連載:気まぐれゲーム雑記 第508回:角川によるフロムソフトウェアの買収で日本市場をどう見るのか

気まぐれゲーム雑記
第508回:角川によるフロムソフトウェアの買収で日本市場をどう見るのか

大手メーカー等の頑張りにかかっております。

ゲームを誰に売ろうというのか

AZです。「LEFT 4 DEAD」のアーケード版というと、ガンシューティングくらいしか想像できない自分の創造力のなさに驚きました。

ところで、経済誌のダイヤモンドで角川によるフロムソフトウェアの買収劇と世界市場についての記事が公開されました。記事元では、フロムソフトウェアの社長である神直利社長と角川ゲームスの安田善巳社長が世界市場志向を持つという共通点をもっていると言えそうと紹介しており、その上で現在の日本市場の有様を綴っています。

角川ゲームス&フロム連合ができた大きな理由が世界市場攻略であるならば、この2社連合の未来は、海外市場において競争力を失いつつある日本のゲーム産業の未来を占う試金石となるのではないだろうか。

~中略~

確かに、日本は将来もゲーム人口が増える見込みがない一方、アメリカは未だに人口が増え続けている。世界のゲーム市場に占める日本のシェアは10%まで落ち込み、アメリカは50%近くまで伸びて来ている。これは、日本向けに作ったゲームがそのまま海外でも売れる時代ではなくなったことを意味する。

そのうえ、日本のゲームソフトメーカーには海外で受けるジャンルに関する制作ノウハウが総じて少ない。日本勢にノウハウや経験の蓄積がある、ドラクエに代表される日本ならではの「JRPG」や格闘ゲームなどは、海外では受けにくいニッチなジャンルであるうえに、海外で受けるFPS(1人称シューティングゲーム)やTPS(三人称視点によるシューティングゲーム)などのアクション性やネットワーク重視のゲーム制作ノウハウを持つ日本のゲームソフトメーカーは、とくに極めて少ないのが現実である。

さらに、ゲーム業界全体の収益力も下落し、大手ゲームメーカーは続編重視という安全運転の経営にシフトし、新しいタイトルに挑戦する機会が少ないことから、海外で受けるジャンルのノウハウ取得ができないという悪循環に陥っている。日本のゲームソフトメーカーを取り巻く環境は構造的に厳しくなっているのだ。

[引用元:ダイヤモンド・オンラインさん]

非常に的確ですね。

私自身もこの記事を書いた石島照代氏とは同意見です。少なくとも、続編だらけの現状においてゲームプレイヤーが増えるとも思えず、新作を作ろうとも的外れ的なモノが多いのは残念にも思えるところでした。新作という意味で、インディーゲームに期待が集まるのもわからないではありません。

そういった状況の中、フロムソフトウェアは日本のメーカーとして数少ない海外でも結果が出せるタイトルを排出しているメーカーです。そこから考えても角川がフロムを買収したのは、角川グループとして世界市場へうって出るためである事は容易に考えられます。日本人の角川に対する印象は多くの書籍であり、ゲームと書籍を結びつけるなら漫画やラノベといった方向に目が向くのも仕方がありません。ですが、元々ロリポップチェーンソーでも世界市場を狙って発売した経緯もありますし、最近ではデモンゲイズのグローバルエディションを発売すると発表しました。そうともなれば、より本格的な海外向けタイトルを欲しているのも間違いはなさそうです。

今後のフロムソフトウェアは、恐らくさほど大きな変化をする事もなく今まで通りな流れでタイトルを作っていくでしょう。長い目で見たらわかりませんし技術共有などはあり得る話ですが、企業その物を変化させようという事はその企業の価値が損なわれます。それに、フロムソフトウェアは元より人を選ぶタイプのゲームばかりを排出してきたところです。そのストイックさがウケているのでしょうし、角川もそういった部分に価値を見出すと考えられます。むしろ、角川ゲームスよりは確かな知名度がある事に間違いはありません。

今後の日本市場は、大手メーカーがどのようにして新作を作り出すかが注目されます。とりあえずその一手として、スマホで出したタイトルを携帯コンシューマ機でも出すという手法がとられるのは想像に容易いですが、据え置き機でなければ世界市場で存在感を出していくには厳しいモノになる事も予想されます。ガラパゴス化がより浮き彫りとなっている日本市場ではありますが、ゲームプレイヤーにとって「良い」と評されるようなゲームを大手メーカーはたくさん排出していって欲しいモノですね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:角川とフロムの買収劇的な話題に経済誌のダイヤモンドが触れてたんだけど、結構良い内容だったからご紹介してみました。

しゃきーんさん:日本については結構辛辣だな。

しょぼーんさん:それが現実だからね。メーカーの技術力とか信頼度とか、日本市場でのゲームが売れなくなった理由は色んな要素が絡んでると思うよ。でもまぁ、角川ゲームスはともかくとして、フロムはフロムのままである事に価値があると言えるのではなかろうかと。……どこに組み込まれようが、ストイックにあり続けるのでしょうなぁ……。

しゃきーんさん:まぁ、フロムはフロムだしな……。

連載:気まぐれゲーム雑記 第508回:角川によるフロムソフトウェアの買収で日本市場をどう見るのかに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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