連載:気まぐれゲーム雑記 第743回:早期アクセスゲーム「The Stomping Land」の開発者が失踪した事で見えてくる、早期アクセスやクラウドファンディングへのリスク
気まぐれゲーム雑記
第743回:早期アクセスゲーム「The Stomping Land」の開発者が失踪した事で見えてくる、早期アクセスやクラウドファンディングへのリスク
何がどうしてそのような問題がおきたのか
性善論の上に成り立ったリスク
AZです。アルコールが入ると、マッハで眠たくなります。
それはさておきまして、恐竜が跋扈する時代に部族を作って生活するサバイバルゲームとして注目を浴びた「The Stomping Land」ですが、開発者Alex Fundora氏と連絡が取れなくなったとモデルデザインを担当していたVlad Konstantino氏がフォーラムで答えています。ざっくりまとめると次の様な感じ。
- Fundora氏から最後の連絡が届いて一ヶ月以上が経過した
- 彼には5つのメッセージを送ったが、一つも返事はない
- もしかしたら連絡が取れない事情があるのかもしれないが、言い訳にはならない
- Fundora氏はKonstantino氏にゲーム制作のための借金をした状態で、現在はKonstantino氏が関係しているスタッフの賃金を支払っている
- これ以上連絡がつかない場合、プロジェクトの離脱とモデルデータの売却などの処置をとる
[情報元:The Stomping Landフォーラム]
大体こんな感じでしょうか。
「The Stomping Land」の経緯を簡単に書いておきます。元々、クラウドファンディングで4,427人から114,060ドルを集めたタイトルで、その後は試作品がSteamで早期アクセスタイトルとして公開される事になりました。しかし、一度大型アップデートをして以降は開発元SuperCritの連絡が途絶えるようになり、一度Steamで発売が中止されました。その数週間後、Steamで配信が再開されるものの特に変化はなく、今回の一件が勃発したという事になります。
クラウドファンディングや早期アクセスは、インディゲーム開発者にとってネックとも言える資金を早い段階で集めながら、開発とプレイヤーのコミュニティを形成するモノとして注目を浴びていました。が、最近ではプロジェクトそのものが頓挫するというケースが多々見られるようになっています。今回の一件は、クラウドファンディングや早期アクセスの悪しき一例とも言えるモノでしょう。
クラウドファンディングや早期アクセスというのは、本来「リスク」が存在します。誰が作っているのかわからない、まして完成するかどうかも分からないようなモノへ投資するのです。開発する側が最初から悪意を持っているケースはそう多くもないでしょうが、どういった理由があって頓挫するのかはわかりません。開発出来る能力があるかどうかもわからないところへ投資するというのは、性善論以外何物でもないと言えてしまいます。
このような問題に対しては、先行投資の極みでもあるクラウドファンディングの場合はどうにもなりませんが、早期アクセスならSteamで配信される場合だと品質管理をする事である程度は防げそうです。とはいっても、どういった基準を作り出すのかは難しいですし、品質管理自体簡単ではないというのも伺い知れますが……。
本来ならば、大手メーカーが作れないような尖ったゲームに期待して投資するのがクラウドファンディングや早期アクセスになりますが、ここ最近はその問題点が浮き彫りになるようなタイトルも増えてきました。今後、どういった道を辿るのかを生暖かくウォッチし続けておきたいですね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:クラウドファンディングとか早期アクセスのゲームで、また揉めそうな一件が勃発してるよーってなお話です。
:なんつーか、対価を得ている以上は完成させろというしかねーよな。
:大体、クラウドファンディングとか早期アクセスって「計画通りにいかない」というのが概ねの答えなのかなと。だからこそ、それを実施するタイミングとか、資金運用ってのは本当にシビアにやらないと駄目なんだと思う。……こういう悪い一例ばかりが増えていくというのは、本当に忍びないねぇ……。
:そりゃまぁ、金を出した人だって完成に期待して出してるんだしなぁ……。
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