10月から京都の大学院の修士課程に通うというイーリンは、“葵のことをもっと知る”ために、『蔵』でバイトをすることになった。父・イーフェイからある“宿題”を出されていたイーリンだが、『蔵』でのバイトの日々を通して、自らの出生の秘密にたどり着くことになる――

暗澹たる茂兵衞にさらなる追い打ちがかかる。小田原の大久保忠世が危篤だというのだ。長く一緒に戦ってきただけに忠世とは愛憎半ばする仲である。今生の別れを告げるため、鉄砲百人組を引き連れて東海道を急ぐ茂兵衞だが、途上、何者かの襲撃を受ける。

静かな声音も、表情も、アレンデールが知る『悪辣姫』の噂とは異なり彼を混乱に陥れる。なぜならば、彼女は本当は――温かな家庭への憧れ以外は何もかもを諦めてしまったただの孤高の王女に過ぎなかったのだから。

ほどなく道長はその座を嫡男の頼通に譲り出家し、表向きには政の表舞台から身を引く。そんな世相を尻目に、紫式部は自分の代わりに娘の賢子を彰子に出仕させ、『源氏物語』の「宇治十帖」を書き続けていくが、これは紫式部が道長に仕掛けた最後の“戦い”だった。

彼女を四六時中放そうとしない光貴の要望は次第に熱を帯び、彼に抗えない葉月は、守らなくてはならない一線を踏み越え――。神隠しから生還した御曹司×罪の意識を抱き続ける幼馴染、立場の違いを超えた愛の契約。

キサラ達の前に、アッシュの元婚約者である、古来の信仰を重視する保守派魔術師の一族の跡取り・ビナリッダが現れる。民達がキサラを認め始める一方で、それをよく思わない者達の思惑が、水面下で動き出していて……!?

触れれば炸裂する爆弾のような『黒服』たちを制するため、《セプター４》もその過激さを増していく。限定王権戦争と呼ばれた熾烈な戦いの中で、それぞれのクランズマンがどのように生き、そして死んでいったのかが、今明かされる。