気まぐれゲーム雑記
第581回：EAが北米と欧州でXbox One限定の定額サービスを発表した件について

どこもかしこも定額です

サービスが先導する時代

AZです。残念ながら、寄生獣のキャラクターデザインに圧倒的な「コレジャナイ」感を感じてしまった一人です。

それはそれとて、EAがXbox Oneで定額サービスとなるEA Accessを発表しました。

月額4.99ドル、もしくは年額29.99ドルを支払ってEA Accessの会員になると、The Vaultと呼ばれるEAのゲーム・コレクションにアクセスすることが可能になり、対象となるタイトルを自由にプレーすることができる。現在はまだベータ期間であり、『FIFA 14』、『Madden NFL 25』、『Peggle 2』、『Battlefield 4』の4タイトルのみが対象だが、追って更なるタイトルを追加するとのこと。

それ以外の会員特典として、有料会員はEAのデジタル・コンテンツ全て（ゲーム本体からDLCまでを含む）が10％引きになる他、体験版に一般ユーザーよりも1週間早くアクセスできる。体験版のセーブ・データを製品版に引き継ぐ機能も盛り込まれており、現時点では『Madden NFL 15』、『NHL 15』、『FIFA 15』、『NBA Live 15』、『Dragon Age: Inquisition』の5タイトルがセーブの引継ぎに対応する。

［引用元：Choke Pointさん］

まぁ囲い込みですね。

根本的な話として、定額サービス（サブスクリプション）というのは顧客を囲い込むためのサービスですし、今のところゲーム業界で見られる定額サービスは古くなったタイトルの再利用であり、そこから更に新商品へとつなげようというやり口です。当然、加入者にとって利益になるものである事が前提ですので、加入する価値が見出せるサービスなら問題ないのではないでしょうか？　加入するかしないかは別として、選択肢が多いに越したことはありません。

と、思っていた矢先にソニーが、

EA Accessサブスクリプションを査定した結果、我々はPlayStationユーザーが期待するような価値をもたらすサービスではないと判断した。

PlayStation Plus会員はPS4発売を機に200％増加しており、これはユーザーが安価で様々なデバイスにまたがる多数のサービスを望んでいることを示している。

EAのみを対象とするプログラムに月額5ドルの追加料金を支払うようファンに要求することは、PlayStationゲーマーにとっての優れた価値を意味するとは考えていない。

［引用元：Choke Pointさん］

と発表しており、EAタイトルに月額5ドルの価値があるとは思えないといわんばかりのノリで応酬するなど、ちょっとした面白展開になっています。

そもそも、ソニー側としてはPS Plusですでに同じような事をしており、月額の価値をどこに見出すのかはサービスとしても重要なポイントであるという思惑も見え隠れします。それに、PS Plusで払っている側はすでにPS Plusで十分でしょうから、それ以上定額サービスに出したくないという心理はわからないでもありません。

一方で、EAの思惑としては自社独自での囲い込みを完成させたいという事でしょう。加入したい人からすれば、無数にあるPSタイトルからの厳選よりもEAタイトルに絞ってくれた方が嬉しいという人が想定できますので、そこらへんでお互いの思惑が違う事が露呈しています。最終的にそれがXbox Oneのウリになるサービスと考えるのは難しいですが、差別化という意味では効果がある……のかもしれません。

ともあれ、どの企業も独自で生き残る術を考えてきているのは間違いない事で、それがこのようなサービスだったり、安売りだったり、スマートデバイスへの進出だったりと色々と多くなってきました。EAのこのようなサービスが果たして成功するのか否かは今後をじっくりみておきたいモノですね。

……日本じゃ展開されないサービスかもしれませんので。