気まぐれゲーム雑記
第719回：早期アクセスを開始した「H1Z1」がいきなり返金騒動。返金という行動が今後どう影響するのか？

あまり良い傾向とは言いがたい流れです

まずは事の経緯から

AZです。爪楊枝の話題がこれほど広がるとは、到底予想不可能でした。

それはそれとて、先日Steamで配信開始されたSony Online Entertainment（以下、SOE）開発のゾンビサバイバルMMO「H1Z1」が、いきなり返金騒動で揺れております。

まずは事の経緯ですが、リリース直後からサーバーへの接続障害が多数発生している状況でした。ここらへんは、MMOにありがちなログイン祭りみたいなものといっても過言ではなさそうですが、それでもSteam上のレビューでは接続障害への不満を投じるレビューが多数並んでいます。

そしてもう一件、課金要素がPay to Winになっているとの批判が起きました。本作はF2Pである事が予定されていますが、プレイヤーは課金する事で銃や弾など空中投下の物資を受け取る事ができます。これが課金したプレイヤーのみに入手できるような仕組みになっているため、課金による優遇だという批判が集中しました。要するに、課金すれば有利に立てるので課金したモノ勝ちになるし、それはサバイバルというゲームバランスを損なうという指摘です。

そういった批判が相次ぐ中、SOEのJohn Smedley氏は返金対応を行うことを発表しました。リンク先は英語ですが、そこで返金の概要が書かれています。

H1Z1 refund policy - http://t.co/k33sWtK4Ny

— John Smedley (@j_smedley) 2015, 1月 16

以上が事の経緯となります。

「早期アクセス」だという事をどう扱うのか

概ね、予想できるのは賛否両論といったところでしょうか。MMOである以上、サーバーに接続できないというのはゲームができないという事に他なりません。それにだけ言及すれば、サーバーの改善見込みやら何やらが見えて来ないなら英断とも見えてきます。一方で、課金要素に対する批判ならば「早期アクセスタイトル」だと言わざるをえなくなります。

MMOの「早期アクセス」という事に対し、サーバー接続への不具合を許容するのか否かで感想は変化しそうなところにもなりますが、そもそもにSOEが開発したという事への期待値がそれだけ高かったという事が窺えます。何せ、Steam上のレビューではすでに7000件を越えているわけで、「早期アクセス」という事を踏まえてもこれだけのレビューはなかなか集まらないというのは容易に分かる事でしょう。

とはいっても、そもそもに「早期アクセス」であるという事が理解されていたかどうかも問題にはなります。昨今は、早期アクセスタイトルに対しての問題が問われるようになっています。Steam上でも早期アクセスの注意書きとして「この早期アクセスゲームは不完全であり、これから変わることも、変わらないこともありえます。現時点でこのゲームをプレイしても満足に遊べない場合は、 ゲームの開発が更に進捗するまで待ってみる必要があるかもしれません。」という文言が入っているわけですが、そういうのを理解せずに購入した可能性は否定できません。理解していないと、本件を悪く言ってしまえば「早期アクセスは文句を言えば返金になる」と思われてしまう可能性すらあるわけです。

昨今は、早期アクセスの扱いが非常にシビアなモノになっています。良くも悪くも有料ベータなモノに対し、あたかも完成したかのような評価を付ける人も少なくはありませんし、いつ完成するのかも見えてこないという現状は、早期アクセスが現時点で抱え込んでいる問題と言えるでしょう。H1Z1が、まだまだ長期に渡る開発になりそうな予感をさせてくれるのは言うまでもありませんが、今回の一件で早期アクセスなるモノの理解が深まる事を願いたいモノですね。