気まぐれゲーム雑記
第67回「Linux版Steamのβテストが開始されたよ、と言う話題」

時代の転機が訪れる……のかなぁ？

OS戦争にビジネス

OSの普及は昔から戦争状態でした。
基本的に一般の人が知っているのは、ビルゲイツのWindowsと、スティーブジョブズのアップルでしょう。ですが、昔から第3のOSとして知られていたのが、Unixとの互換を持つOSでリーナストーバルズが開発したLinuxでした。

ややこしい事は抜きにして、Linuxは無料で使えるOSとして勢力を伸ばします。は？　と思う人もいるかもしれませんが、Linuxは無料のOSです。有料のサポートを受けられるモノもありますが、基本的には無料です。でも、無料なのになぜ流行らないのかと言えば、だいたい以下のような感じだと個人的には考えています。

• そもそも種類が多すぎて、これがLinuxだ！　と呼べるモノがない
  （RedHat、Ubuntu、Debian、Vine Linuxなどなど）
• そもそも無料なのでメーカーがPCに搭載しない
• そもそも無料なので自分で導入するだけの人が多いから普及しない
• そもそも無料なのでサポートも自己責任
• そもそも対応しているソフトが少ない……などなど

恐らく、あたらずとも遠からずじゃないかなぁ……と思っています。大学生時代には、多少使う機会があったので……。

まぁそんなLinuxは、無料がゆえにビジネスという勢いに飲まれてしまいますが、無料が故に一部のコアなユーザーに支えられる形となり、今の状態に落ち着きます。特に、サーバー関連でお世話になっている人も多いOSな事に間違いはないでしょう。
で、そのLinux版のSteamのβテストが始まったというのだから、注目せざるを得ない、ということになります。詳しくはこちら。
というわけで、今日はPCゲーマー達は舞台をLinuxに移すのかどうか、という感じの話題でいこうと思う次第です。

そもそも何でLinuxなのよ？

Steamの運営元ValveがLinux版のSteamを開発しているという流れになった背後には、Windows8があります。Windows8は発売されたばかりの色んな意味で注目を浴びているOSですが、PCゲーム業界にとっては、余り歓迎されるべきOSではない、というのが現状になっています。
そこらへんの理由は以前こちらの方でも語りましたが、さくっとまとめてしまえば、Windows8で導入されたWindows Storeの存在が、マイクロソフトによるロイヤリティやら何やらが発生して自由な開発ができなくなる可能性があるため、という感じです。

SteamはWindows8のWindows Storeやアップル社のApp Storeと似ていますが、結局はOSに依存したソフトウェアになります。OSという大元がロイヤリティやら何やらという囲い込みを行うとなると、開発者や企業が利益を得たり、自由な開発をするためには、より自由なOSへといかなければなりません。となった時に、白羽の矢が立ったのがコピーレフトを謳っているLinuxでした。

先にも書いたとおりLinuxは無料ですし、ソースコードの公開とコピーの自由を保証すれば、自由にコピー、配布、改変をしても構わない、というモノだったりします。となると、それらについてのアプリケーションを作るのもまた自由、という事が言えるわけです。これなら、OSの大元がどうこう言ってくる、という心配がなくなるわけです。

となると時代はLinux？

となると、ゲーマー達はみんなLinuxに行くのかどうか、というのが焦点になりますが……。正直なところ、ちょっと想像ができません。
ゲーマーと言うだけでPCの知識が深いという人が多数というわけでもありませんし、ましてやPCを汎用的に使いたいという人もいるでしょう。もちろん、デュアルブートすればいいじゃない、とかVirtual PCにすれば、とかいう意見もあるとは思いますが、PCでゲームだけをしたいという人にとっては中々にハードルが高い話です。

ようは、Linuxはそれなりに知らないとハードルが高いOSだと思うのです。となると、中々そちらへのシフトというのも難しいところでしょう。とはいえ、PCゲームが「完全にLinuxへ移行」すれば、その可能性も否定できません。……個人的には、大変面白い話なので、そういう風になるのも一興かとは思いますが……。

PCゲーム業界は今過渡期を迎えています。このままWindows路線をいくことになるのか、それとも今まで一般的な使い方としては日の目を浴びる事が少なかったLinux路線になるのか。もちろん、日本のPCゲーム業界にもさりげなく影響するでしょう。……そもそも、日本のPC業界は狭いので……。
ともあれ、今回のWindows8で巻き起こりつつあるPCゲーム業界の行く末は、一体どういった決着を見せる事になるのでしょうか。……なんとなくこのまま路線にもなりそうですが、ユーザーにとっては一番面倒がなく楽で楽しめる路線になっていって貰いたいモノですね。