連載:気まぐれゲーム雑記 第465回:DeNA取締役兼執行役員曰く「日本人には絶対にスカイリムは作れない。」
気まぐれゲーム雑記
第465回:DeNA取締役兼執行役員曰く「日本人には絶対にスカイリムは作れない。」
作れないんじゃなくて、作る気がないのです。
ゲーム産業の今後について語る面々……なんですかね?
AZです。影牢のクリアも近づいて来たような雰囲気になりました。
ところで、「ゲーム産業の今後」というお題で日本のゲーム業界の今後は世界でやっていけるのかどうかといったセッションがあったようで、次の4人がトークを繰り広げたようです。
(スピーカー)
- カプコン 社長COO 辻本春弘氏
- グリー 取締役 執行役員常務 青柳直樹氏
- サミーネットワークス/セガネットワークス 社長CEO 里見治紀氏
- ディー・エヌ・エー取締役兼執行役員 Mobage 統合事業本部 マルチリージョンゲーム事業本部長 小林賢治氏
[引用元:東洋経済ONLINEさん]
なんとまぁ、アレな感じな面々ですねぇ……。まぁ、それだけじゃ何ですのでしかと内容を確認していきますと、大体4つの事がメインになっています。
- グリーおよびDeNA曰く「品質などを考慮してじっくり作るようになっている」
- セガ曰く「もっとソーシャルゲームは早く作れ」カプコン曰く「ソーシャルゲームはさんたんたる始末で、仕切り直す」
- 海外展開についてのカプコンとDeNAの対応
- 文化ごとに売れるゲームは違うという事についてのセガとDeNAの反応
このようなラインナップをみておりますと、いわずもがな当ブログが言及するのは2,4という事になります。
今更ソレを言いますか……
まずは、カプコンがソーシャル事業が上手く言っていないという話題から。
辻本(カプコン):当社は、ソーシャルゲームにも参入しましたが、惨憺たる結果です。タイトルを出したのはいいんですが、里見さんがおっしゃったとおり、ソーシャルゲームならではのルールがあります。負荷をかけてサーバーがダウンしたらダメとか、こんなところで課金したらダメとか、そういうことをわからずにやってしまったので、利益につながっていません。
[引用元:東洋経済ONLINEさん]
「こんなところで課金したらダメとか、そういうことをわからずにやってしまった」とは、随分なアレですね。
なんでしょう。もはや完全に「ビジネス」としてやっている様がありありと出ており、「こんなところで課金したらダメ」なんてそんなもの、「実際にやりゃわかるでしょうが?」としか言い様がありません。プレイしてみて、どこを良しとしてどこを良しとしないのか、そのさじ加減すらわからないということでしょうか。……いやまぁ、それがわからないから惨憺たる始末になったわけですが。
カプコンは、すでに2013年8月に「カプコン・ネットワークゲームカンファレンス」を行い、ブレスオブファイア6をブラウザゲームにするなど中々アレな雰囲気に全力投球をしました。このセッションは2013年12月に行われたそうで、4ヶ月しか経っていないわけでありますが、2013年8月の発表タイトル群でサービス開始されたモノだと、どれが上手くいってどれがダメな状態なのかは把握してみたいものです。
まぁ、DeNAが言う事ですから?
また、もう一つの話として「文化ごとに売れるゲームは違う」という話題について。
小林(DeNA):とくにゲームで悩ましいのはRPGだと思っていて、RPGは国ごとに想起するものが異なります。日本人には絶対に「スカイリム」は作れない。あのオープンワールドで何をしていいか30分も全然わからないようなゲームよりも、もっとルートが決まっているようなタイプのストーリーを作りこんだ類のもので、アニメーションがあるものを好むと思います。
[引用元:東洋経済ONLINEさん]
こりゃまた、何ともアレなセリフですね。
絶対作れないというのはアレですが、「オープンワールドで何をしていいか30分も全然わからないスカイリムよりも、ルートが決まっててストーリー重視でアニメーションもある方が日本人は好む」という事なら、技術的にというよりはビジネスとして成立しないと理解する事ができます。それなら、一応言わんとしたい事もわかってくるものです。要するに、スカイリムよりもドラクエやテイルズの方が日本じゃ売れる、と言う事なわけです。まぁ、技術的な問題もありそうなところですけど。
ですが、海外市場で云々と言ってる人が、世界でヒットしたタイトルを「オープンワールドで何をしていいか30分も全然わからないようなゲーム」と評する様は何とも滑稽に映るような気がしない事もありません。以前どこかの記事にも書いたような気はしますが、ゲーム内容を否定するのは凄く簡単な事です。なぜと言えば、そのゲームの特徴を否定すれば良いだけですから。
このセッションでは、面白いモノを作ろうという意図は感じられず、どうやれば売れるモノができるかといった話に終始している気がしてなりませんでした。先日も書いた通り、ゲームはビジネスとして成立しないと食いっぱぐれてしまうのである程度は仕方なしにも思えます。とはいえど、余りにもそれが露骨過ぎると「娯楽としてどうなのか?」が問われてきてしまいます。基本的には面白いゲームがヒットする形となるのが理想なわけですから、会社のお財布事情を握る人達は難しい舵取りとはいえど、娯楽を提供しようとしているのを忘れないで欲しいですね。
……あ、ちなみに、
里見(セガ):戦争ゲームは、第二次世界大戦で勝った国しかやらないですよね。
[引用元:東洋経済ONLINEさん]
戦争ゲームをFPSと考えるなら、そもそも「FPSのゲームが日本じゃほとんどなかったので流行りようがなかった」だけの事だと思います。あと、軍事ストラテジーも含めて良いならCivやら提督の決断なんてモノもある気はしちゃったのですけど……。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:DeNAの人に「日本人には絶対にスカイリムは作れない」と言われたところで、ソーデスカーとしか言い様がないという話です。
:向いているか否かではあるけど、スカイリムは比較的「何をしていいか30分もわからない」ような状況にはなりづらかったと思うがね。
:まぁ、自由に何でもやっていいよ? と世界だけを放り投げられると、自由に遊べないって人はいるのも確かだし。でも、ソシャゲとはいえどゲームを作る立場の人間がこの発言は、何ともツマラナイ会社だなぁと。……だからソシャゲなのかな!?
:だからじゃねーの? 元より、DeNAが据え置き機やら何やらでゲームが出せるとも思えんしな。
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