連載:気まぐれゲーム雑記 第311回:フランス人の語る日本のゲームの良いとこ悪いとこが結構的確だった

気まぐれゲーム雑記
第311回:フランス人の語る日本のゲームの良いとこ悪いとこが結構的確だった

思う事はそれなりに共通?

相変わらずCEDECは最高に面白い

中国とロシアから(主に中国)FF5の神竜が如くスパムによるタイダルウェイブが押し寄せる昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか。弱小ブログながらにスパム対策を講じなければならない面倒臭さといったら、お使い要素で作業感が出てしまうゲームをしているかのようでした。

それはさておき、Gamescom2013の裏で日本ではCEDEC2013が開催されていました。
ちなみにCEDECとは、Computer Entertainment Developers Conferenceの略で、要するにコンピュータゲームに関わっている開発者、ないしそれに近しい人達がアレやコレやのテーマで語っちゃうという素晴らしい発表会です。……素晴らしいかどうかは、内容次第でもあるわけですが。
私としては非常に興味があるところで、時間さえあれば金を払ってでも講演を聞きにいきたいZe! とは思うモノの、すでに社会の歯車状態でそのような時間も持てません。誠に無念であります。

というわけで、しばらくは興味を持ったCEDECの話題に触れていく事にします。メディアのまとめから読みとれる事をアレやコレやと物申すわけです。
最初に興味があったのはフランスから見た日本のゲームの講演です。

8月21日に開催されたセッション“日本のゲームでもっと遊びたい!~ヨーロッパから日本のゲームクリエイターへのエール~※なんと日本語セッション!”のリポートをお届けする。

[引用元:ファミ通.comさん]

全文紹介してたら長すぎるので、ピンポイントに重要なところを取ってくることにします。気になったのは、フランスで取ったというアンケート内容で、「日本製のゲームの素晴らしいところ」と「日本製のゲームの欠点」の2つ。見辛いことこの上なしのスライド直取りしか情報がなかったわけですが、何とか書き起こしておきました。まずは、素晴らしいところから。

日本製ゲームのここがすばらしい!

  • 昔からゲームプレイがしっかりしていて遊びやすいものが多い
  • 難易度がうまく調整されている
  • ゲーム音楽やBGMには印象的なものが多い
  • 日本はゲームの歴史に非常に大きな貢献をした。イノベーションの多くは日本からきた
  • 登場するキャラクターが豊富で個性豊か。覚えやすい。
  • 日本が舞台になっているゲームが面白い(シェンムー・鬼武者・龍が如く、天誅、ジェットセットラジオなど)。
  • 日本のゲームの魅力はクレイジーさである
  • 日本製のゲームは、バラエティが非常に豊富である
  • 夢のあるゲームが多い
  • 日本のゲームで遊んでいると本当に想像の世界で旅をしているかのように感じる事が多い
  • 日本のポップカルチャー(アニメ・まんが)の雰囲気があって、新鮮に感じる
  • 日本のゲームプレイは「Easy to Play,Hard to master」
  • 声優の質が高い
  • 日本人が作り出すファンタジーや幻想世界は奥が深く、入り込みやすい
  • 和風の美的センスの世界観、グラフィックには夢と浪漫を感じる
  • 日本のゲームメーカーは、グッズ商売のライセンスを作るのが上手で、ファンにとって嬉しい
  • 日本のキャラクターセンスが素晴らしい。コスプレしたくなるような質の高いキャラクターデザインが好きだ

[引用元:ファミ通.comさん]

やはり、日本人しか作れない日本のゲームというのは、フランスでも高く評価されているようです。実際、外人さんが作った2D忍者ステルスアクションゲーム「Mark of the Ninja」は、ゲームとしては非常に面白いわけですが、その世界観は日本と中国を融合させたかのような代物でした。日本人しか、日本の正しい忍者やら世界観やらは理解できないものでもありましょう。

あとは、BGMでも似た様な感想になるのは共通の感覚であったり、声優の質の高さを見出したりと、実に面白い内容になっています。フランスのゲーマーな皆様は非常に良く見ておられる事に感心です。

一方で、欠点は次の様な感じ。

日本のゲームの欠点といえば?

  • 「萌え」的ファンサービスが多すぎる。人がいるところでプレイするのが恥ずかしい。子供っぽいノリが多い。
  • 日本のゲームでは、世界を救うために一刻を争う戦いの旅をしている途中でも「いなくなった猫を探して飼い主に返せ」といった、その状況では非常に不自然で無駄に思えるミッションが与えられたりする事があり、不自然に感じるときがある。そして、レベリングも多く、プレイ時間が無駄に伸びる印象を受ける
  • RPGでは一直線に自動で流れていくシナリオが多すぎる。ユーザーの判断や行動によってストーリーが多彩になっていくようにして欲しい!
  • キャラクターは、ステレオタイプが多い(記憶を失った少年、幼馴染の可愛らしい女の子(ロリータ、デカ胸とぶりっこタイプなど))。変化がなく、「またこういうキャラか」と思う。髪形は不自然で無理があるし、キャラの身長の何倍もある剣や武器という設定に飽きた。
  • 世界のゲームプレイは技術の発展と共に進化してきているが、日本のゲームはPS1やPS2からシステム的な進歩があまり感じられない。
  • フォトリアリズムタイプのゲームにおいては、日本のゲームはグラフィック面で洋ゲーに劣っている
  • 主人公が若すぎる。現在のユーザーの実際平均年齢と差があり感情移入ができない
  • 各キャラクターのリサイクル作品、スピンオフが多すぎる
  • 大人のためのゲームが少ない(大人=セックス、激しい暴力ではない!)。
  • 日本には、素晴らしいPCゲームや同人ソフトがあるけれども、開発者の「遠くまで行こう」という意欲、海外に挑戦してくるエネルキーが感じられないのは残念。世界に向けてどんどん発信してほしい!
  • 日本のゲーマーは「洋ゲー」を軽蔑しているように思う。
  • 海外向けにローカライズするときに、元々の日本語吹き替えを削除してしまうことが多いが、日本語の声も残してほしい
  • 海外市場を意識し過ぎたせいで、最近の日本のゲームの多くは個性が失われている

