連載:気まぐれゲーム雑記 第769回:クリエイティブな仕事は、必ずしも稼ぎになるとは限らないという現実

気まぐれゲーム雑記
第769回:クリエイティブな仕事は、必ずしも稼ぎになるとは限らないという現実

感情論とそうじゃないところでモノを見ないといけません

クリエイター業とビジネスを成立させる難しさがそこにはありそう

AZです。春分の日の存在を忘れていて、大変申し訳なく思っております。

それはさておきまして、先週起こったコナミの一件は結構根が深そうな印象も受けたので、そこらへんを改めて見てみようかと思います。まずは、各日本メディアの取材内容から。

なんなんですか、東スポって……。

こういう時の東スポのフットワークの軽さには驚愕を覚えてしまうわけですが、それにしてもこの一件でゲームメディアよりも早く反応したのが東スポってどういう事ですか。流石です、東スポ。謎のタイミングで活躍する様は、ちょっとカッコイイですね。東スポですけど。

……冗談はさておきまして、各メディアの話をまとめてしまうと次の様な感じ。

  • 小島プロダクションの公式アカウントが停止、メタルギア公式へ移行
  • メタルギアVファントムペイン(以下、MGS V:TPP)の公式から小島プロダクションのロゴが削除
  • 海外メディアGameSpotが信用できるソースからの情報ということで、コナミと小島プロダクションに確執があるとして、上層スタッフの雇用形態が変化し年内に退社すると報じる
  • コナミが公式発表として、小島氏は現在も在籍しており、ロゴの削除などは小島プロダクションなどの社内プロダクション制度を廃止したためと、制作環境に専念できる環境を整備するために一部通信制限がかけられた事を認める
  • MGS V:TPPは、小島監督の脚本、ゲームデザイン、プロデュースで予定通り発売
  • 雇用形態については、個人情報なので答えられない
  • 小島監督はメディアへの露出が減る

まぁ、コナミの答えはテンプレート的で噂が本当なのか否か、どちらとも取れる内容なだけに、何とも穏やかじゃない空気が漂うのは仕方がない事でしょうかね。

こういった話が出てきた場合、ゲームファンならばコナミへの印象を悪く感じながら、小島氏を擁護する動きになるのは想像に容易いです。私も多少はそう思ってしまいますし。ですが、その一方で「何故プロダクションを廃止するという動きになったのか?」は考えてみる必要もあるわけです。

そもそも、企業の経済活動は営利目的です。上場企業ともなれば、余計にその動きは更に加速するわけで、あらゆる意味でマイペースを貫いている任天堂のような存在が珍しいくらいな話でしょうか。企業が儲かるような事をするのは当然であり、儲からない事は方針転換をする事になります。ですが、それら「儲かる」「儲からない」というのは、クリエイターにとっては自身がやりたいことと相容れなくなるケースはままあります。クリエイターとして質の良いモノを作りたい、利益よりもゲーム作りが優先という職人気質な考えは非常によく理解できますし、私自身はその職人気質な考え方は好きですが、企業が「それを良しとするか否か」は別問題と言えます。

メタルギアシリーズは、コナミの家庭用ゲーム機向けタイトルの代表作であり、それは同時に小島氏の作品、小島プロダクションが作り出したモノという見方が大勢を占める事になります。コナミもその宣伝手法を使ってきたわけですし、当然「プロダクションを廃止したらシリーズファン達がどう思うか」は想定もしていたでしょう。その上で廃止をしたとなれば、つまりは感情論をぬきにしてビジネスとして見てしまえば、そういった結果にならざるを得なかった事も、なんとなく窺えるところではあります。いやまぁ、このタイミングでやるというのはいささかアレですし、MGS V:TPPに期待している身としては「何やらかしちゃってるの?」と思わずにはいられないのも否定しませんけど。

プロダクションが廃止になったからといって、メタルギアシリーズは続いていくことになります。そこらへんは、正式に続編制作が発表されましたし、「メタルギアオンライン」が同梱される事からもわかりますが、最大の焦点は今後小島氏がどのように動くのかという事でしょう。メディアへの露出が減るという事ではありますが、今後どういったタイミングで出てくるのかは生暖かく見守っておきたいですね。

なお、そんな部分への回答が見られるかもしれないコジマステーションは、3月26日20:00に放送予定となっています。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:コナミの話題について、改めてまとめておいたよーってな内容です。

しゃきーんさん:つまり、メタルギアシリーズに限らず、コナミのプロダクション制が「売れた売れない」ではなく、「儲かったか否か」という問題なのか?

しょぼーんさん:まぁ、その中でも小島プロダクションに一番スポットが当たるのは自然な事だろうけどね。でも、このタイミングでやらかす問題じゃないとは思うし、もうちょっと慎重にやるべき話題だったとは思う。少なくとも、現時点でMGS V:TPPに興味がある人達に対し、誠実なアプローチではないかなぁと。……ま、つまりコジマステーションを生暖かく見守ろうぜ! ってことで。

しゃきーんさん:どの大手も、色々と再編に忙しいのが2015年なのかねぇ……。

連載:気まぐれゲーム雑記 第769回:クリエイティブな仕事は、必ずしも稼ぎになるとは限らないという現実に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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しゃきーんさん

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