連載:気まぐれゲーム雑記 第613回:海外メディアによる「はーとふる彼氏」のレビューが色んな意味で“良い”

気まぐれゲーム雑記
第613回:海外メディアによる「はーとふる彼氏」のレビューが色んな意味で“良い”

メディアがメディアとして機能を果たしているのは良きかなと。

何でも紹介してこそメディアとして機能する?

AZです。今後しばらくはテニスフィーバーが起きるのかどうか、生暖かく見守っておきたいと思う次第です。

ところで、ハトとの学園生活や恋愛模様などを描いた奇抜なアイディア勝利的一作こと「はーとふる彼氏」ですが、海外での配信が始まったということで、海外メディアがレビューを公開しております。それらの一部をChoke Pointさんが翻訳してますので、一部をさらりと引用です。

8.0/10 IGN

良い点: 

  • 深みのあるキャラクター
  • リプレー性
  • ウィットに富んだ脚本
  • キュートなアート・スタイル

悪い点: 

  • 些細なテンポの悪さ

『はーとふる彼氏』は奇妙な設定のゲームで、その奇天烈さを謳歌しているとはいえ、力強い脚本で興味深い題材とキャラクターを提示することで、バカっぽいデート・シミュのレベルを凌駕することに成功している。多少テンポが悪く、アップグレード・システムは無意味に思えるが、笑えて有意義な物語の数々のお陰で気にならないだろう。

8.0/10 Polygon

『はーとふる彼氏』は、ひたすら奇妙で風変わりにすることで、デート・シミュというジャンルをからかっている。ウィットに富む台詞ととにかくぶっ飛んだシナリオは純粋に楽しく、幾つかの別ルートもリプレーする価値がある。革新性はないが、良い意味で爆笑できる。

8.0/10 God is a Geek

『はーとふる彼氏』は概ね上手く行っている。BBLルートには引き込まれるし、ビジュアル・ノベルが好きな心の広い人は必ずプレーすべきゲームである。だが、簡単に見つかるものではない。私がこのルートの存在に気付いたのは、更なるエンディングを見るために努力した結果だし、君たちにも同じ努力をオススメする。何はともあれ、DevolverとMediatonicがこれほど新鮮で風変わりなゲームをSteamに届けてくれたのは嬉しい限りだ。

3.5/5.0 Joystiq

恐らく、鳥たちは人類が誕生したその時から世界制覇を企んでいたのだろう。もしくは、「バード・ブレイン(ばか、間抜けの意)」という単語に辟易し、その単語を発した人間を全て制圧するために立ち上がったのかもしれない。それとも、ヒッチコックが何か企んでいたのかも。その答えはなく、ただヒントがあるだけ。『はーとふる彼氏』は巧みにトーンを設定し、奇妙な鳥のユニバースを作り上げている。壊れた人工の品々がアクセントを付けていて、陽気な世界に不気味さをもたらしているが、そうした不気味な要素は、ハトのデート・シミュという奇妙なゲームにおいては歓迎すべきだろう。正に鳥肌物である。

6.5/10 Destructoid

ハトだらけの高校に通う女学生というコンセプトのわりに、突き抜けきっていないと感じることもあるが、それでも短い間にたっぷり笑わせてもらった。隅々まで堪能するには、何度もプレーする必要があるだろう。

1.5/5.0 Hardcore Gamer Magazine

『はーとふる彼氏』は、ジョークとして生まれてジョークとして終わりを迎える。酷いゲームと呼んでも誰も傷付かないだろう。それを狙ったゲームなのだから。奇妙奇天烈すぎるビジュアル・ノベルの中でも、『はーとふる彼氏』は少なくとも最もぶっ飛んだゲームとして成功を収めている。これが10ドルでSteamで販売されているというのは本当に謎だ。無料で配られるべき、安っぽい手抜きのゲームなのだから。『はーとふる彼氏』はまともなコメディではなく、バカバカしいアイデアをあえて酷いゲームに仕立てただけ。それでお金を取るのは、たとえ地上最高のハトのデート・シミュであったとしても、間違いだ。

[引用元:Choke Pointさん]

なんというか、真面目にレビューしているあたりがアツイですね。

海外で配信開始された「はーとふる彼氏」をもうちょっと調べて見ますと、何気にメタスコアが現時点で71とネタゲーなのに最近日本で発売された「Sacred 3」の57を超えていたりもします。そもそもにジャンルが違いますのでスコアのみの比較するは変な話でもありますが、ポイントは結構マトモに点数を付けられているという事に尽きるのです。

国内大手メディアは「はーとふる彼氏」についてSteamで配信されるといった話題を取り上げていますが、しっかりとしたレビュー記事を書いたのは4Gamerくらいでしょうか。記事自体は今回のSteam配信のモノではなく、3年前にインディーゲームとして話題になった時のモノとなっていますが、その頃からインディーゲームとして取り上げたというあたりに4Gamerの先見の目を感じずにはいられません。

海外メディアはなんだかんだと取り上げて、国内メディアはあまり取り上げなかったというあたりの境界線は、日本における同人ゲームやインディーゲームに対する考え方、それにPCゲームをどう扱うかという思惑が何となく見て取れるモノがある……気がしないこともありません。まぁ、なんといっても同人とも言える「はーとふる彼氏」ですので扱いが難しいとも言えてしまうところですが、それでもそこそこに真面目なレビューを揃えてきた海外メディアは役割を果たしているとも見て取れます。

今後日本でもインディーゲームがどうなるのか何とも計りかねるところですが、メディアは率先して色々なゲームを紹介して欲しいとは思うところでもあります。今メディアに求められているモノはどのようなモノなのか、今は変化している時とも言えてしまうとは思いますが、よりたくさんのゲームを紹介し続けて欲しい限りですね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:なんか、「はーとふる彼氏」がSteam配信ってので海外レビューがあったんだけど、こういうのは何か“良い”なぁって思ったわけでして。

しゃきーんさん:点数も比較的マトモだな。

しょぼーんさん:いいんじゃない? 変なゲームであれど、レビューをしっかりと書いていくっていう姿勢は大切だと思うよ。メディアは、兎にも角にもゲームはたくさんあるよ? って紹介していけば良いんじゃなかろうかと。……人間一人で出来る量なんてたかがしれるしネー。

しゃきーんさん:今はネットの普及で情報の共有化も早くなったしな。ゲームメディアも上手く対応していって欲しいもんだわ。

連載:気まぐれゲーム雑記 第613回:海外メディアによる「はーとふる彼氏」のレビューが色んな意味で“良い”に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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