連載:気まぐれゲーム雑記 第27回:ゲームコンテンツは消費する一方? と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第27回「ゲームコンテンツは消費する一方? と言う話題」

コンテンツは誰が作るのか? という問題なのです。

コンテンツを作る側と消費する側

ゲームは、基本的にコンテンツ(内容の意)産業です。
そのゲーム内容が面白ければ続くし、つまらなければすぐ終わります。DLCというのは、ようするにそのコンテンツ(ゲーム)を拡張する役割を果たしています。

で、それらのコンテンツを消費するのはユーザー側。作り出すのは開発側と、そこらへんは当たり前な図式です。しかして、その図式に完全には当てはまらないゲームというのもあったりします。例えば、クラシックダンジョン。あのシリーズは、ユーザーにドット絵を描かせてネットで普及させる、という事をしました。ようは、ユーザー自身がゲーム開発に介入できる余裕を与えたわけです。
他には、海外のMODが使えるPCゲームもそれに当たるでしょう。例えばMine Craftも、MODでの介入ができたりします。

まぁ、これらのように、ユーザー自身がそのゲームに介入できたりするゲームデザインというのは、PCゲームに多く見られます。でも、開発とユーザーが手を組んで作っていったゲームはほとんどありません。そこを強いてあげると、それはMMOだったりするわけです。

ブリタニアの民よ、エンターテイナーであれ

今でもある最古のMMO「Ultima Online(以下UO)」。恐らくは、このゲームほどユーザー自身がコンテンツを作りだしたゲームは、他に類を見ないと言えます。……いやまぁ、今ではその面影も見えづらいモノがありますが、類を見なかったのは確かでしょう。UO全盛期なご時世は、DLCなんてありませんでしたしね。

UOは、スキル制のゲームです。武器スキルや生産スキルを100(今だと120)まであげる事ができます。そのスキルを100まで上げきったら終わりではなく、「そこからが本番」というゲームでした。なぜ本番かというと、本当に自由に動き回れるようになるのはそうなってからだったりするわけです。
で、UOは今でいうところのクエストなんてモノは存在せず、その世界を好きなように自由に遊んで良い、という今ならばオープンワールドと同じ発想で開発されたゲームでした。PKをするのも人からアイテムを盗むも自由(リスクは伴いましたが)、対人戦に興じるも、ギルド同士の戦争に参加するも、毎日話だけしているのも自由です。
そんな自由さ故か、日頃からイベントはあまり発生しませんでした。ですので、その自由さを逆手に取り、ゲーム内のイベントを「その世界にいるユーザー自身の手で作り出す」という流れになります。そして、開発側も「それを後押しするかのように手伝ってくれた」というのが今にして思えば面白い関係でした。

そのことを理解してか、UOをゲームデザインをしたリチャードギャリオット氏は、「ブリタニア(UOの世界の事)の民よ、エンターテイナーであれ」という一言を残しました。ですので、この時代のUOをした人達は「自分達でイベントを開催できるようなMMO」が好きな人も多いことでしょう。

ゲームをするのか、やらされるのか

今でもたまに見かけますが、ゲームをやらされている感が強い、なんて言葉があります。
これは、ゲームに対してプレイヤー自身が「受動的であるか、能動的であるか」の問題にも思えます。ストーリーについては感情移入ができておらず、物語を主導している感がないと言う事が言えると思います。

もちろん、これらはすべてゲームデザインの事になるので、結局は個人の合うか合わないかに依存する事でもあります。提供されているコンテンツが面白ければ、率先してそのコンテンツを消費していくユーザーになるため、それは「能動的」とも言えますし。そこらへんのさじ加減こそ、そのゲームを面白いと思えるか否かの分岐点なのでしょう。
MMOは、その受動的か能動的かというのが、色濃く出るような気がしてなりません。というのもですね。こんな動画見つけたからそう思ったわけです。

ね。良い意味で馬鹿っぽい謎の一体感があると思いませんか?
うん、長々と真面目ぶった話しましたけど、オチはこんなもんです。凄くしょうもないことだけど、これって凄く能動的ですよね。「本来のゲームの遊び方とは違う遊びをして楽しんでいる」のがよくわかります。

スカイリムは今でもMODが作られ続けていて、様々な広がりを見せています。EQ2も、ユーザーが作ったMODを販売できるようにするといった面白い試みをしたりしています。これは、ユーザーの考えている事こそがそのまま反映されれば面白いのではないか? という良い意味で開発とユーザーが手を組んだ結果でしょう。ブレイブリーデフォルトの、ユーザーアンケートに似ているモノがあるように思います。
そんなこんなですが、ゲームを開発する側と消費する側、双方が上手い相乗効果を出せば、より面白いコンテンツを永続して作り続ける事も可能ではないのでしょうか? ……というわけで、どちら様かそんな感じのゲームを是非に作って頂ければなぁ、と全力で他力本願っぷりを発揮させて頂きつつ、本記事を締めさせて頂きたく思います。……ほんと、誰か作ってくれないかなぁ……。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:なんか面白い動画を見かけたので、それを元に壮大なスケールの話に展開させてみました。

しゃきーんさん:なんつーか、別にそんな広げなくても良い話じゃね? ……いやまぁ、言いたい事はわかるがな。

しょぼーんさん:コンテンツを永続して作り続けるには、ユーザーそのものの手を借りるのが一番手っ取り早いけど、それに伴うリスクも考えなきゃいけないから面倒なところだね。まぁようするに、日本でもスカイリムみたいなMOD導入出来るゲームが早く来いってことで。

しゃきーんさん:……こういう人は、なんで自分で作るって発想にならんのかねぇ……? それこそ能動的にならんといかんのではなかろうか……。

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