立場の人からみれば、ハードの性能が向上して、クオリティアップが計れるような次世代機からゲームが発売されるのは、大変喜ばしいことでもあります。ですが、裏にはそういったソフトメーカーのあれやこれやといったそろばんを必死に弾いている様があるわけです。
次世代機に対してソフトメーカー達がどのような答えを出そうとしているのか……。今後の決算などをしっかりと見届けたいですね。

［情報元：カプコン 2013年3月期 第3四半期決算短信,コーエーテクモ 平成25年３月期　第３四半期決算短信より（両方共にPDFです）］