連載:気まぐれゲーム雑記 第788回:ゲームプレイヤーを中心としたゲームコミュニティをどのようにメーカーが扱っていくのか

気まぐれゲーム雑記
第788回:ゲームプレイヤーを中心としたゲームコミュニティをどのようにメーカーが扱っていくのか

囲い込みからコミュニティを広げるにはどうすべきか

プレイヤーから情報が発信できる形にするのが理想

AZです。モノ作りに欠かせないのは、集中力と精神力と眠くならないサウンドです。

それはさておき、ファミ通グループ代表の浜村氏がお馴染みの講演“ゲーム産業の現状と展望<2015年春季>”を開催したようです。くわしくはこちら。ちょいとばっかし気になる所が3つほどあったので、軽くご紹介しようかと思う次第です。

2015年1月31日~2月1日に行われたイベント“闘会議2015”にて行った、来場者アンケートの集計結果を示した。来場者の83%が、毎日、もしくはほぼ毎日ゲームをプレイする“ヘビーユーザー”。そんな彼らのうち、76%が基本無料のスマートフォン用アプリを遊んでいるという。そう、“ライト層が遊んでいる”と思われがちなスマホアプリに、多くのヘビーユーザーがいることが明確になったのだ。

また、世界の中で見ても、日本のモバイルゲームの市場規模は大きく、アプリの収益率も高い。モバイルゲームに関しては、日本は世界の先を行っている、と言える。だが、好調なのは以前から人気のあるタイトルで、新規のタイトルはなかなか成果を挙げられていない。浜村代表は、モバイルゲーム市場は競争の激しい“レッドオーシャン”であり、その激しさはさらに増している、と語った。

[引用元:ファミ通.com

上記で気になるのは、「ライト層が遊んでいる”と思われがちなスマホアプリに、多くのヘビーユーザーがいることが明確になった」の文言でしょうか。なんというか、流石に文章で言い切るにはデータ不足というか、「毎日ゲームをしていたらヘビーユーザーなのか?」論争にしか行き着けませんでした。いや、すげー長時間プレイしている人を否定するつもりは毛頭ないのですよ?

同様の話題は、どうぶつの森等々でも出たような気がしておりますが、ようするにプレイ時間に関するデータなど「これがヘビーだ!」と定義付けるモノがないと、イマイチモヤッとする部分だったりはするわけです。いやまぁ、そういうアプローチの方がマスコミ等々はわかりやすいというのも確かでしょうけど。

ただ、モバイル市場がレッドオーシャンになっているというのは、非常によく分かります。今は、カードゲームの次は王道スマホRPGなるジャンルがごった返しているわけで、とっくのとうに「出せば稼げる」という時代は終焉しています。そこらへんは、モバイル市場を知らない人も考えを変えておいた方が良いような気はしております。

その一方で、

コンテンツホルダーもまた、コミュニティマネジメントを行う形へと移行している。かつては、“普及しているハード用のソフトを作り、それを販売する”ことで利益を得ていた。だがいまは、家庭用ゲーム機だけではなく、スマートフォン、PCなど、“さまざまなプラットフォームで、ひとつのIPのコンテンツを提供。そのIPのファンのコミュニティを作り、月額課金やダウンロードコンテンツなどで収益を上げる”形へとスキームを変えている。

[引用元:ファミ通.com

と、今のハードメーカー等々の動きをさくっと統括した一言がでてきています。日本でも、大手メーカーがSteamでも配信するようになったのは時代がシフトしたことの表れとも言えますが、一つのIPをDLCなどでどれだけ長生きさせるのかというのは、どのメーカーにとっても大きな課題になっています。まぁ、DLCってそこでアコギに思われるか否かが凄く重要だったりするわけで、そのさじ加減にどのメーカーも頭を悩ませているのは間違いないでしょうけど。

DLCにちょっとだけ言及しておくと、「DLCを含めた完全版」がそのうち発売されるというのは、要は「発売日に買うゲームは不完全版です」と明言しているようなところもあります。ですが、この問題はちょっと複雑で、じゃあその不完全版じゃ楽しめないのか? と言われたらそんなこともないですし、FPSのようなマルチ対戦が主軸になるゲームは「発売当初が一番賑わいやすい」傾向にあります。その楽しみは、間違いなく発売日付近じゃないと体験できません。そういったゲーム体験に、どれくらいのお金を出せるかという事になりましょうか。DLCについては、先日も似た様な事を書いていますので合わせて読んで見て下さい。

話を戻しまして。今後のコミュニティの在り方として、

ひとつは、“メディアミックスの仕組みを仕込む”。例として挙げられたのは、『妖怪ウォッチ』の一大コミュニティを築き上げたレベルファイブだ。先日、レベルファイブは新規IP『スナックワールド』を発表したが、このIPはニンテンドー3DSとスマートフォンでのゲーム作りが進められているほか、CGアニメ、コミック、映画の制作も予定されている。『妖怪ウォッチ』に続く大ヒットIPになるか、早くも注目が集まっている。

もうひとつは、“コミュニティの主役の力を借りる。つまり、ユーザーの力を借りる”。ゲーム実況者や、eスポーツのプレイヤーや、UGC(User Generated Content。ユーザーが生み出したコンテンツ)などの力だ。『マインクラフト』などは、まさにユーザーの力で育ったIPだと言える。

[引用元:ファミ通.com

という上記の2つを挙げています。もっとわかりやすく言えば、「メーカー主導」か「プレイヤー主導」かの違いです。メディアミックスは、どう足掻いてもメーカー主導でやらざるを得ません。その分、当たり外れも大きい。セガやカプコンが子供向けタイトルでアニメ化等々もやりましたが、結局レベルファイブの一人勝ち状態です。もっとも妖怪ウォッチの場合は、アニメで話題を引っ張ってゲームが成功したという流れの方が正しい気もしますので、あれはメディアミックスじゃないと成功しなかった一例とも言えるわけですが。

それとは違い、プレイヤーが主導するのは実況等々のアプローチです。先日も、サイバーエージェントの子会社がゲーム実況に特化したプロモーション事業を始めると、ユルッとした話題になりました。まぁ、本来「プレイヤー主導」であるはずの実況が、「メーカーや広告代理店等々の宣伝の場」になったら、それはもうプレイヤーが主導した事にならないのは言うまでもありませんけど。でも、「メーカー主導」でやるよりは博打感があるわけでもないでしょう。ただし、メーカーが思うような話題が出てくるかどうかは未知数です。

メディアミックスで大々的に宣伝するか、ゲームプレイヤーを中心にコミュニティを形成するかは、メーカーの予算次第としか言い様がありません。ですが、プレイヤーが主導する場合は、ゲームプレイヤーがどの程度興味を示し、メーカー側がどのくらいそのゲームで遊ぶ事を許可したか次第とも言えます。今後、どういった在り方がベストなのかはメーカーが色々模索していくでしょうが、プレイヤーにとってより良いコミュニティが作られていく事を願いたいモノですね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:ファミ通の浜村氏がまた講演してるよーってなお話です。

しゃきーんさん:まぁ、毎度ながらに無難な感じだな。

しょぼーんさん:ヘビーユーザー云々ってところくらいかな。モヤッとしたのは。あとは、現状をユルッとまとめたという印象っすね。結局、コミュニティが鍵ってのは当ブログでも書いてきた事な気はする。……10年後くらいには、どんなゲーム市場になっているのかねぇ?

しゃきーんさん:……ブログがどうなっているかの方が心配だがな。

連載:気まぐれゲーム雑記 第788回:ゲームプレイヤーを中心としたゲームコミュニティをどのようにメーカーが扱っていくのかに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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