連載:気まぐれゲーム雑記 第65回:ソーシャルをIP活用先の一つとみるのは実にバンナムさんらしいと言う話題
気まぐれゲーム雑記
第65回「ソーシャルをIP活用先の一つとみるのは実にバンナムさんらしいと言う話題」
金は天下の回りものなのです。
バンナムの業績
先日、バンナムの業績が発表されました。
小難しい数字はおいとくとして、今期は黒字となっているようです。これで2期連続で黒字となっていて、業績予想を上方修正するなど非常に良い業績となっています。
まぁ、そこら辺は良しとして、そんなバンナムの業績について、さらりとまとめているこちらの記事が気になりまして。
まとめると以下のような感じです。
- 家庭用ゲームも色々出たけど、売上に貢献したのは「機動戦士ガンダム」シリーズと「ワンピース グランドコネクション」といったソーシャルゲーム
- ソーシャルゲーム登録会員数は2850万人
- 今後は家庭用ゲームや業務用ゲーム機器と並ぶ柱として安定させる
- ソーシャルゲーム単独ではなく、IPの活用先の一つとして安定的な展開をしていく
というわけで、本日はバンナムらしいタイトルの使い方、に着目していこうかと思う次第です。
バンナムさんと他社の違い
ゲーム企業として見た場合、バンナムは他社とちょっと違う傾向があります。
まぁ、いわずもがなキャラゲーばかりを出すということですが。ですが、キャラクターをコンテンツ(内容)と捉えるやり方は、実に商売上手です。……ええ、ユーザーからどのように思われていようとも「商売上手である事に変わりはない」のです。
他社さん、例えばスクエニさんやカプコンさんの場合は、ゲーム自体がコンテンツであり、キャラクターはゲームに登場してくるいち存在にしか過ぎません。ドラクエのスライムや、モンハンのアイルーのように、ゲームの枠を越えた「いちコンテンツとして存在感を出すキャラクター」もいるのは確かですが、それを狙ってやっているわけじゃありません。
ですがバンナムさんの場合、アニメや漫画など最初から「キャラクターこそがいちコンテンツである」という趣旨でゲームが作られます。ガンダムシリーズもそうですし、スパロボがわかりやすいところでしょうか。プロジェクトクロスゾーンもそうですし、ナルティメットストームもその類でしょう。キャラクターがあってこそ、初めてゲームが活きてくるというタイプのゲームが大半であるというのが注目どころです。
……まぁ、だからこそそのゲームのクオリティを問われてしまうわけですが。
IPをソーシャルで活かすということ
昔は、キャラゲーと言えば地雷臭がするゲーム、なんてものではなく、地雷そのものでした。一部には素晴らしいものもありましたが、基本的に地雷だと思います……。
特に、スーパーファミコン時代に「ジョジョの奇妙な冒険」がRPGで出た事は今でも忘れません。まさに、地雷と呼ぶに相応しいゲームでした。あ、余談ですが、このRPGの制作総指揮を取ったのは、今スクエニでご活躍なさっている橋本名人こと橋本真司氏です。
余談はさておいて、現在ソーシャルを見るとどれもこれも似たようなゲームばかりですが、だいたい新規で作っています。ですが、バンナムの場合は、既存のコンテンツ(つまりキャラクターやゲーム、漫画など)をそのまま上手く使い回しているというのがわかります。だからこそ、バンナムはキャラクターモノに強いということになるわけです。
そういったIPをたくさん保有しているバンナムは、今後もどんどん使えるモノをソーシャルへと連動させていくでしょう。
今やソーシャルは、バブルはいつはじけるかという議論と、この波は止まらないという議論、それにソーシャルはソーシャルといういちジャンルとして続いていく、という3つの考え方に分かれています。個人的には、今の過剰なソーシャル熱というのはいつかはじけるとも思いますが、はじけた後はなんだかんだといちジャンルとして落ち着くのでは? とも思っています。
いちジャンルとして落ち着いた時、より広いIPを持っているバンナムは、なんだかんだとソーシャルでも「ビジネス的には良い位置付け」にいそうな気がしてなりませんね。……ともあれ、家庭用ゲームも頑張ってもらいたいモノです。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:バンナムさんとソーシャルとIPといった話題で書いて見ました。
:まぁ、バンナムさんは商売上手ではあるよな。ユーザーに喜ばれるかどうかはさておいて。
:ある種、そういうのは自己責任の部分も多いとは思うけどね。でもまぁ、広く多くIPを保有しているバンナムさんは、ソーシャルっていうお手軽なモノに手を出させるのが上手いって事じゃないかな。……ファンは、どこまでファンをやってられるんだろうねぇ?
:なんとも難しい話だわ……。作品は誰のモノかってな話題になるだろうしな……。