連載:気まぐれゲーム雑記 第748回:多くのレビューが入り乱れる中、レビューとどのように付き合っていくべきなのかを模索
気まぐれゲーム雑記
第748回:多くのレビューが入り乱れる中、レビューとどのように付き合っていくべきなのかを模索
簡素な情報におどらされないようにしましょう
レビューという名の情報をきちんと読み取る事が大切
AZです。ファンが非公式で作っているMother4は、タイトルを変えておけば多少の可能性はあるような気はしますが、生暖かくウォッチしたいモノです。
それはさておき、以前Eurogamerがスコアを廃止した事が話題となりましたが、編集部のOli Welsh氏がその事について回答しています。
海外メディアMCVがEurogamer編集部のOli Welsh氏へ「なぜスコアを廃止したのか?」といった質問を投げかけたところ「昨年末頃より、スコアは読者のためにはならないのではないか、と考えていた」と回答。時にはスコアと比例しないレビューとなることもあり、ユーザーへ伝えたいことが伝わらなくなってしまうことがあることが、廃止となった理由のひとつであると説明しています。
Welsh氏は、例えば「素晴らしい作品といくつかのネットワーク問題」や「ひどいストーリー展開だが、見事にチューンされたマルチプレイ作品」など、総合的に見ると良いタイトルながら、欠点があることでスコアを下げる必要が出てくるため、結果的に本来伝えたいことが伝わる前に、スコアのみで読者が判断してしまうことを危惧していたと解説しています。
[引用元:Game*Spark]
点数だけが一人歩きするのは不味いですねぇ……。
まずはじめに、いつになく長文になる事が予想されます。ノンビリと読み進めて頂ければソレ幸い。
レビューの点数論争は、実は結構面倒なくらいに論点が広がっています。ざっと考えるだけでも、メタスコアが与えるプレイヤーや売上への影響、点数の付け方(加点式、減点式)といった問題、そもそも「レビューは主観でしょう? 論」、そこから派生して「誰に対してレビューを書いてるの? 論」から生じるメーカーや商業メディア、プレイヤー間における亀裂、信用問題などなど、実際のところ切り分けて考えなければならない問題が複数隠れています。そもそも、レビューに点数を付ける論争というのはたびたび起こっていた様な気はしますが、EuroGamerが重い腰を上げたことで大きくピックアップされるようになった、と言うべきでしょうか。
上記のように、問題は多々あります。全部について考えていたら切りがないので、ここではザックリと「レビューをどのように見ていくべきか?」という点についてピックアップしていきましょう。
点数によるレビューというのは、非常に分かりやすい紹介方式です。当ブログでも、「何となくザックリと簡単に分かる指標になるのでは?」と思って書いたりもしていました。まぁ、結局辞めましたけど。それはともかく、レビューを書く側がそう思えるくらいには、見る人にとって点数というのは「とても簡単に理解できるモノ」だと言えます。ですが、点数は厳格な基準でも決めない限り、実のところ客観的に見えて「どこまでいってもレビューした人の主観」である事に変わりはなかったりするのです。そして、ゲームと言う娯楽は好みに左右される面が非常に強く、誰もが理解できる共通の基準を作る事は難しい。そこに、点数化する事の限界があります。
もちろん、個人ブログや特定のゲーム、ハードを応援するブログなど、目的や趣旨がわかりきったブログで点数をつけている分には何ら問題はありません。今一度書きますが、レビューは主観です。どう足掻いても、客観的になる事はできません。主観である以上、そのブログ等々で書いてる人にとってはそういった点数なのです。それ以上もそれ以下もなく、そういった事を理解してレビューを読めば良いだけの事ですが、ここで商業メディアの場合はどういったアプローチをすべきか? という問題が生まれます。
本来ならば、商業メディアは読者にゲーム内容を詳しく伝えるべきです。ですが、点数と共にたった数行のレビューが並んでいる、というのが今のゲーム雑誌メディアのレビューでしょう。確かに、ポイントを端的に伝えているだけに、理解しやすい。それは否定しません。ですが、たった数行で片付けられる程度のゲーム内容しかないのか? と言えてしまう事や、点数の基準が個人で違うのだから、その点数に対して不信が生まれていく、というのも当然の流れでしょう。
逆に、文字数を気にする必要があまりないWEB系メディアは、点数に頼らず長々とレビューを書いています。じゃあそれが正しいのか? と言えば、そんなこともない。読みやすいレビューがあれば、反対に読みにくいレビュー、興味が持てない内容、レビューの切り出し方等々、長文なら優れているというわけでもないのです。つまり、読み手も「どういったレビューが好ましいのか」という個人差があるので、どちらが良い悪いということはハッキリし難い。
あくまでも私個人の意見ですが、点数というのはあくまでも「参考」に過ぎないと思っています。どういったゲームが点数が高くなるのかなどをサンプルとして集計しておく価値はあるとも思いますが、点数だけで面白いかつまらないかを判断している風潮は、決して良いモノだとは思えません。某ファミ通にしてみても、本来なら「合計得点」ではなく、個々の点数を見て然るべきでしょう。点数にばらつきがあるなら、なぜそういう事になったのか。その点数差に、自分の興味を注げる要素は潜んでいないのか。そういった視点で見ておいた方が、圧倒的に「得」です。レビューは、読者に共感してもらいたいから書くわけじゃなく、レビュー対象の内容を主観に基づいて理解してもらいたいから書いている、という見方が正しいと思っております。
レビューに対する点数は、誰かに伝えるには非常にわかりやすいです。ぶっちゃければ、文章を読まなくとも理解したつもりになれるだけに、点数が一人歩きしやすくなってしまっているような印象は拭えません。誰だって、点数が低いよりも高い方が良いと思ってしまうのは当然です。ですが、その「点数だけで判断される」というのは問題です。今後も、多くのゲームが点数に基づいて評価され続けていく事になるとは思いますが、その点数だけに躍らされないよう気をつけて見ていきたいモノですね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:海外メディアのEurogamerのスコア方式レビューについての話題が今一度あったので、きちんと書いてみたよーってなお話です。
:点数が一人歩きってのは不味いよな。
:商業メディアが付けた点数が一人歩きするってのが問題だとは思うよ。そもそもに、信用があるかどうか論も飛び出すだろうけど。逆に、個人ブログなら趣味趣向がはっきりするだろうし、個人の自由で良いと思う。……わたくしの場合、点数をつける事自体が苦痛になったからアッサリ辞めたけどネー。
:ま、レビューの在り方はそれぞれだが、点数だけに躍らされないようには心がけたいよなぁ……。
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もし皆がちゃんと内容読めば、スコアなしのレビューがいいと思う。
でも実際大半の読者が知りたいのは内容ではなく、スコアです。
よくある"なんのゲームがおすすめ?あのゲームは面白い?"ような状況と似てる、相当熱心な人以外は結局"答え"が欲しいだけ….