連載:気まぐれゲーム雑記 第758回:多数のゲームエンジンが無償化でゲーム開発も賑わっていきそう
気まぐれゲーム雑記
第758回:多数のゲームエンジンが無償化でゲーム開発も賑わっていきそう
ゲーム作りがすぐ近くに?
ゲーム開発の入り口は確実に広がった
AZです。「インターネットエクスプローラー」なるブラウザはWEBサイトを構築する上で、いつの時代も最大にして最凶・最悪の敵だと思い続けております。
それはさておきまして、GDCで色々とゲームエンジンが盛り上がった感もありますが、Game Watchがサラリとメジャー系のゲームエンジン事情を記事にしています。ざっくりまとめると、次の様な感じ。
Source Engine 2
- Valveが発表したSource Engine 2の最大の特徴は、使用グラフィックスAPIとしてVulcan(旧名:glNext)に対応すること
- Vulcanの特徴は、いわば“ゲーム開発に特化したOpenGL”で、対抗馬はDirectX 12
- Steam Machinesは、LinuxベースのSteamOSなので、DirectX 12ではその能力を引き出せないから、Source Engine 2がVulcanに対応した
- Source Engine 2はSteam上でビジネスをしたい多くのPCゲーム企業やインディーデベロッパーにとって、採用を真剣に検討すべきゲームエンジン
- 商利用でロイヤリティが発生するかなどは分かっていないが、基本的には無料になる事が発表済みで、Steamプラットフォームの存在感にも後押しされて急速な普及が進みそう
Unity 5
- スタートアップ企業や個人向けの無料版でフル機能が使えるというのもリーズナブル
- 商業ベースで既に成功しているデベロッパー向けに提供される有料のProfessional Editionも1,500ドルの買い切りであり、完全ロイヤルティーフリー
- 四半期で3,000ドル以上の売上があれば5%のロイヤルティが発生するUnreal Engineよりもリーズナブル
- リーズナブル制からインディーズゲーム開発のデファクトとしての地位は盤石
Unreal Engine 4
- 利用そのものは無料化された
- 使用コンテンツが四半期毎に3,000ドル以上の売上を発生させると、5%のロイヤリティ支払い義務が発生
- スタートアップ時にはタダで開発を始められても、ある程度ビジネスになってきた段階で売上情報の申告や、ロイヤリティ支払いの手続きといった手間とコストは発生
- 会計専門のスタッフなどがいない小規模チームなどでは、これを理由に採用を躊躇してしまうケースはありそう
- モバイル系OSにも対応し、Oculus RiftのようなVRヘッドセットといったトレンドへの対応にも素早いフットワークを見せている強力なエンジン
- Unity 5と引き続き覇を競い合う展開になりそう
CryEngine 3
- 引き続き月額9.99ドルのサブスクリプション制を継続していく模様
- Androidベースのゲームコンソール「SHIELD」に、「Crysis 3」が対応する
- ハイエンドモバイル端末市場への積極展開を狙うとすれば、そのカギとなるのがインディーゲーム業界からの支持を集めること
- コミュニティからはドキュメントの不足を指摘されるなどの問題点も抱える
Mizuchi
- シリコンスタジオは現在、高品位な物理ベースレンダリングを実現する次世代グラフィックスエンジン「Mizuchi」の開発を進めており、今夏の正式提供を目指している
- 「Mizuchi」はプロフェッショナルなゲームデベロッパー向けのエンジンで、グラフィックス機能と、シーンとマテリアルをセットアップするためのオーサリングツール
- 統合型の“ゲームエンジン”ではなく、例えばゲームロジックの部分やオーディオ、物理といった他の部分は各社のインハウスエンジンや、他のミドルウェアに任せるスキーム
- 統合型ゲームエンジンでは社内の技術資産が活かしにくかったり、ゲームの作り方が大幅に変わることがリスクになるケースで、それでも次世代グラフィックスを導入したい場合に威力を発揮
[引用元:Game Watch]
ざっとこんな感じでしょうかね。
今、ゲームエンジンの旬と言えば、「Unity 5」と「Unreal Engine 4」の2つでしょう。どちらにも一長一短があるのはいうまでもありませんが、お財布に余裕があるか否かで選ばれていく事にはなりそうです。
ここで、一番の注目どころは、「Source Engine 2」でしょう。Velveお手製のエンジンですし、無償で提供される事がすでに報告されています。Steamで配信を想定しても、当然作りやすいモノになる事が予想できますし、MOD作り等々でも活躍しそうな雰囲気がするのは言うまでもありません。
「Unity 5」「Unreal Engine 4」「Source Engine 2」がそれぞれに無償化して狙っているのは、基本的にはインディーゲームを作り出す層でしょう。「Source Engine 2」の場合、SteamOSに影響している事も十分考えられますが、基本的には無償で配布することで、個人単位でもゲーム開発者なる人物を増やしていこうという目論見が見え隠れします。「Unity 5」「Unreal Engine 4」は、今後もどんどんユーザーを増やしていく事にはなりそうです。……「Source Engine 2」は、Valveタイムが発動するか否か次第だと思いますが。
ゲームエンジンの無償化で、より個人に近しいモノになっていけば、それだけインディーゲームが作られる機会も増えていくというのは想像に容易いでしょう。今後も、インディーゲームが増えていく事を期待したいモノですね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:ゲームエンジン無償化の話がまとまってたので、ゲーム作りに興味がある人はどれかしら一度は触ってみようぜ? みたいには思うわけです。
:まぁ、インストールしない事にゃ始まらんしなぁ。
:最後まで作るのが大変ってのはよくある話かと。でもまぁ、ちょっとやってみようと思った人にとっては、どんなエンジンを選べば良いのか、なんとなーくわかるんじゃないかな。わたくしとしては、「Source Engine 2」が一番気になってるけど。……たまには何かを黙々と作り続けたい症候群みたいなの、起こったりしませんか?
:……そりゃ、何かしらを作るのが好きな人限定だろうよ。
:
:
:
: