気まぐれゲーム雑記
第627回：PS4向けドラクエが新型3DSを吹っ飛ばす衝撃かと言われたら、根本的には違う気がしてならない

メディアの描く構図は相変わらず対立です。

実に変な比較に見えてきた

AZです。地震がジワジワ多かったり名古屋駅が浸水したり大変そうな世の中ですが、私は今日も元気です。

それはそれとて、産経新聞が「「ＰＳ４向けドラクエ」任天堂「新型３ＤＳ」を吹っ飛ばす衝撃度…勢力図は塗り変わるか」と対立構図を描きながら、PS4をプッシュする記事を掲載しています。

ソニーの据え置き型ゲーム機「プレイステーション（ＰＳ）４」向けに、スクウェア・エニックスの人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの来春発売が発表された。ＰＳ用としては約１０年ぶり。世界的なヒットとなったＰＳ４も日本では不振で、任天堂の据え置き型ゲーム機「ＷｉｉＵ（ウィー・ユー）」の後塵を拝しているのが実情。今回ファン待望のゲーム投入で勢力図が変わる可能性も浮上し、３年連続営業赤字からの脱却を目指す任天堂による携帯型ゲーム機の新型発表もドラクエインパクトにかき消された格好だ。

～中略～

ドラクエは、単なるゲームソフトにとどまらず、ゲーム機本体の販売を押し上げる力を持つ。任天堂はかつてゲーム業界の王者として君臨していたが、ドラクエ７がＰＳで発売されたのをきっかけにソニーに覇権を奪われた過去がある。それだけに、ＰＳ４でのドラクエ発売は大きなインパクトとなった。

～中略～

　３ＤＳはすでに日本で１５００万台以上を販売しており、普及のスピードは落ち始めている。任天堂は新型発売で再び販売を加速させる計画だが、ファンからは「任天堂がいま対策を打つべきなのは、好調な３ＤＳではなく不振のＷｉｉＵではないのか」との声が聞かれた。

　日本市場は気軽に遊べるスマートフォン向けゲームが主流になってきており、ゲーム専用機で発売されるドラクエにかつての神通力があるかどうかは未知数といえる。それでも、新作はＰＳ４の販売を一定数押し上げるとみられる。この流れでＰＳ４にドラクエ１１が来たら、国内でもＰＳ４がＷｉｉＵを逆転する可能性は十分だ。

　任天堂では、ＷｉｉＵ向けゲームソフト「マリオカート８」を発売した５月以降販売が上向きだが、この状態を維持するにはさらなる人気ソフトが不可欠。欧米で不振のＷｉｉＵにとって日本市場は最後の牙城といえるため、任天堂の次の一手に注目が集まっている。（藤原直樹）

［引用元：ｗｅｓｔ経済］

相変わらず、ですねぇ。

カプコンやらモンハンやらに色々ツッコミどころ満載な記事を掲載してくる記者の方だったと記憶しておりますが、今回も「ドラゴンクエストヒーローズ」のインパクトで新型3DSの印象が消えたという少々要領を得ない類の記事になっています。ほとんど関係ないように思えてならないWii Uにもさりげなく言及しているあたりは、流石メディアだと感心すべきところでしょうか？

この記事に言及するならば、PS4向けドラクエに特化したPS4に関する話題と、新型3DSやWii Uに関する任天堂の話題を切り分けて掲載すれば釈然としやすいモノになったと言う他ありません。「ドラゴンクエストヒーローズ」は、一定数のハードを牽引する事も間違いないでしょうし、それだけの話題性はあります。まぁ、その「一定数」がどの程度なのか読めないあたりが今の日本なのかもしれませんけど。

その一方で、新型3DSはモンハン4Gやスマブラなど、こちらも「一定数」牽引する事が想定されます。すでにピークアウトしたとも言われている3DSのカンフル剤として出てくるわけで、こちらもどの程度話題になるのかは何とも計りかねるところでしょうか。年数的に、初代3DSを買った人が買い換えるくらいの想定はできますが。……それにしても、実際使うと便利な言葉ですねぇ、「一定数」って言葉。

結局のところ、据え置き機の完全新作とカンフル剤となる新型携帯機を比較するというのは何とも妙な対比であるという記事ではありますが、そもそも日本における据え置き機の勢いが非常によろしくないと叫ばれている中で、ハードメーカーやソフトメーカーがどういったアプローチをするのかが見守られるところにもなります。メディアの論調も所詮はいち意見に過ぎないというのを確認しながら、PS4やWii U、3DSはそれぞれに善し悪しがあると言う事を踏まえつつ、どのハードも良い方向へと進んで欲しいモノですね。