[引用元:ファミ通.comさん]

萌えについては、もはやターゲット層の違いなのでどうすることも出来ないでしょう。多くのゲームファンは、失敗を恐れずに自分らしいゲームを作ってくれと開発者に言うのを目にしますが、企業に属している以上は残念ながら不可能です。もしそれをしたいなら、インディーズに場を移すか、稲舟氏のように独立し自社で面白いと思えるものを企画し続けていくスタンスを取るしかありません。萌えが日本での成功要素の一つだというならば、それを採用しない手はないのです。……まぁ、それがそういうものが好きじゃない人達から見てどう映るかは分かりませんけど。

また、RPGが一直線というのは実に海外らしい発想ではありますが、確かに日本でもフリーシナリオやマルチストーリー、マルチエンドのRPGは最近はさほど多い印象はありません。これは中々に難しい問題で、ゲームがユーザーを育てるとでも言いましょうか。日本ではそのようなユーザー自身に判断を委ね、その行動次第ではストーリーが劇的に分岐するという作風のものが少ないため、ユーザー達が慣れていないという見方が可能のように思えます。恐らくはゲームに何を求めているのかという問題で、仮想世界であれど主人公は自分なのだから自分の意見を反映させたいと考えるか、小説や映画の如くそのゲームの物語を堪能したいか、という違いでしょう。前者ならゲーム内の制約が極力少ない事の楽しみが、後者ならストーリーやキャラクターに感情移入したりする楽しみがある……気がしないこともありません。

他にも悪い点を見ていると、何となく的確であると言える部分もありますが、反対に日本だからこそNOと言える部分もあるわけで、「主人公が若すぎる」あたりは日本ならではの文化です。ニーアが良い例でしょうか。PS3の日本向けにレプリカント、海外向けにゲシュタルトが出たわけですが、まぁ日本はそういう国なのですという象徴でもあり、文化の違いであると認識するのが一番であると言える事例でしょう。FFの主役級メンバーは若い美男美女で、じーさま枠はシドだけというのがお決まりであって、そこが崩れたらそれはもうFFと呼んでいいのかどうかわからないわけです。……まぁ、それさえも7以降にしか通用しないことですし、賛否はありそうですけど。

ともあれ、フランスから日本のゲームがどのように見られているかは大変面白いものがあります。こういった内容をフランス人が日本語で語るという非常に面白い内容だったそうで、もっと日本のゲームが海外でどう見られているのか、というのは多くの人達が知っておいても損はない事でしょう。
今後、よりゲームを楽しめる方向に進ませるには、あらゆる人達にそれぞれの楽しさを提供していく必要があります。日本らしい日本のゲームで、世界でも賞賛される要素を取り入れていく事の難しさはあるでしょうが、良いところは良いところ、悪いところは悪いところとして、より良い進化を遂げて欲しいものですね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:フランスから見た日本のゲームの云々って話題があったから、色々と物申すぜ! ってな話題です。

しゃきーんさん:まぁ、洋ゲー好きかどうかとかで色々意見は分かれそうな内容だな。

しょぼーんさん:でも、日本らしい作風ながらに、海外でも確かな手応えとなるものが入っていけば、それはそれで面白いんじゃなかろうかとは思うよ。もっとも、それが海外ゲーのコピーになっちゃったら話にならんわけで、そこをどうやりくりするかのさじ加減は凄く大変だろうけどね。……今の大手メーカー様方にそういうのが作れるかなぁ……?

しゃきーんさん:もとより、そういうものに需要がなけりゃ世知辛い結果になっちまうからこそ勝負に出られないってのもあるんだろうけどな。

連載:気まぐれゲーム雑記 第311回:フランス人の語る日本のゲームの良いとこ悪いとこが結構的確だったに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

しょぼーんさん

しゃきーんさん

コメント (2)

名無しのゲーマーさん

一言で済ませるなら文化の違いだけだね
あれだけの予算組めるのもそれだけのターゲット層見越してのこともあるし

AZ@管理人

文化の違いの幅が、どこまで入り込んでいてどこが入り込んでいないのかという問題を洗いざらいするには丁度良い講演には思えました。
まぁ、据え置きと携帯機でベースが違うという事など条件の違いは多数ありますけど。
日本と海外の動きはアレやコレやと色々出ていますが、客観的に生暖かく見守って日本の開発者達がどういう道を辿るのかは注視しておきたいものです。(`・ω・´)

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