連載:気まぐれゲーム雑記 第502回:レベルファイブ日野氏「いわゆるシリーズ物に頼るという戦略をしてないつもりでした」
気まぐれゲーム雑記
第502回:レベルファイブ日野氏「いわゆるシリーズ物に頼るという戦略をしてないつもりでした」
レベルファイブのこういう姿勢はなんとなく好きです。
新しいモノを作ろうという意欲が大切
AZです。ハンターハンターが2年ぶりに再開という話題で感じた事は、2年という年月の流れはとんでもなく早いという事でした。
ところで、レベルファイブの日野氏が妖怪ウォッチの爆発ヒット的な流れを受けてインタビューに答えているのですが、シリーズ物についての発言が面白かったのでご紹介です。
日野氏: 「イナズマイレブン」シリーズも、「ダンボール戦機」シリーズも、「レイトン教授」シリーズも、2013年についていうと、僕たちはすごく反省しています。スタッフにも話していますが、過去の遺産でずっと食べてきていたのではないか――というイメージだったのです。「妖怪ウォッチ」や「ファンタジーライフ」などの新しい柱も出てきていましたが、それでも大きな柱として「イナズマイレブン」シリーズはまだまた売れてくれるだろう、という甘えが頭の中にあったのです。
いわゆるシリーズ物に頼るという戦略をしてないつもりでした、僕はね。でも、やはり会社経営として、これだけ「イナズマイレブン」が売り上げて、まあ、絶対大丈夫だ、ということを思ってしまった。しかし、そんなに世の中は甘くありません。新しいことを打ち出してもいないのに、前と同じようなギャグを言って、お客さまが同じように笑ってくれるわけがありません。その部分をちょっと甘く見ていたなと思っています。
実際、最新作の「イナズマイレブンGO ギャラクシー ビッグバン/スーパーノヴァ」「ダンボール戦機ウォーズ」「レイトン教授と超文明Aの遺産」などは、前作よりも数字を落としてしまった。簡単に言うと、飽きられますよね、同じことをやっていても……。それぞれのシリーズの未来があるとしても、新しいことをやらなくちゃ、作り続ける意味がないということですよね。
[引用元:日経トレンディさん]
これまた至言ですね。
基本的に、完全版やらちょっとした続編の売上が落ちる理由は「同じ事をしていても飽きられる」と言う事が言えます。ゲームはいつか飽きるモノですが、続編を出し続けて飽きさせないようにするのか、それとも期間を空けて出してくるのかというのが概ねのタイトルに言えそうなところでしょうか。それでもやり続けたいというファンの声も大変良く理解できますが、結局作る作らないはメーカーのポリシーなり懐事情に依存する事は変わりなき事でもあります。
また、記事では「妖怪ウォッチ」をどうやって作っていったかが紹介されていますが、かなり子供視点で真剣に考えてきたことが感じ取れます。他メーカーの子供向けタイトルがそのように作られたのかどうかは目を見張るべきところとも言えるでしょう。……どのタイトルとは言いませんけど。
現在レベルファイブと言えば、ワンダーフリックやら何やらスマホに全力ムードを出していて、事実開発のウェイトは家庭用機よりもスマホ方面にシフトしている事を明かしていますが、妖怪ウォッチもなんだかんだと成功したようですし、上手く住み分けができるかどうかは見どころとも言えるでしょう。何はともあれ、スマホ向けタイトルが成功しない事には始まらないわけですが……。
大手メーカーが完全新作を作る事に萎縮しているのは多くのゲーム大好きっ子達が感じているところでもありましょうが、だからといってただ新作を作れば良いというわけでもありません。ゲームとして楽しむ事ができる新作なのです。シリーズ物の力を借りるのも一手なのは理解できますし、ビジネス的に成功すればそれはそれで有りでしょう。ですが、それだけではいつか飽きられてしまう可能性がある限りは、新作を作る事は避けて通れません。どの大手メーカーも、そういった完全新作を作る力があると信じてみたいモノですね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:商才には定評があるレベルファイブ日野氏のインタビュー記事が中々に至言だったのでご紹介してみました。
:とはいえど、ずっと同じシリーズってあり続けるよな。
:その戦略が良いか悪いかは何とも言えないんだけどね。でも、やっぱりいつか飽きられちゃうという危機感は持ち続けないといけないし、何かしら新作を作る余力もないとダメだと思う。……その新作がズッコケてりゃ話になりませんけどネー。
:というかぶっちゃけ、売れる新作ゲームが作れるなら今頃どのメーカーも作ってんじゃネーの?
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