任天堂:任天堂の平成25年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答が公開されました
経営方針説明会で海外戦略の見直しと、どのように流れを作るのかが注目されている「任天堂」ですが、平成25年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答が公開されました。詳しくはこちら。
まとめると次のような感じです。
- ハードの価値を伝えるソフトは、今年の半ばから年末にかけて発売していくソフトで伝えたい
- Wii Uの遊びの面白さを理解してもらうPRの方法に課題がある
- クラウドゲーミングは、インターネット上のサーバーで処理を行うため、アクションゲームなど反応がすぐに求められるものや、動きの滑らかさに影響がでやすい事を考えると、「未来はクラウドだ」という趣旨の話に違和感を覚えている
- 単純なハード性能向上や、グラフィックスを豪華にするという事に関しては飽和状態に近づいていると考えている
- スマートフォンに比べて、如何に自分達のゲームの方が面白いと思ってもらえるものを作れるかが重要
- Wii Uはパソコン用モニタのゲーム機ではなく、リビングテレビのゲーム機である事に取り込んだ機械
- 非対称ゲームプレイと言う言葉は理屈っぽくて伝わりにくかったが、Nintendo Landの評価は良いので価値ある伝え方を模索する
- ピクミン3はWii Uゲームパッドのみでもプレイ可能で、ゲームパッドのみでのプレイの場合はゲームキューブ版を手元で凝縮した綿密な画面で遊べる
- Wii Uの開発のコツのようなものは、任天堂社内の開発チームはすでに乗り越えていて、現時点で開発に苦労はしていないし、そうでなければ来期の営業利益1000億円をコミットメントという言い方はできない
- ダウンロード版は、パッケージ版のチャンスロスや値崩れなどの対策にもなっていて、デジタル販売の重要性は高まっていると思っているし、有望な分野だと思っている
- NFCは、アーケードゲームのICカードと連動するようなポテンシャルがあるので、ソフトメーカーに話をしているのと、今年中に何かしら可能性を示せるとは思うが、電子マネーの決算ができるのではないかという研究もしている
- Wii Uは夏以降ソフトが充実してくる時期に魅力を伝えていって、流れを大きく変える事を目指す
- 来期の営業利益1000億円が達成できなかった場合は、コミットメント(公約)という表現を使ったことで理解いただけると思っている
- 現状におかれる3DSの海外販売数量はポテンシャルに対して十分な結果ではないので、ハードの販売を今期より拡大するのが当然の目標
というわけで、何やら話が転々としているわけですが、重要なポイントは「クラウド」についてと、「Wii Uは夏以降に流れを変えるような仕掛けを打ってくる」ということと、「営業利益1000億円を達成できなかった場合」の3つとなります。
クラウドについては、人によって意見がわかれるところでしょう。岩田氏の言う事に一理あるのも確かですし、それを理解してなお技術革新に挑むようなアプローチをする考えがあるのも確かです。後者は、今のところソニーさんのGaikaiの技術を用いたPSビジネスというのがそれにあたるのではないかと思われます。そこらへんの解答は、ソニーさんの次世代機次第でしょう。
また、Wii Uについては夏を過ぎたくらいにソフトが充実してくるから、そこで一手打ってくる、という事を示唆しています。現状、Wii Uはソフト不足な事から売り上げが落ち込んでいますが、営業利益1000億円を目指すならWii Uの存在も確固たるものにする必要があります。ソニーさんやマイクロソフトさんの次世代機が今年の年末、なんて事になったら、せっかく先立って発売した効果が薄れてしまいます。……まぁ、ある程度任天堂ファンな方々の評価を得られたと言う事や、OSのバージョンアップを図らないといけないというのがわかったのは良い点かもしれませんが。
最後に、営業利益1000億円を達成できなかった場合については、ある程度身の振り方を示唆していると言えます。不退転の覚悟、といったところでしょうか。任天堂さんほど大きくなると儲けが確実でなければなりませんし、経営陣もそこを理解しているでしょう。
個人的にですが、良くも悪くも任天堂さんは、昔から博打的なビジネスを体現してきたかのような会社だったように思います。任天堂前社長の山内溥氏は「失意泰然、得意冷然」といっていて、特に娯楽ビジネスは運に左右されると言うのを示唆しています。「人事を尽くして天命を待つ」と言った感じでしょうか。
今年の任天堂さんは、まさに勝負を仕掛けてきた年とも言えます。3DSの海外市場やWii Uと問題は山積していますが、来年の今頃にはどういった結果がでているでしょうか? 確固たる結果を期待したいですね。
[情報元:任天堂:平成25年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答より]
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:任天堂さんの決算説明会の質疑応答が出たぞ。
:基本的には当然のことを当然と答えたくらいだけど、営業利益1000億円はどうだろう……。何とも、任天堂さんらしい博打って感じはしますな。
:Wii Uを持っている身としては、博打に勝って欲しいとは思うが、ソニーさんの次世代機やらマイクロソフトさんの次世代機やら、話題は尽きないからな。現時点ではラインナップが乏しいとはいえ、他社に比べて先行して発売したリードを上手く使って欲しいところだわ。
:ほんと、どうなるかねぇ……。来年の今頃がどうなっているのか、期待と不安で悶々としちゃうよ……。
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