連載:気まぐれゲーム雑記 第710回:UNICEFがゲームファンに向けて行ったキャンペーンの一件に思う事
気まぐれゲーム雑記
第710回:UNICEFがゲームファンに向けて行ったキャンペーンの一件に思う事
騙してしまったら全てがアウト
これもまた一つの炎上案件?
AZです。異物混入で世間を賑わせているマクドナルドですが、考えてみたらマクドナルドで食事をしなくなって早数年が経過していたのでさほど心配はしていません。
それはそれとて、ユニセフがゲームファンに向けて行ったキャンペーンが何やらちょっとした物議を醸しているようです。内容をざっくりまとめると次の様な感じ。
- ユニセフが、その名を伏せてワシントンD.C.で新作ゲーム発表会をした
- 新作ゲームは、“Elika’s Escape”という戦時中を舞台にしたホラーサバイバルFPS
- ゲームの主人公は7才の少女で、内容は母親が病死し兄が少女を守るために殺害されるシーンから開始
- 食糧難から脱出し、家族の治療費を賄うために“売春する”という選択肢がある
- ここで、不快感で席を立つ人達が続出
- 実は、ユニセフが南スーダンの飢餓や感染症に苦しむ子供達の現状を新作ゲームに例えて訴えるという啓発プロモーションだった
- 南スーダンでは、ゲームとしてでも受けれることができない、あまりに酷すぎる惨状が現実で起きている
[引用元:マーケジン]
なかなかに、難しい問題ですねぇ。
先に断り書きをしたいのは、ユニセフの活動には敬意を払いたいですし、今回の南スーダンにおける現状の重要性が高いのは理解できるという事です。ユニセフ側も公開している動画の概要に、ゲームコミュニティに対してコメントや攻撃するモノではないことを明記しています。
ですが、ユニセフという世界的な機関が、ゲームの発表会と称して啓発プロモーションをするというのは、いささか穏やかな話ではないでしょう。このやり方は、悪手と言われても仕方がありません。騙してしまったら、真面目な事さえマイナスの印象を与えてしまいます。特に、娯楽であるゲームを使ったのはまずい手だったところではないでしょうか。
恐らくこれって、本当にゲームを一本作っちゃえば良かったのでしょう。政治情勢が絡んだゲームなんて、今時そう珍しい事でもありません。最近のゲームで言えば、“This War of Mine”がそれに該当します。間違いなくあの作品は、平和ボケしている人達に対して恐ろしいくらいに殴りかかってくるゲームです。ゲームは娯楽であり、それ以上もそれ以下もないのはわかりきっていますが、“This War of Mine”のようなゲームでさえある昨今、ユニセフがゲーム大好きっ子達にアピールしたいなら同じ土俵でアピールすべきだった案件に感じられます。
当然ながら、ユニセフの活動を否定するつもりは毛頭ありません。ユニセフの活動によって、救われる国があるのも確かでしょう。ですが、自分達の正義があれば多少の騙しも許される的な雰囲気がある事も間違いはなさそうです。どことなく、「この発表会ってどんなメディアが出ていたのだろう?」という疑問は尽きなかったりもするわけですが、情報の正しさが求められる今日この頃ですし、偽ることなく正しい情報を把握するようにしていきたいですね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:ユニセフがゲームを例えとして現状を伝えるキャンペーンをしたらしいんだけど、やり方が不味かったんじゃね? ってなお話です。
:まぁ、貧困国の社会情勢と娯楽をごちゃ混ぜにするなとは言いたいもんだ。
:「混ぜるな! 危険!」レベルだね。というか、マジで“This War of Mine”みたいなヤツを作れば良かったんじゃない? 出資金集めてさ。その国が厳しいというのも理解できるし大変な事もわかるんだけど、なまじゲームの発表会を隠れ蓑に使ったがため、本来とは違った思惑が出て来ちゃったってところじゃなかろうかと。……ま、ゲーム好きに訴えたいならゲームでアピールするのが一番だというオチで。
:色んなゲームがあるんだし、その国の惨状を伝えるゲームがあっても不思議じゃなかろうという事だな。
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